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気ままに気のままに〜無力な俺を苦労が襲ってくる〜  作者: ennger
第8章 再びお家騒動!
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第97話 シン・お家騒動 婚約者来たる

 おはようございます。いや、こんにちは?

 私だ。そうだ俺だ。


 つい前まで、龍国で内戦やら戦争を経験してきた。

 それはそれは、途方もない苦労の連続であった。


 前世は平和な日本人です。

 戦争なんて、ほぼ他人事のように受け取ってしまう人でした。

 ですが、戦争を経験後は男として、一皮剥けたんじゃないかと思ってます。キリッ!


 今、新しく冒険者ランクDが与えられている。


 フッ。スキルや魔力が無くてもここまで来たぜ。

 これなら少しはマスターとして品が出てきたんじゃないか。

 これを機に出世街道の道を歩んで行くか。


『何を1人でに解説しているんですか?』


 ようやく日常が来たんだ。

 呑気に解説の一つ、入れていいだろうと思ってな。


『誰に向けてですか・・。

 それよりも、使えなくなったお力を使えるようにして下さい。

 暫くは安静が必要かと。』


 戻ってきてから1週間経った。

 身体の状態は回復したが、気の回復だけが遅い。

 無理矢理に解放できるが、また前回と同じ二の舞になる。


『その通りです。

 今度こそは、完全に回復してから冒険なりして下さい。』


 失敬な。

 災いが勝手に来るだけで、俺から向かっていった記憶なんぞないわ!


『どちらでも構いませんが、動けば波が立つので動かないで下さい。

 幸い、ここの人たちが働いています。

 マスターはお飾りの社長の如く、椅子の上で踏ん反り返っていて下さい。』


 最後の一文に大きな悪意を感じます。


 べ、別に何もしてなくもないもん!

 龍国の依頼のクエストクリアしたもん!

 次は法国クエストだもん!


『喋り方がキモいですが、現状クエストクリア数はたったの3つです。

 それでもDランクは早いです。


 他の方々はS、A、Bしかいません。

 法国はマイ様によると、まだ先の話らしいので、現状は3つしかクリアしてないです。』


 冷静に分析すな。

 てか、俺以外の奴ら、ランク上がるの鬼早くない?

 なんか、世界に嫌われてることを改めて思い出してきたわ。


 我が部屋の扉からコンコンと鳴った。


「どぞ〜。」


「失礼します。

 本日の昼食をお持ち致しました。」


 女性料理長が運んで来てくれた。

 綺麗な白肌に金髪ショートに耳ピアスが幾つか見える。

 スタイルは抜群だ。


 なぜ毎度、女性が?と疑問を抱くであろうな。俺も。

 別に俺がやらせた訳ではない。

 なんなら、このギルドの組織図、配置、役職、ルールとか全くと言っていいほど知らん。


「本日はエビとムール貝のソテー、7種の豆と野菜スープ、Sランクミノタウロスのステーキでございます。」


 料理名とか分からないから、こんな感じで紹介してもらってる。

 ちゃんとパンもあるよ。バター付きの。


「ありがとう。メレナ。今日も美味しそうだ。」


「光栄です。

 再び、このように料理ができるよう手配し、この身を蘇生して下さった、偉大で尊きお方にお褒めの言葉をいただけること。

 それだけで、感動のあまりに震えが止まりません。」


 表現までセリフにせんでええんやけど。


「い、いただくよ。 」


「かしこまりました。冷めないうちにどうぞ。」


 頬を赤らめてこっちを見ないでくれ。

 別のを食べたくなる。


『食事中に不潔な考えですね。』


 うるさい。

 綺麗な人に見つめられると、その気になりやすいんだよ。


 ポンコツに文句を言いつつも、スープから食べた。


「うん。美味い!

 ちゃんと下味もついている分、その辺のお店よりも美味しい。」


「ありがとうございます。」


「次はステーキと。」


 1人だが、割と食事をしっかりと楽しんでいた。

 ギルドの食事は、みんなで食べるのが良かったが、最近は、俺が行くと騒ぎが起こるから。


 前までの少人数ならと思ったが、今は軍隊規模だ。

 大きくなるのは嬉しいが、少し寂しさも覚えるな。


 エビとムール貝ソテーを食べながら考えていた。

 修行法について。

 前からだが、強い奴にぶち当たるケースがマジで多い。

 そろそろ限界突破とかで、なんやかんやの戦いはキツくなってきている。


 しっかりと自力をつけておかなくてはね。

 普段の食事から、徹底した栄養管理をしてもらってる。


 メレナは元帝国のお抱え高級料理人であった。

 しかし、身内の嫉妬によって、料理ができない状態へと追いやられてしまっていた。


 そんな中で拾ったのが、うちの某教祖であり教皇のアリシアさんだ。


 だから俺に救われたと思っている。

 てか、俺が初めて出会ったの厨房だし。


「ふぅ。ご馳走様でしたと。

 美味しかった。またよろしくね。」


「ありがとうございます。

 夜も命を賭け、腕に縒りをかけて振舞わせていただきます。」


 やめて。

 命を賭けた食事とか食い辛い。


「では失礼致します。」


 それでもメレナは暴走しないから、信者の中でも、まだ比較的にマシな方である。


『あの興奮度合いでマシとは。

 恐ろしいですね。』


 言うな。

 今度は、別のコンコンが鳴った。


「どうぞ。」


「失礼致します。お館様。お客様がお見えです。」


 クロエがやってきた。

 綺麗な大和美人に着物姿がよく似合う。


「そ、そんな。大胆です。

 ここで抱かれるのでしょうか?それはスリルがあって楽しいですが・・。」


 あ、心が。


『余計な下心が出た結果ですね。』


「うんん!お客様をお通ししてあげなさい。」


「かしこまりました。」


 クロエはドアを開け、お客様をご案内した。


 部屋の中に入ってきたのは。

 これまたTHE異世界シリーズの代表である、ツインドリルヘアーの金髪お嬢様、老執事にオマケのイケメン騎士だ。チッ。


『性格悪いです。』


「えーと、失礼。どなたですか?」


「あら?婚約者の顔も覚えていないの?」


 へ?婚約者?俺結婚予定とか無いよ。


「お嬢様。それでは説明不足かと。」


「マルティネス。何を言うのかしら。

 かの名だたる名家の《《エンバイス》》家が私との婚約の事を、伝えていないだなんて事はありませんわよね?」


 いや知らな。


「しかし、お嬢様。

 キャスト様は一度エンバイスの領地を出ておられます。

 エンバイス家とは無関係と、ドルガル様からもお達しがあったかと。」


「そんなの知りませんわ!

 子供の頃からエンバイス家に嫁ぐ事がようやく決まり、さまざまな作法や座学を学びましたのよ!

 昔の話や家を出たから無しでなんて、許される訳がありませんわ!」


 クロエから異次元な殺気が飛んできた。


「ヒッ!」


「っ!」


「!!こ、これは!」


「オイオイオイオイ。やめいやめい!」


 クロエから殺気が抜けた。


 アイツ殺気だけで殺そうとしてたぞ。

 止めてくれ。貴族との諍いが1番面倒だ。


「お館様。この無礼者を許す価値は無いかと。

 お望みとあれば、我が力を持ってして、このお方の領土ごと消し炭にして参りますが。」


「誰が魔王や。やらんでいいわ。」


「も、申し訳ありません!キャスト様!

 我々はあなた様が亡くなられたとお聞きし、婚約を破棄されかけたのですが。

 つい最近、生存の確認があったため伺った次第です。」


 マルティネスさん?という執事さんから説明があった。


「とりあえず座りなよ。クロエお茶ね。

 ウチで育てるいい茶葉をよろしく。」


「かしこまりました。

 最高の一品をお持ちしましょう。

 アマギ。お館様の護衛を。」


「はっ!」


 横にシュタッ!と現れた。

 ジャパニーズニンジャかよ。


「それでご用件は結婚に関してですか?」


「その通りです。是非、お嬢様と思い。」


「んーとね。家出は本当だから、俺と結婚しても得はないぞ。」


「無い訳がない。貴様は貴族だ。

 落ちこぼれで力や魔力が無くとも、その血と品格は貴族のものだ。

 大人しくお嬢様を受け入れればいい。」


 イケメン貴族から辛辣な言葉が帰ってきた。


「黙りやがらないと、首から上が無くなりますよ。」


 あかん。アマギさんがキレかけている。今度はアマギかよ。


「さっきは遅れをとったが、これでも腕には覚えが合ってな。」


 どうして毎回、戦闘狂ばかり俺の前に来るのだろうか。


「およしなさい。ハサン。

 私たちは争いにきたのではありませんわ。

 キャスト。貴方には、私と結婚してもらいます。」


「嫌すぎる。しても得は無いと。」


「ありますの!でないと!私のこれまでの人生が・・・。

 だから、しないといけませんの!」


 ヒステリック卿かよ。


「あー、俺じゃなくても良くない?

 えーと。キクル?後は・・ハルバン兄上もいるしさ。

 あの2人はなら優秀だぞ。」


「ハルバン様は1人娶っており、それ以外に興味などありませんわ。」


 いつのまに。

 この世界の普通の人ならそうなるのか?

 分からんが。


「キクル様は何か陰湿で、怖いので嫌です。

 そんな中で、ドルガル様との縁談の申し込みの際に、唯一貴方だけ立候補どころか誰も選ばなかったのよ。」


 んーとね。あれか。ディスられてんの?


「だから、私は目を付けましたの。

 こんな私でも。

 こんな私でも価値が有ると!」


「けどね。俺はね。」


「分かってはおります。

 ですが、お嬢様を!何卒!」


「ちょい待て!話が見えな過ぎる!

 事情をだな。」


「ゴチャゴチャとうるさいぞ!

 落ちこぼれのクセに!」


 イケメン騎士が怒り出した。

 だから、俺をバカにしに来てんのこいつら?


 俺の横を通過した高速の拳がイケメンの顔面に炸裂していた。


「アマギ。やり過ぎ。」


 ト◯ジェリばりの人型の壁穴を見た。

 器用な穴の開け方しとんな。

 ほら、ビビりまくりやん。お嬢様方たち。

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