死天の真試練 その10
インテリジェンスに溢れた敵性ユニット。
死のオーラで辺りを覆い尽くしたり、玩具の銃による光線攻撃を先んじて俺を殺すことで回避するなど面倒この上なかった。
「“神持……さすがにここでなら、変更することもできるのか」
《ですが、ここ以外での切り替えには妨害が入るでしょう。一つずつ、『プログレス』の内容を解析し旦那様を殺害してリセット。再び新たな『プログレス』を……と考えているのかもしれません》
「…………それもあるの、かな?」
──運営は『プログレス』を新人休人に配布しているが、それ以上の権限を持たない。
俺との契約はあくまで『プログレス』の全体への配布、詳細は運営側も知らないのだ。
なので時折、自身の『プログレス』に対する質問が運営に来た際……それは『SEBAS』へと転送され、代わりに答えている。
調べたからと言って再現できるかは不明。
しかしながら、『プログレス』はもともと願望機の劣化再現……同じことができない、とは決して言い切れないんだよな。
「まあ、とりあえず変更しておこうか。設置型は無力化されるし、攻撃に手間が掛かる奴は俺を殺して封殺される…………えー、何にすればいいんだか」
付け加えれば、時間を掛ければあちらもあちらでオーラを広げて場を整えていく。
その処理方法が現状では不明……それでもやらないと、突破はできない。
「“神持祈祷:オールコントローラー”」
とりあえず、オーラを奪えないかということで操作権限を奪い取れる『プログレス』を女神プログレスに所望……それを一時的に扱えるようになった。
「回避特化で頼む」
《……やってみましょう》
できる、と言い切ってもらえないのが現状の不味さを物語っている。
ある程度の身体能力があるならともかく、虚弱な肉体は防御も回避も向いていない。
それでもこれまで逃げ切れていたのは、紙一重で『SEBAS』が肉体を制御してくれていたのと──敵性ユニット側のデータ収集が、まだ完全では無かったから。
それがだんだんと進み、やがては完了すると『SEBAS』も懸念している。
……いやまあ、『SEBAS』もだからこそいろいろ動かし方を変えているらしいが。
「それじゃあ、行動開始!」
結界の外に飛び出せば、それが始まりの合図──敵性ユニットは先ほどの戦いから学習し、死のオーラを周囲に散布するという戦術に打って出た。
「支配しろ、『オールコントローラー』!」
それに対し俺は『プログレス』を発動。
広がった死のオーラを掌握し──気づけば元の場所に戻されていた。
「…………あー、ダメだったか」
《これまで検証できませんでしたが、次代の『死天』との邂逅時に役立ちますので……その、問題ないかと》
「これ、対処するのにどれだけ時間が掛かるか分からんな」
一日で試練を終わらせたい、そう願う俺を嘲笑うように突破は困難を極める。
……ルリ、頼むから子供たちの言うことは聞いてくれよ!?
※『死天』のオーラ
魔力を奪うやら操作を奪うやら、そういうことを死のオーラに当て嵌めることはできない
上回る濃密さで死のオーラを使う、あるいは真逆の力である生命エネルギーを叩き込めば、擬似的に掌握できなくもない……が、少なくとも今試練では無理
p.s. 無字×1184
……まだ正月SSが書けていない作者です
年ごと、ある程度関連性を持たせたいんですよね
今年はオリジナル要素を絞り出しましたが……次はどうしようか




