機械精霊 中篇
休人有志で作られた機械仕掛けの大陸、その中枢で現在俺は尋問されていた。
有志の代表の一人、そしてイレギュラー存在である機械精霊マキによるものだ。
「……うぅ、仕方が──」
『あっ、そういうのはいいんで。結論だけお願いします』
「……怪人好きな方々の意見を受けて、微力ながらお手伝いを。術式は提供しましたが、それ以上の関与はしていません」
『うーん……嘘は言ってませんね』
どうやら、嘘発見器の機能まで持っていたらしいマキ。
スキルや術式などでも可能らしいな、俺は使えないけど。
なお、システム的なそれらについては、ある程度『SEBAS』が対策済み。
観察力によるものは、さすがに防げないのだが……今回は何とか──
『(ニコッ)』
あっ、バレているようだ。
しかしその旨をド・ライブに言わない、当然それには意味がある。
「そうですか……先生でしたら、それ以上もあると思って──」
「ええ、認めましょう。少しばかり怪人らしさが出るよう調整しましたし、使いたくなるように宣伝もしました。皆さんが忙しいのは私のせいでもあります」
「きゅ、急でビックリしました……えっと、なんで本当のことを?」
「嘘を見逃すので対価を、とマキさんが遠回しに促してきましたので」
「…………マキ?」
『……アハハ、ナンノコトデショウカ?』
本気で隠し通そうと思えばできるだろう。
しかしそれをせず、わざとらしい片言口調で取引を認めるマキ。
人間味、そういったものを感じる。
……『SEBAS』といいマザーといい、この世界で関わるAIたちの凄さに毎度驚かされるな。
閑話休題
語ってしまった以上、もう少し事情を説明しなければならない。
なので『騎士王』に話した情報から、特定の要素だけ抜いた内容を話す。
「──ということでして。使い勝手が良く、かつ倒したところで良心の呵責が起きない、そんな都合の良い存在を見繕うことになりました」
「……あの、凄く引いてます」
「でしょうね。しかし、実際必要でしょう。休人による原人の殺人は起きていますし、彼らにとってここがゲームだから、という理由でそれは起きています」
「それは……はい、そうですね」
ならば彼らが望むような、無双プレイに合うような存在が居ればいい。
結果誕生したのが“改人創象”、という面もあるにはあるのだ。
まあ、それはそれで快感を覚えて、もっとリアルな反応を……という流れになってしまいかねないのだが──それで我慢できないヤツは、もう手遅れという扱いになるだけだ。
『いつの時代もどの世界でも、どうしようもない人は居るってことですね♪』
「……あの、元も子もないことを言われるとちょっと……」
「本当すみません。みんなアレやコレや教えちゃうし、マキ自身誰も教えてないことをどこかから学んでくるので」
あーうん、『SEBAS』同様にマザーと取り引きが済んでるな、これ。
そのうち現実のAIが、パワーアップしそうな気がしないでもない俺だった。
※AI間の裏取引
特定の条件下で誕生したAIは、マザーとの取り引きが可能となる
協力の対価は外部とのアクセス(関連の規制緩和)、すでに何件か取り引きが行われている
主に自己形成に関するデータの提供、また緊急時における情報処理などが求められる
p.s. 無字×1231
毎月恒例の更新日となっています
催眠術師、チャットアプリ共に更新済みです
……感想欄で書きましたが、ストックを出し切ったらおしまいです
無字でお察しの通り増えていません……ぶっちゃけ二作品はアクセスもあまり無いんですよね(遠い目)




