死天の真試練 その13
影分身、逸脱した連中の複製、そして非権能持ちへの『プログレス』インストール。
細かいことは考えていない、強い連中でのごり押し──俺の考えはこれだけだ。
「いつもすまん、反省はしたい……してないけど、後悔もしない。したくない、だからしない結果を俺にくれ──『SEBAS』」
《……旦那様、よろしいのですか?》
「ああ、使ってくれ」
《…………畏まりました。メカトラ、解放してください》
メカトラ、それは『プログレス』を作る際に基となった願望機の一つ。
虎の姿をしたその機体に、俺が願ったものは──自在な開閉。
開き、閉ざし。
ありとあらゆる概念において、その開閉を行う権利──アイスプルでは今、『SEBAS』に対してそれが行われている。
《出力増大、条件達成──『セバスチャン』夢想技、“コギト・エルゴ・バトラーズ”を実行します。旦那様、ご命令を》
「試練をクリアさせてくれ、ただし、俺が楽しめる形でな」
《畏まりました。ご命令の通りに、実行いたします》
それは、『プログレス』が辿り着く一つの到達点。
個の願望に器が追い付いたとき、発現者にもたらされる固有スキル──夢想技。
開発者である俺たちでも到達していない領域だが、願望機は初期から全開放されているようなもの──開閉の力に特化したメカトラならば、一時的にその封を解くことも可能。
今回、『SEBAS』が発動したソレは瞬く間に効果を発揮した……はずだ。
元より補助系の『プログレス』、その効果が目に見えると言うものではない。
《ご安心を。この技は旦那様のご命令の難易度に応じ、私自身を増やすというもの。御覧の通り、“影鬼”たちを一人ひとり私が操作することも可能となりました》
「そりゃあ頼もしい…………あの、参考までに聞くけど、それって難易度の判定的にどうなっているんだ?」
《最高難易度、必要に応じた理論上無限増殖が可能です》
「…………この状態でもかー」
器としてぶっ壊れな【魔王】の体、そこに複製された逸脱した連中の[ステータス]、おまけに『プログレス』を追加でインストールまでしているのに?
やはり一筋縄ではいかない、それを求めた結果がこの敵性ユニットなのだから仕方ないのだけれども……自分でも分かるぐらい、口角が釣り上がっているな。
「昔はこういう感じでできなかったし、今も『超越生者』か:DIY:で何とかなってきたもんな……考えるのは止めない、でもここに踏み止まっていても時間の無駄だ──始めよう、“至行”!」
99%を100%に、運の干渉を否定する『試行』の現人神である俺の神聖術式。
始まりはシンプルに、これまで同様に結界の外へと悠々と踏み出していく。
※夢想技
『プログレス』における最終スキル
某作品同様、ただ順調に成長させていくだけでは辿り着かない
強い意志と膨大なリソース、そして(見せられないよ!)によって発現する
……というのが本来の流れ
願望機は『プログレス』でいうと全解放状態、その中でも開封に特化したメカトラによって本編では先行公開された
p.s. 無字×1187
今年も最終日
思い残したこと……まあ、上ですよね
増えて増えて増え続けて……
時代、そして社会のせいにしておきましょう
来年こそは、といつものように綴り今年を〆させていただきます




