1話 事件? 事故?
短いです。
「だるいなー。そうだろ秋月。」
「そう言うなよ。確かにこれはきついけど」
俺、秋月啓太は満員電車に揺られながら、セミナー会場に向かう。この春、大学を卒業し、就職したばかりのピカピカの新入社員だ。
本日が入社3日目となる。
通勤ラッシュ時の満員電車はつらい。
隣にいて話しかけてきたのは同期の石田敦という。大学の同期であり、入社した会社まで同じという仲だ。
近くに福田さん(男性)と棚田さん(女性)という会社の同期がいる。この4名が今年、俺が入社した会社の新入社員だ。今は新入社員教育の一環として会社近くのセミナー会場へ向かう所だ。
周りを見ると、自分と同じようにスーツに身を包んだ若者が何名か見える。おそらく同じセミナー会場に向かう他の会社の新入社員だろう。
更に、ここは地元高校の通学路とも重なっているため学生服に身を包んだ若者も結構いる。まあ、それでさらに混んでいるのだが。
電車が止まり扉が開く。
「よし行くか」
そしてホームへ足を踏み出し、
ホームと電車の間に落ちた。
目撃者は語る。「電車の扉が開いたと思ったらいつものように人が一気に出てきた。その際12人もの人が次々と電車とホームの間に落ちていくのはまるでコントのようだった」と。
ただ、この件はコントで済ませられなかった。その落ちた12人がそのまま行方不明になったからだ。この件は翌日の朝刊のトップを飾った。現代のミステリーとしてネットなどでも話題となった。
だが、その後は進展も続報もなく徐々に人々から忘れ去られていった。
本文の長さを短くすることで高頻度で更新できるのでは? という実験も兼ねていますので、今後も一話が短いということがあると思います。




