死天真試練前夜 後篇
現実
恩義のある『騎士王』だからこそ、忠告をしておいた。
俺の試練に関わろうとすると、ルリが立ちはだかっていると。
もちろん、ルリが積極的に迎撃するというわけではないのだが……うーん。
穏便に終わらなかった暁には、方々に御礼参りの旅をする企画が始まるな。
「明日には試練に挑む……二人とも、どうか任せたぞ」
「……いやー、無理だと思う」
「お母さん、見ての通り張り切ってるし」
「だからこそなんだよ……お父さん、さすがに気が引けちゃうから」
夕食後、鼻歌混じりで片付けをしている瑠璃を遠目から見て話し合う俺たち家族。
盛大な壮行会みたいなこともあったが、それはさておき。
問題は明日、試練に挑む……間の防衛を行うつもりのルリ。
何も無ければいい、だがナニカが起きると彼女は確信していた……絶対に起きるはず。
もともと翔も舞も、ああなった自分たちの母親が何をしでかすのか知っている。
ゲームの中だから、EHOだから大丈夫と言い切れないのが彼女の凄いところ。
「はっきり言おう、二人が頑張っても止められない」
「「知ってる」」
「それでも、被害は抑えられるんだ……説明しに行った『騎士王』とか、もう凄いお疲れ気味でさ。お世話になってる人たちと同じ顔だったよ」
「……『騎士王』さんが可哀そう」
「会ったことないのに凄く親しみを感じる」
瑠璃と出会い、いろいろと知らなかったものを知った俺の価値観。
彼女みたいな特別な存在のやらかしに、対処する組織というものも存在している。
瑠璃や翔のアレやコレやで、大変お世話になっているそちらの団体。
……彼らは日夜その処理に勤しみ、いつも疲れた顔を浮かべているんだよな。
「まあ、試練の舞台は隔離されているから、直接乗り込むための通路も無い。前回の侵入者も、父さんが開けた穴を通ってきたようなものだし、そういうことをしなければ大丈夫のはずだ」
「はず……なんだね」
「というか、EHOって運営でも対処できない自由民とかがいるの? それって、ゲームとしてどうなの?」
「その辺はな……ほら、『SEBAS』とかが分かりやすい例だ。どうだ、なんかできそうだろう?」
「「うん」」
うちの万能執事AIが現実に短期的ながら来れるようになって、家族は大助かり。
だからこそ、その利便性が牙を剥いた場合どうなるかの想像も容易い。
運営もプログラマーやマザーAIが防御を講じているが、イレギュラーや最高戦力な連中はなかなか手ごわい……別ジャンルで勝負している、みたいな感じだな。
「お父さん、なんかいろいろな思惑に巻き込まれてない?」
「……いつものことだからな」
「が、頑張ってよ父さん。俺たちも…………で、出来る限り頑張るから!」
「ああ、そっちが困らないよう、余計なことはあんまりしないで頑張るよ」
穴を開けるとか穴を開くとか穴を開放するとか……うん、そういうアイテムはさすがに使い道も無いし、確信は無いけどたぶん大丈夫のはずだ──よしっ!
というわけで、次話より死天編最終章突入!
長かった試練もいよいよ終わる、そして──
なお、試練はあと二つある模様…………来年までには終わるのか!?
p.s. 無字×1174
現在、まったく感想が返せていないこと、お詫び申し上げます
仕事の疲労、唐突な寝落ち(気絶)、遅筆ゆえの余裕の無さ……にも拘わらず続ける読書などなど
様々な要因で行うことができていません
ただ、今年中には必ず見ますし、感想への返答も行います
……修正というか貴重なご意見については、それらを反映後となりますので…………返すにしても、いつになるのかなぁ(遠い目)




