13話――休憩・ハニー⑧
「レイラさんは……なんていうか、自分の知ってることは他人も知ってる前提で喋っちゃう人ですね。ちょっと補足しますと、ユウさん、聖女の治癒魔法受けたことありますか?」
「もちろんだよ、温かくて少しくすぐったい不思議な魔法だった」
聖女の治癒魔法なんてお高いモノ、よく受けれたわね……って彼女、貴族だったわね。そりゃ受けたことあるか。
勝手に一人で納得していると、カーリーが頷いて言葉を続ける。
「聖女の治癒魔法は、人の体に働きかけて自己治癒力を上げさせて、傷を治す仕組みです。言い換えると、治るように魔法を使っているのは傷自身って表現出来るわけです」
なるほど。魔法をかけられたから治るんじゃなくて、魔法をかけられた患部が自分を治す魔法を使っている状態になると。
「こんな風に、身体強化魔法も自分の体に働きかけて体を強くするんですね。だから感覚的には、腕や足が魔法を使ってるようになるわけです」
「ですが回復魔法と違って全身がその魔法を発揮できるわけじゃありません。自己治癒力と違って自己強化力は全身にあるわけじゃないですから」
淡々と説明の続きに戻るレイラちゃん。
「自己強化力が多ければ多いほど、パーツごとに細分化して自己強化されます。つまり腕全体に自己強化力が1ある人よりも、手首と前腕と肩にそれぞれ1ずつある人の方が強いわけです」
要するにその自己強化力があるパーツが体に多ければ多いほど強いわけね。自己強化力なんてワード生まれて初めて使ったわ。
感覚的な説明が多くて勉強しづらいから、私は普通の魔法が使えないんだけど……まぁ今回のは感覚でなんとなく掴めたわ。
私の答えに頷いたレイラちゃんは、ユウちゃんを手で示した。
「彼女は足、胴体、そして肩と前腕と手首、そして指が自己強化力を発揮してました。上半身がこれだけ細かく細分化してる例は珍しいです」
今の解説だと、たしかにかなり細分化されているわね。私がちょっと尊敬の眼差しで見ると、ユウちゃんは優雅にお茶を飲みながら美しい笑みを浮かべた。
「そして身体強化魔法は無意識に使える人ってのがいます。イザベル様がそうです」
「あ、そうなんだ」
そういえばこの話、私の肉体が強い理由だったわ。
忘れかけていた本題に戻り、私はなるほどと頷く。
「ってことは、私はユウちゃんより更に細分化してるってことよね」
指だけじゃなく関節ごとに全部……とかだろうか。それならあの強さも納得かもしれない。
私の問いに、レイラちゃんは淡々と頷く。
「はい、全身の筋繊維の一本一本が強化されてました。ドラゴンの肉体によく見られる強化のされ方ですね」
「「「「ドラゴン!?」」」」
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