秘された者たち 前篇
マキの教育方針(?)について問われた。
親(?)の一人であるド・ライブには、先生ポジションだと答えたが……巻き込まれそうなんだよな。
イレギュラー存在である機械精霊マキ。
彼女のような存在はとても稀有だ……具体的には【魔王】や『騎士王』ぐらい。
「そういえば、【魔王】は【倣慢魔王】に改名させられたんだっけ……能力も一部ナーフされたみたいだし、その分の恩恵があるとは言っていたけど」
少し前、当の本人から検証した情報も含めてそんな報告を受けた。
遣いとして【冒険賢者】が来るほど、冒険世界にとって重要な案件だったらしい。
《【魔王】の職業よりも、能力のリソースが多く設定されています……が、その大半は再現のために用いられることでしょう》
「【倣慢魔王】の複製&簒奪コンボか」
ドッペルゲンガーの特異個体である彼が、最上位職や権能持ちを写し取り、自身からそれらを簒奪するという裏技。
システムとして共通の器を用いているからか、歴代の【魔王】が簒奪した結果すらも写し取るというバグみたいな仕様だった。
理論上、【魔王】かつ複製系の能力があればできなくもない。
……が【倣慢魔王】の特異点たるぶっ壊れなキャパシティが無い限り、不可能な仕様。
《情報は受け取っていますが、どうやら消耗型という形で成立させたようです。レベルをコストとし、集積データとして冒険世界に保存された権能や最上位職にアクセス、ダウンロードして用いるようです》
「……後半って、表向きな情報?」
《【倣慢魔王】自身が解析した情報です》
「だよなー。もともとできていることを、わざわざ委託する必要性は皆無なんだが。そういうことにしておきます、という体裁が必要だったわけだ」
まあ、当人以外が【倣慢魔王】の就職者になるなら、意味のあるものだったかも。
外部に保存するならキャパシティの負担も少ないし、レベルもいちおう必要経費だ。
ただ、当人にはまったく意味が無い。
それでもその仕様にしたのは、力に釣り合う制限が存在する……ということにした方が都合がいいから。
他の世界には先の情報の後半部分も含めて流布し、一般の者が鑑定などで把握しても前半ぐらいしか映らないよう『細工』をするのだろう。
「イレギュラーな連中の扱いは、逸脱した連中よりもシビアになるもんな……うちもそういう感じだし」
ほぼバレバレだが、アイスプルが誇るイレギュラー存在は『SEBAS』だ。
俺のサポートに特化している、というのが他の世界の認識だろう。
イレギュラー存在、そして俺という星敵。
休人の犯罪者集団に、天然・人造問わない指示を聞く固有種たち……アイスプルって、改めてヤバい場所なんだよな。
※秘匿存在
何らかの理由で、その存在を公にされていない実力者たち
各星々や領域に最低でも一人、場所によっては複数存在する
その在り様は様々──権能を宿す者、唯一無二の個体、あるいは……それらに匹敵するナニカを持つ者
p.s. 無字×1233
お仕事が少し楽になった作者です
……例年通りなら、あくまで冬だけ
仕事の休み時間、ふと外に出て見れば水たまりが凍ってました……うーん、寒い
職場もだいたい10℃は当たり前で下回っていますし、メリットとデメリットの天秤ががが……




