色々あって異世界に転生した俺は現実世界と異世界を覇界する‼ パイロット版 (※活動報告にあったFFしのぶです)
活動報告に書いてあったFFしのぶを作品化してみました‼
俺の名前はふじわらしのぶ。空手道を究めんとする空手マンだ。
今日も走ったり、筋トレしたり、いろんな空手の型を練習したり、師匠と組み手をして修行の日々を送っているぜ。
目指すは世界最強の男、押忍‼
「しのぶよ、今日は山田の道場に行って稽古を手伝ってやってくれないか?」
「押忍。嫌です」
俺の目の前にいたナマズ髭の男の目が輝いた。
ガッ‼ガッ‼ガッ‼ガッ‼
岩みたいな拳が次々と俺の額、鼻すじ、唇の上、顎にヒットする。
「がはあッ‼これは正中線四連撃…ッ‼まさかこの目で拝める日が来るとはッ‼押忍ありがとうございます、師匠ッ‼」
俺は口と鼻からダバダバ血を流しながら師匠鬼頭雁高先生にお礼を言う。
「阿呆‼つべこべ言わずさっさと山田のところに行け‼ワシはこれから人に会う約束があるのじゃ」
鬼頭先生は広いおでこに浮いた血管をビクンビクンさせながら俺を怒鳴りつける。
「わかりました。では行ってきます」
俺は道場の入り口に向かう。
「待て、しのぶよ。お前に一つ、忠告しておくことがある」
「はあ。またお説教ですか」
鬼頭先生は空手の技量は日本一だが、一度説教が始まると長い。先生の下で俺も十年くらい修行を続けているがこれだけは苦手だった。
「しのぶよ、お前は十年前に比べて確かに強くなった。だがこの世は広い。お前より強い者などたくさんいるはずじゃ」
「知ってますよ。特に目の前にいる頑固爺さんからは一本も取った事ありませんしねえ」
俺はいつものように軽口を叩く。
「そういう意味ではない。いいか、ワシが言いたいのはなお前が修行で身につけた物は何の為なのかとかそういう事を考えろという話じゃ」
鬼頭先生は思わず顔を赤らめてしまった。先生が俺より強いのは本当の事なのに…。
「これからゆっくり考えますよ。じゃ、行ってきます」
「しのぶよ。惑わされるな。力は力でしかない。力では何も変える事は出来ぬ」
先生はやけに悲しそうな声でそう言った。俺はハイハイと雑な返事をするとそのまま先生の孫である山田倍読先生の道場に向かう。
この時はこれが先生との最後の会話になるとは思ってもいなかったんだ。
それから三時間後、空模様は夕暮れになっていた。
俺は山田先生に夕食を誘われたが、年老いた鬼頭先生を一人にしておくにはいかなかったので丁重に断った後スーパーでお惣菜とカップの親子丼を買って鬼頭先生の道場に戻った。
鬼頭先生の道場の近くまでやって来た時に、俺は異変に気がついた。夜が近くなっているのに家の灯りがついていないのだ。俺はなりふり構わず急いで道場に向かう。
「先生ッ‼」
俺はまず最初に先生の部屋に向かう。布団の中には空気を入れて膨らませるタイプの先生の奥さんが入っていた。そして先生はいなかった…。
「先生ッ‼」
俺は今見た物を全て忘れる事にした。そして道場の裏庭に飛び出す。そこには打ちのめされ変わり果てた姿となったLOVEDOLL茜沢リンリンちゃんと鬼頭先生の姿があった。
「先生、リンリンちゃんはレンタルですよ‼こんなにボロボロにして…ッ‼」
俺はほぼ残骸となったリンリンちゃんを一か所にかき集めた。これ弁償したらいくらくらいになるんだ…ッ‼そして先生は胸に穴を開けられて死んでいた。…後でポリパテで埋めておこう。
「はーっはっはっは‼これが空手界最強と謳われた鬼頭雁高の末路か‼憐れという他ないな‼」
ボリボリボリ。男はズボンに手を突っ込んでチンチンをかいていた。俺は関わり合いを持ちたくないので無視をすることにした。
変な男より目の前のLOVELYDOLLだ。先生の貯金で間に合うのか…ッ‼俺の気持ちは焦るばかりだ‼
「小僧、いい加減俺の相手をしてくれないか‼一人で叫んでいて虚しくしてしょうがないんだが‼」
俺は地面に転がっている使用済みのコンドームを見るような目つきで男を見た。
「チンチン触ったんだから手ェ洗えよ。性病伝染ったら殺すぞ、手前…」
男は手を洗った。俺はファブリーズをさっとかけてやる。
「で誰だよ、お前。つうか今時外を裸足で歩いているヤツ初めて見たよ…」
「ぬうう‼野グソを見るような目で俺を見るとは‼生意気なヤツめ‼俺の名前は毛虱痒郎、そこの鬼頭雁高に恨みを持つ者だ。俺と鬼頭の因縁を知りたいだろう⁉」
「別に。ていうかこれ以上長居したら保健所に連絡して駆除してもらうぞ?」
俺はタミヤのエキシポパテで先生の穴を埋める。ミニ四駆全盛期に買った物だが多分大丈夫だ。先生の顔色も…安らかな土色になっている。
「まさか先生ッッ‼‼コイツの性病に感染したのか⁉」
俺は先生のボディを庭の池に投げてしまった。池の中には何日も餌を与えていないピラニアが二百匹ほど存命していた。
元の数は千匹…もう何も言わなくてもわかるだろ?
ジャバババババババババッ‼
先生のボディに殺到するフィッシュたち。物の数秒も経過せずに池の表面が真っ赤になったかと思うと骨だけが浮いてきた。流石はアマゾン川の王者。陸は軍隊アリ、水はピラニアってわけさ。いやそうじゃなくてこのまま鬼頭先生がピラニアの餌食になってしまううう‼
俺は急いで潜水服に着替えて池に飛び込んだ‼
ああッ‼四方八方からピラニアが…‼うわああああああッ‼
こうして俺はピラニアに食われて異世界転生する事になった。
糞ッ‼何度転生したって先生の仇だけは討ってやるからな‼
「しのぶ…。しのぶ…。早く起きなさい。今日はお城で王様のところに行く日よ」
俺は吃驚してベッドから跳ね上がる。
「はうあッ‼おはよう母ちゃんッ‼それじゃあ行って来るぜ‼」
俺は母ちゃんからジャムとバターを塗ったトーストをもらい、それを咥えたまま城に向かう。
今日は俺が何のスキルを持って生まれたかを判定してもらう日だ‼どっかで聞いた事がある設定だけどまあいいや。俺は曲がり角を直進した。
おおっ‼丁度曲がった先には美少女がいるじゃあーりませんか‼
「八極拳奥義…鉄山靠ッ‼おりゃあああッ‼」
俺はセガに身も心も捧げた男、咄嗟に出る技といえば鉄山靠しかあり得ない。俺は体当たりで美少女を壁に叩きつけた。
「しゅっ…。十年早いんだよ‼」
俺は開袴(古武道の払い技の一つ。相手の手(出足側の)を打ちあげてガードをこじ開けるボクシングでいうところのパリイングみたいな技。実戦では絶対に使えない)から頂心肘を決める演武を繰り出しながら美少女の反撃を待った。
「やるのう…。蚊が刺した程度には効いたわい…」
美少女は右肩をグリンと回して関節を可動させる。どうやら今の一撃は効いていないらしい。
「危うくブラが外れてしまうところだったぞ?責任を取って結婚してもらおうかのう…」
「何を…。キャン★ドゥなんかで下着を買うからそんな事になるんだ…」
かく言う俺もキャン★ドゥの下着を使うようになっていた。手洗いをしないと一年もたないパンツとシャツだが一枚百十円の魅力には勝てない…。
美少女はその場にしゃがみ込んでクラウチングスタートの体勢に入る。
「…タックルか。だが俺には猿臂がある。シンちゃん(ジャンキー)もこれでリュウ(ジャンキー)を凹ませたんだ…」
俺は腰を落としてタックルを受け止める準備をした。片足を取るタイプのタックルなら不利を強いられるが敵に寝技や組み技のスキルがあるとは思えない。
(タックルを受け止めた後は顔に膝蹴りを決めてやる。それで相手の動きが止まったら…背中から肝臓が破裂するまで猿臂を叩き込んでやるぜ‼)← 即死コース。
「じゃあっ‼」
美少女は獣のように叫びながら大地を蹴る。腰の位置がやや高い。
(やはり打撃封じか。これなら…)
俺はその場から一歩下がり、腹筋に力を入れて受け止める覚悟を決めた。
来いッ‼
「甘いわ‼」
美少女は俺にぶち当たる直前で停止して俺の腕を掴んだ。そして滑るような動作で足を引っ掛けて俺を倒そうとした。
「これは…コマンドサンボか‼」
「フハハハハッ‼サンボは変幻自在、柔道のような脳筋野郎御用達の格闘技とは違うんだよ‼」(暴言)
美少女はニシキ蛇のように俺の身体を絡め取ると地面に向って引き倒した。この技の狙いは関節破壊ではない。狙いはダウン直後の延髄への肘落とし。
「るしゃあああ‼」
ごりっ‼
俺は延髄を砕かれて絶命した。
コンティニュー? YES/NO
…YESだよ‼
「鳴り響け、俺のメロス‼」
俺はワンコインを投入してその場で復活した。
「ふじわらしのぶよ、貴様が何度蘇ろうとも同じ事よ‼おとなしくワシと恋に落ちるがいい‼」
目突き、鼓膜破り、そして金的を狙った後ろ蹴り。必殺の攻撃は全て不発に終わってしまった。
「コイツには…空手が通用しないのか‼」
「フハハハハ‼まるで効いていないぞ、しのぶ‼何か立ち眩みっぽいけど全然大丈夫だ‼」
空手が、こんな奴に負けるなんて…。そんな俺の前にゲームのシステム的な物を司る神が現れる‼
「あの~ふじわらしのぶさん?貴方は生まれ変わる時に発生するスキルポイントを使用していないんですけれども~」
(こんな時にか‼運営は何をやっている‼)
俺は全力でシステム神に突っ込んだ。そうだ、突っ込む。この力があれば俺は女に負ける事は無い。なぜならば男である俺に出来る事は…ッッ‼
「女に突っ込む事だけだああああああ‼」
その時、俺の拳に神が宿る。全ての粘膜という粘膜を撃ち震わせる戦慄の力が宿ったのだ。
「ぬおおおお‼これが俺の新しい力…ッ‼」
「左様。それがお主の真の力(※スキルポイント関係ない)不純異性交遊拳じゃ‼」
ピラニアに食われて死んだはずの師匠が俺の背後に幽波紋のエネルギービジョンよろしく立っていた。
「クッ‼しのぶよ、女を殴るのか⁉か弱い女を殴ってお前は正義の味方とかぬかすのか‼だとすればお前は正義の味方の贋物、悪者だ‼」
ブブブ…。俺の拳は高速振動している。
これがケンガンオメガとかでもピックアップされた話題の力、シバリングだ‼
ブブブ…。今の俺ならば女子に触れずとも絶頂に導く事が出来るだろう。俺は童貞のまま異世界中の女子をひいひい言わせることが出来るのだ…。
「食らええ‼不純異性交遊拳奥義ッッ‼超音波姦通波ァァァッッ‼」
ドゴゴゴゴゴッ‼俺は秒間100万メガヘルツを超える超震動を美少女に向って放った。
「あっ‼あひひいいいいいいいっっ‼こんな気持ち良いのは初めてええええええッッ‼‼」
美少女は穴という穴から体液を噴出して爆散した。
「シュシュッ‼」
俺は拳を引いて残心の構えを取る。
「恐ろしい。これが俺に与えられた異世界と現実世界をぶっちぎりで覇界する力か…」
「それだけではないぞ、しのぶよ。お前は倒した相手を奴隷契約して使役できるのじゃ…」
そんな凄いスキルが…。でも俺は人つき合いとか苦手だからいらないや。
こうして俺の異世界と現実世界を巡る戦いが始まった。
※美少女は教会に連れて行って復活させておきました。




