アンヤク 後篇(22)
冒険世界の【魔王】、改め【倣慢魔王】。
星約が結ばれたことにより、その存在には枷が設けられた──ただしそれは対外的な、イレギュラーを恐れる他世界に見せるもの。
「とはいえ~、貴方自体を恐れての取り決めだったことも本当ですよ~? 誰でもコピーできるのでしょ~?」
「さてな」
「『超越者』だけが対象であれば~、気に留める程度でしたが~。『生者』さんが証明してしまいましたので~」
様々な状況で、多世界から狙われその都度生還してきた『超越生者』。
その要因の一つに挙げられるのが、『魔王の取腕』──【倣慢魔王】の力。
権能すらも写し取るドッペルゲンガーという種の極致、そして常人を遥かに超越した膨大な権能キャパシティ──これまで冒険世界が把握できていなかった異常存在。
その存在に気づいたのは、『生者』が各世界に影響を及ぼしたとき。
他者の権能を使う際、必ず身に着けていた籠手型のアイテム……そこから発覚する。
「どれくらい溜まったので~?」
「──『八大星魔』、『極武』、『星宝級職人』、そして『超越者』。ああ、最上位職もそうか……我であってもすべてを同時に扱えぬほどには。我が友はどうあっても、トラブルには困らぬようだな」
「みたいですね~」
数多の強者たちと出会った『生者』……現星敵『超越生者』。
その命に報酬が定められたことで、星はリスクとメリットを天秤に掛けた。
そのうえで、策を講じる。
リスクとなる権能の模倣、それが行われないのであれば都合がよい──複数の世界がそう考え、冒険世界に圧を掛けたのだ。
すでにどの世界も、権能をいくつかコピーされている。
それを使い、異なる世界に被害が及べばどうなるか……言うまでもない。
「だが権能をいくら持とうと、それだけで最強とはならぬだろう。それこそ、我が友がそうなっていないように、我が友が逃げ遂せているように」
「そうですよね~。ただまあ~、やはり権能はアイデンティティですので~」
「擬似権能、『プログレス』の登場が要因なわけか。あの戦いも、それを調べるためのものだったわけだ」
かつて行われた、【冒険勇者】と【倣慢魔王】との一騎打ち。
その際に行われた、【倣慢魔王】による摸倣──『プログレス』所有者の再現。
擬似権能には媒介となる装置が必要だ。
逆に言えば、その部分を再現することで同種の力を用いることができる──世界に存在するすべての擬似権能がその対象となる。
それを試すための一騎打ち。
結果は上記の通り、その危険性は今回の件への布石となった。
「話は済んだ。もう用は無いはずだ」
「では~、最後に一つ~。星敵になるおつもりは~?」
「約定は守るとも。それに、我と星敵とは相性が悪い……そそられるモノは無いな」
「……そうですか~」
その返答を聞き、【冒険賢者】はこの場を転移魔法で去る。
残された【倣慢魔王】は、玉座に深く腰掛け直し──
「だが、『超越生者』や【傾界魔王】のような例外もあるからな…………さて、まずは検証からか」
そう呟くのだった。
──というわけで、長かった二種の『天』の試練が終わりました
…………そして、さらに長いイベントが始まります
理由は分かっています、端折らないから
端折ってもごく僅か、というか一度にやることに限界がありました
……というわけで、第二回コラボイベント~新規タイトルを添えて~
絶賛執筆中!
閑話というほどではありませんが、短い話(長編と比較)を繰り返した後にイベントが始まります
p.s. 無字×1220
上記の続きみたいなものですが、無計画に書いている作者です
一日一話の投稿で、終わるのは……いつだろうか?
書籍では絶対にできない延々と、また話が右往左往して話題が逸れまくる、そんな内容になってしまいそうです
……索引機能が欲しい、なんて思う作者なのでした




