死天の試練後 その09
暇潰し、そのつもりで使った“架想・究極術式”が引き金となり──ホテルが崩壊。
俺にその術式をくれた、魔導世界の秘匿戦力『アルス・ナギマ』の仕業らしい。
「さて、ここからどうするかだな。俺を助けるため……だったなら、別にあのまま残っている必要は無いもんな」
《先ほどもご説明した通り、その目的は術式のテストです。旦那様の居るホテルを破壊したのは、運営の理や異形を差し向けた勢力への干渉能力を試すためでしょう》
「……じゃあ、アレは?」
上を仰ぎ見て、巨大な魔法陣がグルグルと回転する光景にそう問いかける。
周囲に一回り小さな魔法陣が無数に出現、紋様を描き──事象を書き換えていく。
「中から……異形が出てきたな。それに、悪魔やら天使やら、戦乙女やらも」
《解析された情報を基に、複製体を生み出しております。本物とぶつけることで更なる情報を、それが済めば強者相手に実験を行うことでしょう》
「本当、術式のことしか考えてないわけだ」
《それこそがアルス・ナギマの存在理由。術式の改良・開発のためならば、手段を択ぶことなく行動します。魔導世界が手綱を握っている間は制御可能ですが……》
「俺とのやり取りは、イベント世界の運営謹製の空間で行われたモノ。魔導世界も知り得ないモノで、今回のやり取りも把握できていなかった。だから制限されてない状態で、試したいことを試しているわけだ」
と、ここまで考えるとそもそもそうなったことすらも、例の存在が関わっているのではと疑いたくなるな。
《……旦那様、お考えなさっていることはお察ししますが、それについては旦那様が発動した“検索召喚”が要因です》
「ちくせう、ダメだったか……!」
《アルス・ナギマ自身より、ある程度情報は得ております。自身の領域との接続、それが切っ掛けであると。それ自体は元より可能であった以上、時間の問題でした》
モグラ叩きのようなもので、運営は俺が開いた穴を即座に塞ぎ、アルス・ナギマのように外部からの干渉が無いよう抑えていた。
だが何度も何度もそれを繰り返し、アルス・ナギマ側からも干渉を図り……俺と出会ったあの状況に至ったわけだ。
「はぁ…………よし、行くか」
《旦那様、目的地の指定を》
「『騎士王』の所も、戦乙女たちの中に居るアインヒルドの所も、子供たちの所も……どうにかなると思う。一番大丈夫だと思うのはルリなんだが……【傾界魔王】が物凄く気になる。だからまずはそこに行こう」
《座標指定──異常発生、転移阻害が発生しています》
「……ならルートを検索してくれ。最適……そう、全力全開な最適解で」
《畏まりました》
そして数秒後、ルート検索が完了。
地面を蹴り、宙を駆け出し、粒子をその身に纏いながら俺は移動を始めた。
※術式“○○・究極術式”
以前記した通り、様々な仕掛けがいっぱい
アルス・ナギマは『SEBAS』を知っているため、その中の仕掛けの一つに、『SEBAS』は気づけない代わりに、割と簡単にツクルな気づける……的な呪い込みの仕掛けを設けてある
術式を扱う者なら大抵が即座に気づき、対処できるような初歩的なもの
……にも気づけなかった結果がこれ
分かりやすいイメージだと、ちょっとアレなサイトに出てくる詐欺広告
そういうのも含めて、ネットツール的なものだったりする
p.s. 無字×1206
誰からもツッコミが来ない……数字のバカげた変動を修正
もう誰も気にしてませんね、なんならいつかそうなるやろ、みたいな感覚かもしれません
作者も作者で、都度確認してないのでそうなります
……いつかはそうそうに来ない、良くも悪くも停滞気味な作者でした




