死天の真試練 その17
星の名を冠する職業。
それらは星具の仕様を前提とし、その力を高めるための能力が組み込まれている。
うちの息子ショウが持つ【剣星】、武闘世界の【拳星】──『騎士王』が持つ【鑓星】など様々だ。
特に最後のヤツは、先の二つと違って極級職……つまり無制限にレベルアップできる。
鬼に金棒、『騎士王』に星鑓……影法師の劣化版であっても、それは同じこと。
「押し込んでる押し込んでる……まあ、逃げられなくしたから当然だけど」
最上位職の職業能力、ごく僅かな者にのみ与えられるその力は、権能と比較しても劣らない力を秘めている。
そして、それは権能染みた力を持つものの権能では無い……枠も使わない。
ゆえに最上位職のみの保有者であれば、同時に『プログレス』を使うこともできる。
現在発動している『デスマッチ』も、【拳星】当人が発現させた代物。
対象を閉じ込め、自分との戦闘を強要する力……それに目覚めたわけだ。
「遺製具の再現までは、さすがにできなかったけどな……ショウの[シャロウ]だけだったら、できなくも無かったけど」
言わずもがな、禁忌だからやらなかったけども……今回は、な。
それぞれ手にするのは人造の星具、短期間で消滅する代わりに性能はピカ一。
……それでも『死天』の敵性ユニットは、今なお『デスマッチ』の領域内に居た。
振るわれる剣を払い、突き出された拳を撥ね退け、放たれた鑓を回避している。
やはり『騎士王』のコピーの攻撃だけは、その対処も特別なもの。
逆に言えば、それをしなければならないのだろう…………と俺は思った。
《──フェイクですね》
「…………えっ、アレ違うの?」
《本物の『騎士王』が、十全な力を振るうのであれば間違いありません。ですが、いかに【魔王】のキャパシティがあろうとも『騎士王』だけは完全な模倣ができないのです》
「限界ってあるんだな……【魔王】にも。まあ、コピーするのに使っている【魔王】自体もコピーだから仕方ないか」
《はい……》
あーうん、俺のせいでもありそう。
模倣するために使用している、仮面と指輪の限界値というのもあるだろうが……それ以上に遺製具で補っているが、俺が使用者だ。
「と、とにかく。それじゃああの状態はどういう風に説明できるんだ?」
《情報収集でしょう。『デスマッチ』も条件付けによる出力強化が成されておりますが、それでも一点特化となった死のオーラを防ぎ切れるか不明です。その時間を稼ぎ、今後に活かすための戦闘ごっこです》
「ごっこ、か……そうか、時間を稼がれると不味いのは俺か」
《あちらも今回が一番手を使っていると理解しているのでしょう。ゆえにそこに存在するであろう時間制限を突き、こちらが自滅するのを待っております》
マジでどうしたものか……とりあえず、ここは『デスマッチ』を解除させるか?
──まあその前に、いろいろと試してからにするけどさ。
※【○星】
星具運用特化の超/極級職
各星具ごと、職業と装備が紐づけられて所有者の強化及び星具の性能開放/解放が行われる
すべての星具に対応した職業が存在する……理論上は
星ごと、いくつかの【○星】を選び就職可能状態にする
それ以外の職業は就くことができず、凍結される
p.s. 無字×1190
嗚呼、通常休みも終わりお仕事再開します
……人の夢と書いて『儚』いとはいつも作者も語っていますね
世間で技術が……AIが……と語られても、それが会社員一人ひとりへモロに影響してくるのはいつになるのやら
明日を憂い、そして何もできない
投資は始まる前から詰んでいる、そんな作者でした




