熱意の特訓 後篇
風兎による特訓。
飛んでくる的の色に合わせて、[インベントリ]から瞬時にアイテムを取り出し、当てるという内容だ。
風兎が操るその的は、速度の緩急もその進路も自由自在。
そこにアイテムを、的確にぶつけることもまた技術の一つとして求められている。
「…………厳しい!」
『どうした、まだ『抜刀』は完成していないではないか?』
「プロはできるけど、素人じゃ一生できないヤツもいるんだよ、これ……」
アイテムを取り出す際に、ある程度始点を操作できることを利用した──『抜刀』。
それこそ、刀を鞘から引き抜く手間を省くような使い方もされているらしい。
これを応用すれば、相手に攻撃のタイミングを気づかせることなく不意打ちも可能。
なんせ武器が出てくるその瞬間まで、その反応がいっさい無いわけだからな。
「ただアイテムを出すだけじゃなくて、取り出す角度やらも気にしなきゃいけないから、難易度が上がるんだよ」
『それぐらいやってのけろ』
「……『抜刀』はそれだけで済むけど。これに魔法薬とかをエンチャントする『塗装』、複数の武器を高速で切り替える『連繋』。いろいろと発展型が出てるんだぞ」
『今はそこまで求めていないだろう。貴様に複数のことを同時にさせても、すぐにできないことは承知の上だ。貴様は愚直に磨き、そのうえで途方もない時間を掛けて、ようやく天才の領域に指先を掛けられる』
指先が届くって、それ全然届いていないのと同じなのでは……。
まあそれは、俺自身がよく知っていることなので否定することは無い。
とにかく、今は『抜刀』のみに集中して使えるようになることを目指す。
角度を調整、アイテムを指定、取り出したアイテムを手にして──放つ。
飛んできた的に武器が命中し、砕け散る。
何度もそれを繰り返し、その成功率を割り出していくと──
「……成功率20%ってところか?」
『五回の内、四度も上手くいかないのは問題だろう。せめて十回の内、二回失敗ぐらいはできるようになっておけ』
「だから、それプロ級なんだって……」
本番で、予測できない対人戦でその成功率ならば、プロとしてやっていけるだろう。
俺の場合は『抜刀』のみだが、プロは他の技だって使えるはず。
それそのものは使えずとも、そうした技術の使い手たちの情報も読み取っていると思われる敵性ユニット(最強版)。
アイテムを大量に持っているからこそ、俺はそれを身に着ける必要がある。
分かっていても防ぎ難い、それが『抜刀』の特徴でもあるからな。
※『抜刀』術
[インベントリ]操作技術に、有志の皆様が付けた名称
AGIやスキルの補正などにより、超高速での攻撃が可能なことからこの名称となった
本編での記述通り、他にも派生版がいくつも存在する
……そのどれもが職業やスキルの恩恵があればできること、そのうえでそれらを持ちえない者でも再現可能な点が注目されている
p.s. 無字×1165
えー、ミッション系はだいたいギリギリな作者です
パズドラのコラボも然り、イベント終了ギリギリで大慌てでやっています
最近まではデジモンとコラボしてましたね……初心者向けのエリアだけ済ませてます
パズルは全然得意じゃない、時間もかなり猶予が無いとミス連発
特に理由は無いけど多色パじゃないと落ち着かない作者でした




