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24話――大乱闘のあとしまつ⑧

 私の提案に、ガースリーはなるほどと頷く。


「それなら確かに、レギオンホース家として直接雇うよりもだいぶ安くすみますね」


「毎日パトロールするとなると大変だけど、この辺で採れた梅を中心部に持ってくる業務の護衛として冒険者と数名の騎士を連れて行く。冒険者は盗賊なんかを捕まえたらギルドから報酬が出るし、よほどのことが無い限りは治安維持活動もしてくれるわ」


 当然、無茶苦茶強い盗賊とかなら冒険者は命を守るためにさっさと逃げる。

 しかし彼らが戦わないで逃げてきたなら、その時に本命の騎士団を派遣すればいい。

 戦闘力として騎士団の代わりにならなくても、パトロールくらいは出来る。


「ただこの梅……は、どう加工するんですか?」


「梅干し作るのと梅酒漬けるのと……梅ジュースとか梅シロップとか。何にせよ、あれを食べないのは勿体ないわ」


 幸いなことに、この世界では既に甘味がそんなに珍しいものではない。だから砂糖をちゃんと使えるので、梅シロップとか梅酒を作るコストはそんなにかからない。

 それ以外にも……保存食はいつだって冒険者に需要があるから、梅干しはかなり売れるだろう。

 まぁ後は需要を見つつ加工して売ればいいし……とりあえず梅が眠ったままじゃ勿体ないしね。


「加工はマータイサでって話ですけれど、人材はいるんですか?」


「その辺はまぁ、どうにかするわ」


 もしかしたら商会を一つか二つ取り込む必要があるかもしれないけど、暫くは私達で加工するしか無いかもね。

 使い魔に任せればその分のお金は浮くし。


「マングーに輸出してばかりの現状は不健全だからね。こうやって少しずつ改善していきましょう。後はこれ以外だと交易のための外道整備とかもしたいわね」


「そうですね。もともとマータイサとは取引もありますし」


 というわけで私とガースリーで喧々諤々と、二つの領地の今後について話すこと小一時間。後は実際に動いてから細かいことを詰めていきましょう……という段階で、ふとロットがこちらへ話しかけてきた。


「そういえば、一つよろしいでしょうか。……イザベル様、聞くところによると昨夜は超級並の実力をもつ者同士の戦いになったとか」


 かなり唐突な話――私はとりあえず首を傾げておく。


「確かに私の剣は皆優秀ですが、そんな大層な肩書を持っているわけではございませんよ」


 別に隠す必要も無いだろうけど……これで難癖つけられて、うちの優秀な子たちが引き抜かれてはたまらない。

 そう思っての発言だったけど、どうもロットの意図は違うらしい。

 彼はちょっと苛立ったように、顔を顰めた。


「領地騎士団には、超級に匹敵する実力を持つ者を雇ってはならない。……国の法律です。国家を超える武力を地方に与えるわけにはいかない。もし超級並みの災害が起きた場合は、冒険者に頼るか第一騎士団に任せる。……それを知らないわけがないでしょう?」


 シリアスな目でこちらを睨みつけるロット。

 ……どうしよう、知らないって言えない空気だわ。

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