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18話――逆境フィフス②

 先手を取られている、つまり奇襲は通じない。

 今から私たちは……キッチリ準備して対策まで取っている上に、資金力も人材も豊富な相手と戦わなくちゃならない。

 ハッキリ言って、無謀――ね。


「あー……中身を変えれば平穏無事に過ごせると思ってたのに……」


「そうは言うけどね、カーリー。結局この件って、私じゃなくても起きてたことよ」


 中身がイザベル(真)だとしても、きっとガーワンは私を狙ったはず。話を聞く限り、私というよりもイザベル(真)の母親と何らかの確執があるっぽかったし。

 状況を悪化させたのは暴力に打って出た私だけど――


「でもイザベル(真)なら、こんなに頼もしい仲間はいなかったはずよ。大丈夫よカーリー、私たち最強でしょ?」


「……そうですけど」


 チート魔法使いに、1級の剣士、凄腕錬金術師に、裏社会に通じる人造人間。

 この戦力で嘆いてたらバチが当たるわ。


「そこまで言うってことは、何か策でもあるんですか?」


 カーリーに問われて、私は笑みを作って頷いた。


「策は無いけど、方針は決めてるわ」


「さすがは僕の女神。頭の回転が速い」


「ありがとう、ユウちゃん。といってもかなりシンプルな策だけど」


 策……といえば聞こえはいいけれど、実際は賭けだ。

 なんせ下準備何も無しから始めないといけないからね。


「マリン、あんた屋敷の中を駆け回ったけれど『組織』に関連した情報は出てこなかった……ってことで良いのよね?」


 確認のために彼に聞くと、マリンはちょっとしょげた表情で頭を下げた。


「面目ないッス、姐さん。ほんと一切、『組織』の情報は無くて……」


「ううん、良いの。『組織』の情報は脅しに使えるか分からないから。そうじゃなくて、捜索してた時に……何か情報を隠してたり集めてたりする部屋って無かった?」


 私の問いかけに、今度はマリンが腕を組んでから考えるような仕草になる。

 たっぷり三十秒ほど考えた後に、彼は手を打った。


「そういえば、なんか奥まったところに書類が大量にある部屋があったッス。ただ殆ど数字の羅列だったりで、暗号っぽくも無くててっきり経済の収支でも付けてるのかと……」


 彼の答えに、私は指を鳴らして笑みを作る。


「たぶんビンゴね。私をこうして脅した以上、最低限私を脅すために使った策に関しては書類が残っているはずよ。それだけじゃない、もしかすると他の女の子を脅した情報も残っているかも」


 輸入がいつ頃始まったか、そしてその金額などに不透明性は無いか。

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