貢献イベント その08
悩むイピリアに、告げる──。
「子は親を選べません。貴方もまた、そうして選べぬままに生まれた存在です。かつてのイピリアがどう願ったかはさておき、今大切なのは……貴方自身の意志なのでは?」
『我の……意志』
「貴方がかつてのイピリアの遺志を継ぐというのならば、私は瘴気をお返ししましょう。貴方が願ってくれた民を守りたいと言うのならば、いっしょにその地を再興しましょう。貴方がそれ以外の何かをするのなら……私は応援しましょう。貴方だけの答えを見つけ、始めようとした決意を」
『…………』
答えを探すイピリアの前に、そっと正方形のスイッチのような物を置き、この場から退散する。
「では、わたしはこれで失礼します。答えが決まりましたら……この装置を壊していただければ分かりますので」
◆ □ ◆ □ ◆
「ハァ……、めっちゃ疲れたー」
帰る途中、先程まで居た洞窟とスタート地点の間辺りで──そう、ため息を吐く。
イピリアを相手に有利に行動していた……とでも思ってか?
すべてがハッタリ、死ぬ度に身を引き裂かれるような激痛が走っていたと思われる。
痛覚は消しているが、それでも死んだ感覚だけは体の中に浸み込んでいく。
それをただのカウンターとして認識する奴は──もう駄目だろう。
死への恐怖を凍てつかせ、目的のために突き進む死兵など……まさに、生きた骸でしかない。
そうして死への恐怖を感じながらも、話し合いを有利に進めるための演技を行っていたのだから、まあ疲れる。
特に最後の発言なんて、正直深いことを言えてなかったしな。
俺、詩的表現とか無理だし。
「瘴気のサンプルは取れたし、精霊の構造も解析できた。……でもさ、それはこのイベントの間でやることなのか? いやまあ、ルリたちが瘴気に襲われる心配も無くなる……ってあれ? そもそもここが問題だったんじゃないか? やる必要があったのか?」
たとえばルリ、偶然持っていた魔法の中に瘴気を払う魔法を持っているんじゃないか?
たとえばショウ、もう瘴気を放つ魔物との戦闘を経験しているんじゃないか?
たとえばマイ、予めテイムした魔物の力を使えば瘴気など気にせず活動ができるんじゃないか?
うん、よくよく考えたらほんの少しだけ心配なタクマ以外、みんな余裕じゃないか。
これは俺の仮定の話でしかないが、たぶん正解している気がするんだよな。
「……あっ、たしかポイントを競うイベントだったっけ。これが良いポイントだったら報われるってことか」
俺はイベントを楽しむため、ポイントを手に入れるために動いた……そう考えればまだワンチャンあるんじゃないか?
俺はそう考えて、さっそくメニューから手に入れたポイントを確認して見る。
すると──。




