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43話――もうすぐ夏ですね②

「騎士団の……ですか?」


「ええ。今度、マイターサでも再度騎士団を募ることとなっておりまして……勉強のために、ぜひワナガーカの領地騎士団を見学させていただきたくて」


 怪訝な顔をする執事さん。流石にちょっと急すぎたかしらね。


「ワナガーカの騎士団は、非常に練度が高いと聞いておりますの。勿論、急なことですし無理にとは言いませんが……」


 私が手をぽふっと合わせながらそう言いうと、執事さんは少し不思議そうな顔をしつつも頷いてくれた。


「左様ですか、承知いたしました。では少々お待ちください、騎士団の者に案内させますので。お荷物は……」


「ではこれらをお願いしますわ」


 今日もお泊りなので、当然着替えから何から持ってきている。

 まとめておいた自分たちの荷物を執事に渡すと、彼は「少々お待ち下さい」と言って引っ込んでいった。

 というわけで私達は一旦、豪華な玄関に取り残される。


「たぶん、ボクらは使用人室に通されると思いますけど……誰がついていきましょう?」


 カーリーが首を傾げて私の方を見るので、ふむと腕を組んで考える。

 どうせカーリーの魔法で透明になれるからレイラちゃん以外ついてくるわけだから、大っぴらに会話出来る子を誰にするかって話よね。

 私じゃ騎士のレベルが分からないし、ユウちゃんは確定。あとは急に私の知らないことを聞かれた時用に、シアンかしらね。


「じゃあ二人とも、お願いね」


「もちろんだよ、女神」


 笑顔で私の手を取り、甲にキスするユウちゃん。私も彼女に笑顔を返し、次はシアンの方を見る。


「承知いたしましたわ。……それにしても、わたくしもワナガーカの騎士団には初めて見ますわね」


「あれ、そうなの?」


 まぁ他領の騎士団なんて見る機会は無いか……。

 私が少し納得していると、ガチャガチャと鎧の擦れる音が向こうから聞こえてきた。

 何事かと思って振り返ると、そこにはユウちゃんよりも背の高い騎士が二人、こちらへ歩いてきていた。


「失礼、私はジージー・シンドルと申します。ワナガーカ領地騎士団の団長を務めております」


 スッと私の手を取り、甲にキスするフリをするジージー。

 年齢は四十代くらいかしら、スキンヘッドと白い歯が眩しい屈強な男性だ。片耳が破れており、顎に縫い後もあって強面の風貌……なんだけど、ボディビルダー並みの笑顔のおかげで爽やかな印象ね。


「本日は、我が騎士団の見学をご所望とのことで……急なことですから、あまり満足なおもてなしが出来ないかもしれませんが、ご容赦ください」

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