表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は海のど真ん中!? もふ強魔獣とイケオジに育てられた幼女は、今日も無意識に無双する  作者: ありぽん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/85

48話 いやいやまさかね

「おお、なんと都合がいい。ちょうど良さそうな人間どもが、こんな所におるではないか!」


「はい……」


「あれは……見覚えがあるぞ。前に我がワイバーンを討ち取った、あの愚かな兄の使用人か?」


「いえ、正式に戻ってきたわけではなかったはず。しかし、確かにあれと常に行動を共にしていた男で間違いございません」


「ふむ、ならばこの人間たちはやはり関係者か……。だが、家族にこんな乳臭い小娘がおったか?」


「いえ、そのような情報は一切……」


「ならば親戚か、あるいはただの客人か。顔に覚えは?」


「いいえ、見たことはありません」


「ふん! まぁどちらでも構わぬ。捕らえて人質にしてしまえば、奴らも抵抗などできまい。そうなれば、あの男も我が言葉に従うしかなくなる。フハハハハ! これで楽をして全てを手にできるぞ!」


「……」


『……くちゃらちゃ?』


『……』


『……』


 突然現れた人間とワイバーンたちの、あまりにもおかしな会話に、その場にいた全員が、その人たちを無言で見つめてしまった。

 ポル君だけは『くちゃらちゃ』って言葉が気に入ったらしく、場の空気なんてお構いなしに『くちゃらちゃ』って言ったけど。


 ……で、誰だよ、このバカ丸出しの発言をしてるのは?


「あれがサンデリオです」


 私はバッ!! とランドルフさんの方を振り向いた。私だけじゃなく、ケロケロとグレイスもね。

 え? あれがサンデリオだって? まさかぁ!? だってアーセリオ様と同じ辺境伯なんだよね? でも、全然そういう雰囲気がないんだけど!?


 いや、うん、住民たちにもだいぶバカにされていたけどさ。さすがにここまでバカなはずは……。私はジッとサンデリオを見る。


「ん? なぜ私をじっと見ておるのだ。不敬であるぞ」


「……どうやらサンデリオ様のことをご存じなかったようです。それで、名を耳にして驚いておられるのでは?」


「ああ、なるほど、そういうことか。この偉大なる私を初めて目にして、ここまで攻め込むことができる人物であったかと、驚いて見ておるのだな! 我が名がこれほど敵国にまで轟き渡っているとは、いやはや我ながら恐ろしいほどの名声よ!」


 あー、ちょっと待て待て。うん、これはサンデリオじゃないな。もう、ランドルフさんも冗談を言ったりする人だったんだね。でもダメだよ、いくら相手がこれでも、戦いの最中にそんな冗談を言っちゃ。


 そう思ったのは私だけじゃなかった。ケロケロとグレイスもそろって、ランドルフさんに小声で話しかけた。


『あれは一体なんだ? 本当にサンデリオとかいう人間なのか?』


『バカだとは聞いていましたが、まさかこれほどのバカがサンデリオのわけがありませんよね? 人間は時々、冗談というものを言いますが、私はその冗談というものが、あまり好きではありませんので。できればやめてもらえると嬉しいのですが』


 そうそう、ケロケロもグレイスも、ちゃんとランドルフさんを注意して。ポル君は、ケロケロたちの話しについて来れてなくて。でもおかしな人間たっていうのはわかってるみたいで、くちゃらちゃって言いながら、警戒はいていたよ。


 ただ、そんなランドルフさんを注意したグレイスだけど、レンドルフさんから返ってきた返事は。私たちが聞きたい答えじゃなかったよ。


「いいえ、間違いなく、あれがサンデリオです。そしてやや下がって話しているのが、参謀のドミニク・ラヴァント」


「……」


『……』


『……』


『くちゃらちゃあ』


 ポル君、今はくちゃらちゃあって言うタイミングじゃないよ。じゃなくて、本当の本当に、これがサンデリオ? 


『……リア。気持ちは分かりますが、その顔はやめなさい。こんなバカな人間にそんな顔をして、いちゃもんでもつけられたらどうするんです』


『りあ、なんでそんなかお? えっと、かがみかがみ……はい!』


 ポル君が近くに置いてあった鏡を私に向けてくれて、そこに移った私は、あの顔をしていたよ。眉間に皺を寄せるやつね。いや、でもさ、こんな顔にもなるでしょう。だってこれがサンデリオだって言うんだよ? 


『それにしても、こんな人間がいるとは』


『初めてこういう人間に出会ったな。俺たちは長く生きてきているが、海に長く居すぎたせいで、ちゃんと人間のことを分かっていなかったか? ポルが家族になり、一応陸には来ていたはずなのだが』


「いえ、これは特殊なケースかと。私も子供の頃に驚いた記憶が」


『お前たちが驚くのなら、やはりこれがおかしいのか』


『どう過ごせば、このような人間になるのでしょう?』


「おい、先ほどから私の前で何をこそこそ話しておる! 聞こえるように話さんか。まったく、不敬な!」


「サンデリオ様、この者たちは、サンデリオ様が気に病むような相手ではございません。さっさと捕え、人質にして交渉を始めるのがよろしいかと存じます」


「おお、そうだったな。よし、奴らを捕まえてこい!」


『はっ!!』


 サンデリオたちの後ろにいたワイバーン部隊の数組が、私たちに向かって近づいてこようとした。でも、私たちの数メートル向こうで、バイーンッ!! と思い切り跳ね返され、離れた場所に墜落していったよ。


「な、何だ!? 何が起きた!?」


「おい! お前達もいけ!!」


「は、はいっ!!」


 再び近づいてくる、他のワイバーン部隊の数組。でも近づいてきた途端、さっきと同じように思い切り跳ね返され、墜落していったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ