秘された者たち 後篇
いちおうは冒険世界に連なる世界、ということになっているらしいアイスプル。
星敵が居たりイレギュラー存在が居たり、名を失った神話を信仰したり……うん。
改めて、アイスプルの保有する戦力って危ないなと思う今日この頃。
俺とか『SEBAS』はともかく、だいたいの住民が武闘派っぽいし。
なお、固有種化や『プログレス』移植などはしている住民たちだが、魔獣となる個体はまだ確認されていない。
魔獣の出現条件なども絡んでくるのだろうが、そこはやはりアイスプルクオリティ。
星の管理者権限のようなものを駆使して、『SEBAS』が調整しているとのこと。
「……そういえば、神話も関わってくるか」
《そうですね。星と神、異なる上位存在が似て非なる思惑で人々と関わる。EHOという世界は、そういった形になっています》
「星も神も、形は違っていても人の存在が重要だからな……必要でも不可欠でも無い分、調子には乗れないけど」
生きとし生ける者たちの活動が糧となる星と、自分たちに向けられる想念によって力を高めていく神。
どちらもその最高率を叩きだせるのが、人だからこそある程度尊重してくれる。
……魔物の方がそうだったなら、あるいは異なる世界観だったのかもしれない。
「で、アイスプルには失名神話。冒険世界は北欧神話と希臘神話。魔導世界には魔導神話といろいろ存在するわけだ」
《はい。自分たちと相性の良い世界に根差すことで、より信仰を稼いでいるようです》
「……でも魔導世界は魔導神話だけなんだよな。前に行った時も、メインで置かれているのは魔導神話の唯一神だったし」
《おそらくは、神々同士での取り決めが成されたのでしょう……彼の地にて。そしてそれは、失名神話もまた同じこと。奥様の周りが不穏な状況にあるのも、それが関わっている可能性が高いかと》
「そういえば前に言ってたな、使徒から接触があったって……そうか、まだ誰も行ったことの無い世界にルリが行くことになるのか」
マイが向かった育命世界、あの世界は様々な生物が存在する命の楽園。
そして、ルリがおそらく向かうことになるであろう世界は──
「神天世界。神々が戒めから解き放たれ、思う存分力が奮えるとされる世界。俺でも潜り込んだらどうなることやら……心配だけど、何もできなさそうなんだよな」
休人が訪れることがもっとも困難であろう世界、それが神天世界。
それは天上世界とは違い、世界自体が神々に適した理を張り巡らせた場所。
アイスプルに住まう、失名神話の神々もかつてはそこに居たはず。
それでも、俺は彼らからその世界の情報を直接聞けたことは無い。
何か条件があるらしいが、ルリがそれを満たせそうな辺り察しは付く。
……全然信仰されていない今の俺は、名ばかりの自称神様だもんな。
※神天世界
■■■■■■■……
p.s. 無字×1225
バレンタインですね……何の日かは分かりませんけど(遠い目)
よく分からないなりに自称偽善者のSSをご用意しましたので、ぜひお楽しみください




