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気ままに気のままに〜無力な俺を苦労が襲ってくる〜  作者: ennger
第7章 龍魔戦争 一難去ってまた一難
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第91話 終戦へ

 難易度高くね?

 とりあえずは、ミアを巻き込まないようにしないとな。


「ミア。すまない。

 抱っこしておいて何だが。俺の背後にいてくれ。絶対に離れるなよ。」


「か、かしこまりました。」


 すぐさま背後に回ってくれた。

 ふむ。大きな胸の感触が直に伝わる。

 しかも薄着のため、より生々しく感じます。

 別の聖剣が発生しそうだ。


『クソでも食ってろ。』


 すいません。まじめにね。

 イメージはあれだな。

 ベ◯ータさんのシーンだな。


『お別れは言わなくていいので。

 別に死なないので。』


 あ、はい。

 少し空中に浮いてと、背中に美人さんを引っ付けた状態で。


「ハァァァァァァ!!!!」


 俺の周りに気を張り巡らせ、ターゲットを広範囲に設定する!

 ミアは巻き込まないように。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


 過去1叫んだ。

 それぐらい気合いというか、声出さないと成功しない技だったから。

 周りに高エネルギーを掃射した。

 遠くから見ると、花火のように綺麗で光り輝いているだろうな。


 爆発的な光が周囲を包み込んだ。


 能力の高い奴なら対処可能だが、そうではない奴らは光の奔流に飲まれて消えていった。

 やがて、光が少しずつ収まった。


「うげーー。ゲロゲロ〜。流石にキツイ。」


『演出で済んでいるので大分マシですね。』


 マシなのこれ?

 もう何回目かのエネルギースッカラカンコースだよ。


「旦那様。大丈夫でしょうか?

 私が不甲斐ないばかりに、申し訳ありません。」


 後ろから顔を覗かせてきたミアだった。


「大丈夫だ。問題ない。」


『チョロ。』


「それよりも移動だな。トンズラこくぜ!」


 今のうちに、離脱するようにミアを背中でおんぶしながら超ダッシュで逃げた。

 しかし、生き残りの魔王級や魔族が他にもいたのか、魔法砲撃がやってきた。


「うぉっ!危ねぇ!」


 流石にシールドとか器用な技は俺にはできないため、1ダメージも喰らわないように『気来視』で避ける方法しか無かった。


「だけど数が!多過ぎ!」


 ミアは呪いと妨害系のせいで最早、戦うどころの問題では無かった。

 そのため、当たったら確実に致命傷となる。


「くそっ!これ結構強硬策じゃんか!」


『当たり前です。

 敵地の中心から逃げる行為なんて、リスク無しではできませんから。』


 しんどい。

 気力も空になりかけで何やかんや、俺にダメージが蓄積されつつあるし、ミアを抱えての逃走だ。


「最後まで保つか・・。」


 手放しそうな意識を何とか繋ぎ止め、ひたすら前を向いて逃げていた。


「旦那様!私を捨てていっ!」


「それはダメだ!

 今度こそ約束してっからな。

 大切な物から目を逸らすなって。」


 ミアはキャストの後ろ姿から、彼が大きく変わった事を悟った。


「(また大きくなられましたね。

 子供っぽいところから、急に大人なのような雰囲気を感じられる。)」


「ああ。でも俺はもう1人じゃないみたいだ。」


 前から緑の龍が見えてきた。


「あ、あれは!」


「初めて見るな。アイツの《《本当の姿》》を。」


 巨大な緑の龍はキャストを守るように前に立った。


「『久しいな、若よ。おや?随分と成長したか?』」


「お前ほど変わってないわ。」


「『フッ。変わるというか、こっちが本当の姿でな。

 前は人間如きにしてやられたが、今度はそうはいかんという所を見せねばな。』」


 この巨大な緑龍の姿はエラルドさんだ。


「ほう。随分と無様を晒しているな。」


 この凄く誰かさんディスる感じは・・・。


「お久しぶりです。神よ。私です。

 あなたのヴィシュヌでございます。」


 出た信者だ。うわ〜。


「お、お久しぶりです。」


「なぜお前がいる。」


 ミアが怪訝そうに聞いている。


「簡単です。私たちが参戦するという事は、有り体は整ったという事です。」


 この透き通るような綺麗な声は・・


「お久しぶりです。キャスト様。

 大変長らくお待たせしていまい申し訳ありません。

 この不始末を如何ような、処分も受けましょう。」


 シェリオさんだー。サンダー!

 見た目変わらずイケメンなんですね。

 くそっ。


『小物感が凄いですよ。』


「ひ、久しぶりだね。」


「大将っ!よっす!」


 この軽快さはグラディエか。

 変わらずだな。この男前イケメンが!


『妬むのか、感動するのかどちらかにされては?』


「もう。お姉さん感心しないな。

 2人共、そんなにボロボロになって。」


 この姉反応はナタリアさんだ。サンダー!


『うるさ。』


「ごめんよ。俺初めてだったからさ、こんなに自分を見失ったのはさ。」


「それだけ仲間が大切なのでしょう。」


 イケメン騎士のウェインや。

 チクショ。イケメン率高くね?

 俺にトドメを刺すつもりだな。


「割と多いね。」


「僕もいるよ。」


「おわっと!ルルか。ビックリした。」


 いつのまにか、俺をお姫様抱っこしてきた。

 ん?ミアは?

 エラルドさんの背中に思いっきり投げられていたし。

 ミア何かこっちに向かって叫んでるし。


「この面子なら申し分ないだろうね。

 じゃあ、ボス。撤退の指示を。」


 ルルに言われたので、仲間に号令を出した。


「よっし!お前ら!逃げるぞーーー!」


「『そんな元気に言う事でも無いだろうに。』」



 途中途中で仲間を拾いながら


「逃げろ〜♪逃げろ〜♪俺た〜ち♪」


 歌っていた。

 エラルドさんの背中で。


「『その歌をやめろ。力が出なくなる。』」


「何を言うか!エラルド!

 神の歌だぞ!神聖な歌声だぞ!」


「そうだぞ!キャスト様を侮辱するなら、ここで叩き切るぞ!」


 ヘルガーさんとヴィシュヌさんが意気投合しながら何か言っている。


「全く元気だね。お前たちは。」


 ロキが魔法障壁を張りながら、カウンター魔法も放っていた。


「凄いなロキ。

 そんな器用な事までできるとはな。」


「そんな!勿体なきお言葉です。

 このような匙、キャスト様なら容易い事でしょう。」


 ヨイショしないで下さい。できませんから。

 後、前を見て前を!攻撃来てるから!


「しつこい奴らだ。

 折角のキャスト様とのお時間を邪魔するとはな。大魔法を入れ込んでやろうか。」


「『やめろバカ。俺にまで被害が出るだろうに。

 お前たちバカどもを乗せて動いとるんだ。

 安定性が保てなくなっても知らんぞ。』」


 確かにふと思った。

 そんなに揺れないし、向かい風もない。

 平行姿勢を保ちながら飛んでくれているみたいだった。


「ありがとう。エラルド。」


「『気にするな。

 俺以上に働いたではないか。』」


 本当にそれな。

 自ら行ったのもあるけど、俺に矛先が向いてくるのはどうにかしてほしい案件だ。


「帰ったら休んで祓いだな。」


「旦那様。改めて、ありがとうございます。」


 横からミアがお礼を言ってきた。

 呪いやらとかは解除されたようで良かった。

 あのダークエルフ魔族と何があったのかは、敢えて俺は聞いていない。

 タブーな内容臭いからだ。


「いや。いいよ。気にしないで。

 さっきも言ったけど、俺がそうしたいからしただけだ。」


「主様!!」


 うぉっ!ビックリした!顔近っ!


「申し訳ありません!」


 泣きながら謝らないで。

 シアも悪い事してないのに。


「わ、わだじが!づいていながら!

 ごんなごどに!」


 泣き過ぎだから。ハイネかよ。

 頭をヨシヨシしてあげながら。


「そ、そうか。そんな事はないよ。

 いつも助けてくれてるし。

 むしろ、こちらこそごめんだよ。」


 泣きまくるシアをヨシヨシしながら、今後を考えていた。


 もっと強くなるか。

 この身体がとかじゃない。

 知識や技術が足りない。


『知識は私がいるかと。』


 俺個人も知っておきたいからな。

 それに、聖剣の使い方も教えてもらわんとな。



 龍国到着


「着きました。足元にお気をつけて下さい。」


 ヴィシュヌが先に降りて、手を取ってくれた。

 俺お姫様かな?っと。

 ん?あれ?身体から力が抜け・・・・・・。


『お疲れ様です。少しお休み下さい。』


 そのまま目を閉じた。




「やはり。ご無理をなさっていましたか。」


 ヴィシュヌがお姫様抱っこをしながら、キャスト顔を覗いていた。


「おい。やましい事を考えるな。」


 アリシアが突っかかってきた。


「ほう。これは、主を1人で行かせた、ポンコツ先輩ではありませんか。」


 アリシアからギリっと歯軋りが鳴った。


「・・・・・・。」


「あまり責めないでくれ。私が悪い。」


 己を恥じていたミレルミアだった。


「その話は後で構わんか?」


 エラルドが一度この空気を断ち切った。


「エラルドの言う通りです。ヴィシュヌ。

 キャスト様の身を整えさせ、ベッドまでご案内しなさい。

 護衛は数十人体制で、それぞれの隊のメンバーで選抜しておく。いいな?」


「承知した。シェリオ殿。」


 そしてそのまま、その場を去っていった。


「やはり、アイツと2人は危ない。私がっ!」


「ああもういいから。とりあえず休め。

 俺が付いとくよ。」


 グラディエもそのまま部屋を出ていった。


 本来なら、アリシアたちは戦争の連日でかなりの疲労が溜まっている。

 その中で、奇襲作戦・敵陣にて主の保護など、1日にしては詰まり過ぎるできごとに、疲労感を忘れてしまっていた。


「そう、だな。少し休むか。」


「ああ。僕は遠慮なく寝るよ。じゃ。」


 ルシファルは躊躇せずに部屋を出ていった。


「アイツはある意味、図太いというかなんというか。」


「ブラス。お前も動いたそうじゃないか?

 しっかり休んでおけ。

 後でまた動いてもらうぞ。」


「これはこれは。

 過労死せぬように、一足お先に休ませてもらうとするか。」


 エラルドの一言でブラスもまた去って行った。

 そんな中で、ミレルミアは何か言いたげな顔をしていた。


「今はいいです。ミレルミア。

 とりあえず、休みなさい。

 貴方に何が有ったのかはわかりませんが、今はゆっくりと休みなさい。」


 シェリオに諭されたミレルミアは、暗い表情をしながらも頷いた。

 戦争編あと少しで終わります!

 長い章となってしまいました。申し訳ありません。

 キリ良くって案外、難しいですね。

 今後も何卒、よろしくお願い致します!

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