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気ままに気のままに〜無力な俺を苦労が襲ってくる〜  作者: ennger
第1章 苦労人の誕生
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第7話 力を求めて 4

申し訳ありません。

手違いで、同じのを投稿しておりました。

 まずは土下座をしてお金を借りよう。

 さて、どうしてこうなったかだ。

 そもそも奴隷を買うと言ってもお金がない。


 皇国本土までの費用、皇国内の宿費、奴隷売買費用と足らないことだらけ。


 ここで前世のアニメ等のあるあるだが、自力で商売や冒険者となって報酬を経たりなどしてお金を大量に稼ぐが。

 この世界はそうじゃない。というか、少なからず今の私にはできない。


 前にもあったが、ここはスキルと魔力至高の世界だ。

 つまるところ、付け焼き刃な素人技術では何も得られないどころか、時間だけが刻々と失われていく。

 スキルと魔力による生産が盛んなこの世界において、技術者だけが生き残るには息苦しい状態だ。


 そんな生き残るための、スキルや魔力がない私では無理だ。そんな簡単にぽんぽんとできるのが、普通に考えてやばい。


 であるなら、借金するしかない。

 はぁ〜。前世含めて借りたことないのに。タイムイズマネーでもある現状はそれが望ましい。


「あのー。どうされましたか?何か悩み事がありましたか?」


「あー、そうなんだよね。実は皇国本土まで行かなくてはいけないのに、色々とお金ないから誰かから借りようと思ってさぁ。あ、いやあの。はい。」


 まそっぷ!

 かわいらしく訪ねてきたミレルミアについ喋ってしまった!大き過ぎる悩みのせいで口元が緩んでいた。やってしまった。


「でしたら、私が寄付させていただきます!

 もちろん返す必要はありません!いくら程必要ですか?」


 へ?いきなり!いきなり!出てきたけど〜⤴︎

 驚きのあまり、某都市伝説好きの人がでてきてしまった。


「いやありがたいけど、そんな大丈夫なの?」


「大丈夫です!特に使い道なかったのでタンマリとあります。なので、気にせずに申し出ていただければよかったです。」


 何このダメ男に貢ぐ優女さん。

 あかんわ。これは全部身を委ねてしまいたくなる。しっかりしろ私よ!


「では、お言葉に甘えて《《お借りさせていただきます》》。

 これは僕のケジメだ。

 美人さんに無償で借りたなどとあれば、僕の男に傷がつく。ここはご了承いただきたい。」


「・・美人さんですか。かしこまりました。

 では、期限は未定の利子なしでお受けいたします。時間も押しておりますので直ぐに出立致しましょう。

 片道であれば夜になる前に着くでしょう。」


 あら、そんな甘々な条件でいいの?ありがたや。


「そうだね。すぐに動けるようにしたいから共周りはマールとミレルミア、僕で行こうと思う。」


「かしこまりました。御者は私が務めさせていただきます。

 マール!すぐに出立の支度を整えなさい!これから皇国本土へ急ぎ向かいます。

 私はマーシャ隊長に引き継ぎと報告をしてきます。

 マールも侍女長に引き継ぎをしてから、馬車に合流するよつに。」


 扉越しからマールを呼び出して、準備をするように促してた。


「かしこまりました。ミレルミア様。」


「キャスト様一度失礼させていただきます。

 準備が整い次第に、門前に馬車を用意させておきますので、そちらに合流するようお願い致します。

 それと、出立前にメイリーン様にも一報入れていただくようお願い致します。」


 2人が去っていった後、私は急いで準備をして、母上の部屋へと向かった。


「母上。キャストです。入室してもよろしいでしょうか?」


 少ししてから扉が開いた。執事のマイエスが扉から出迎えてくれた。


「どうぞ。お入りくださいキャスト坊ちゃん。」


「では失礼します。」


 母上はいつも通りのティータイムを優雅に嗜んでいた。


「母上。急な訪問で申し訳ありません。

 これから1週間後の《《条件》》のために、一度皇国の本土に行って参ります。

 共周りはマールとミレルミアの2人です。


 少ないかと思われますが、急ぎの出立なのと、向こうの滞在は1日だけですが、要件が終え次第すぐに帰れるようにするためです。」


 カチャとティーカップを置いた母上はこちらを見ずに。


「そうなのね。わかったわ。気をつけて行ってくるのよ。

 ただし、いくら皇国本土と我が領地が近いからと言って油断することは無いよう、ゆめゆめ忘れずにしなさい。よろしいですか?」


「かしこまりました。母上。急ぎのため失礼致します。」


 すぐにその部屋を後にした。



 キャストが去った後のメイリーンの部屋


「全く、誰に似てきたことで。

 今日の出来事だけでもお腹いっぱいなんですが。ほんと、まだ4歳と少しなのに大きくなって。」


 隣で新しい紅茶をティーカップに注いでいる執事のマイエスは


「いいではありませんか。キャスト坊ちゃんはまだ大変お若いです。今のうちにさまざまなことにチャレンジすることは経験において必要なことですぞ。」


「そうね。その通りだわ。けど、母としては不安なので、マイエス。影の護衛を用意してください。

 できればそうですね、観察と遠距離視覚ができる人たちを選んでちょうだいな。」


「かしこまりました。メイリーン様。人選に関しては、こちらから選りすぐりを選んで手配しておきましょう。」


「お願いね。」


 そう言って、新しく注がれた紅茶に手を伸ばした。



 門前の馬車にて


 忙しいやー忙しいやー。と荷物を持って急ぎ門までの道を走って向かっていた。


「ごめん。お待たせ!」


 さっと馬車に乗り込んだ。向かいの席にマールがすでに乗車していた。


「いえ大丈夫です。すでに出発の準備は整っております。いつでも行けます。」


「わかった。じゃあ、出発進行だ。」


 そして、馬の鳴き声と共に出発した。

 馬車内はそんなに広くは無いが、4人は座れる空間があった。つか尻痛い。


「そういえば、ミレルミアって本当に御者できるんだね。」


「確か、ミレルミア様の故郷でできるようになったらしいです。」


 故郷と言ったらダークエルフの里か、絶対に行くわ。絶対行くわ。これ大事だから2回言った。


「そんなに時間はかかりませんが、暫くは何もすることもないでしょう。

 よろしければ平坦な道のりではありますが、景色を眺めながらお休みください。

 着いたら起こしますので、どうぞお気になさらずに。」


 頷いた私はそのお言葉に甘えて、寝ることにした。


 いやだって、気を張り巡らせ続けてるわけだから、少しでも寝て回復に努めなくては倒れてまうやろー!


 道中何事もなく、進んでいた。新たな出会いもなく、ただ尻が痛い状況だけ続いていた。あんたらお尻鋼かなんかでできてる?


 痛みと暇で、寝ることもなかったので、目を瞑りながら気のコントロール練習をしていた。

 1〜100%の出力をコントロールしないと、人によっては、さまざまなものをぶち撒けさせて殺してまう。


 これは改めて思うな、難しいと。まぁ、そんなに経験値積んでないからだろうけどどうなんだこれ。

 いいことを思いついた。試す機会をどこかで伺ってみるか。


「お休みのところ失礼致します。そろそろ皇国本土に着きます。」


 御者をしているミレルミアが小さい窓から声をかけてくれた。


 どれどれ。別の窓から顔を出して見てみますかな。


 そこには高さ50メートルほどの分厚そうな石壁なのか、鉱石なのかは知らんが、目の前の都を守るように建っていた。

 大きな城壁は侵入や攻撃の防御も兼ねているため、町や城を囲むように防御壁が展開されている。


 空は夕方から夜に切り替わりかけている。

 壁の門に馬車を一旦停止させた。


「ここからさきは通行書か、身分証定時または銀貨3枚で入れますよー。」


 なんとも緊張感のかけらもない、言葉で話す門番Aだな。


「通行書はある。それと、エンバイス領からきた、キャスト・エンバイス様を此度はお連れしたきた。決して無礼のないような。」


 一応、呼ばれたので馬車から降りて、お辞儀挨拶をかました。


「!!かしこまりました。すぐに、開門の手配をしてきます!」


 なんか、よくあるお偉いさんの前だけまじめになろうとする下っ端を見ている気分だった。


「おいおい、ねーちゃん。こんな時間帯になにしにきたんだぁ?」


 突如、酒瓶を持って現れた・・・名前知らんし、階級知らんから門番Bで。


「なんだぁ、ここはガキの来るところじゃあねぇぞ!

 それにな、そのクセにこんな高そうな馬車に乗ってくるとは過保護な親に恵まれてんのか!」


 と言い、高笑いをするテンプレ型門番Bである。


 あ、やべーかもミレルミア様がお怒りになりかけてる。とてつもない殺気を放ちまくりです。僕ちびりそう。


「なぁーねえ〜ちゃんよー。こんなマセたガキよりか俺の世話した方がきっといいぜー。

 今時こんなエロい体したダークエルフなんて滅多にみないからなぁー!

 だから、代わりに俺が遊んでやるよ。」


 あ、死んだなこいつ。


「ちょちょっと何してるんですか!ルゥーさん!」


 さっきのお偉いさん限定の真面目君こと門番Aが走って来た。


「あーなんだよ。誰に向かって言ってんだお前!!」


「すいません。ですが、このお方たちはあのエンバイス伯爵家の方々なんです。

 何かしらの無礼が発覚したら、我らの立場では打首ですよ!」


「な、な、なんですとー!!いや、そんななぜ聞いてないぞ!

 た、確かによく見るとエンバイスの家紋!」


「理解したか、豚野郎さっさと門を開けてそこを退け。さもなくば消すぞ。」


 ミレルミアさんバリキレてると。でも、多分こいつこれじゃ治めないな。ほら、なんかしてくるわ。

 血迷った門番Bは剣を抜き


「ふ、ふざけるなぁー!どうせどこかで作った偽物か盗んできたに決まってる!

 そもそも来訪の話は聞いてない!それが、何よりの証拠だ。それに共周りも2人しかいない!」


「聞かなければ、剣を抜くのか。全く、最近の兵は節度と礼節を知らんのか。」


 我慢ならなかったのかいきなり切り掛かってきた。僕の方めがけて。いやっ!なんでや!


 キィン!と目の前で鋭い金属音が鳴った。

 ミレルミアの短剣が門番Bの長剣を防いでいた。空いたもう片方の手から短剣を抜き、その両腕を切り裂いた。


「ぐぅ!!アウッーーーワ!」


 言葉にならない悲鳴とよくわからない叫び声をあげ、倒れ伏した。そして、2本の短剣の血を振り落としてから腰にしまい直した。


「ふん。こんなものか。威勢がいいのは口だけのようだな。とっと治癒士を呼ぶのと、門と道を開けろ。」


「・・・はっはひぃ!直ちに行います。

 おい!お前たち早く、治癒士を呼んでこい!

 それと、残った奴らは門を開けろ早く!」


 門番Aの叫ぶような指示に皆が動いた。

 なんだやればできるやん。

 というか、やっぱこんな感じに簡単に人を傷つける行為に及ぶんだなこの世界は。


 やっぱ、神様殴るかいつか。


 いつのまにか、死にかけ門番Bとミレルミアの間に1人の女性がいた。

 その女性は薄緑ローブを着ており、頭にフードを被っている。

 隙間から黒髪で綺麗な茶色い目が見える。


「私は皇国の魔道師団 所属 宮廷魔法士第二席次 ナナミ カザマです。

 ここで何があったか、状況報告をしていただけると助かります。」


 おい!まじかよ。ちょい待てよ。まずは僕の顔強張ってないよな?ないな?


 まず驚いたのはいつのまにってやつ。

 これは恐らく、瞬間移動かステータスが高いやつ限定の速度だろう。

 けど、どう見ても魔法使いのねーちゃんだ。


 前者はともかく、後者はあり得ない。これはつべこべ言ってもしょうがないので後回しだ。


「誰か説明をしてください。」


「これは、失礼致しました。私はエンバイス伯爵家に仕える騎士のミレルミアと申します。

 ことの経緯を説明をさせていただきます。」


 ミレルミアと門番Aがナナミ カザマに説明をしている。そのついでにナナミ カザマが門番Bに治癒魔法かけてあげてる。


 いつだ!一体いつ召喚されてた。いやそこは問題ではないな。しかも、今はいついたかは分からん。

 確かなのはこの国にしっくりと溶け込んでいることだ。


 誰もが敬意を払うことはない。つまりはもっと前からいたということだな。少なく見積もっても1年前だろう。

 だが、1人だけなのか?まだ分からないことだらけだ。個人的に探りを入れてみるか。


「少年くん。大変だったね。」


「あっ、ひゃい」


 いきなり、綺麗な顔立ちで私に迫って話しかけてくるから驚いて言葉がでなかったわ。


「あ、あのー」


「いいの。気にしないで。話はミレルミアさんから聞いたから。

 こういった治安を守るのも《《私たち》》の仕事なの。寧ろ、ごめんなさいね。早く駆けつけられなくて。」


 優しく頭を撫でてくれた。


 心がおじさんですが、安らぎます。

 ん?というか、《《私たち》》って今言わなかったか?


「いえ、大事には至らなかったので問題ありませんでした。ありがとうございます。」


「そう。じゃあ・・・」


「おーい!ナナミ!どうしたんだ?急にいなくなって。」


 今度は門の向こうから声がした。

 いかにも金髪を染めた感がある奴がきた。腰には薄緑の光り輝く剣を下げており、身につけている軽鎧は傷ひとつない綺麗な鎧だった。


「どうしたんだ?ほんと急にいなくなって。」


「ん大丈夫。トラブルがあったらしいからそれの仲裁に来てた。」


「そうかならよかった。ん?そこの綺麗なダークエルフの方。少しいいかな?」


 そう言ってミレルミアに近づく。


「すまない、お名前をお聞かせいただいてもいいかな?」


「私ですか?私はエンバイス伯爵家に仕える騎士ミレルミアと申します。以後お見知り置きを勇者様。」


 うん。なんとなくわかってた。

 格好からいかにもだし。最初よりは耐性がついたな。


「とても綺麗なお方だ。しかも腕に覚えもあるときたか・・・・。どうだい君さえよければ僕の仲間にならないか?」


「いえ、お断りさせていただきます。」


 いや!色々早い!

 勇者に至っては完全、見た目に惹かれたな。あわよくばとか考えてるな。

 だか、下心は薄そうだけど我慢が苦手なタイプや。

 あれだろうチャンスあれば仕掛けたり、自分で勇敢に特攻するタイプだ。


 ミレルミアさんに至っては速攻で断るし。立場的に圧倒的に上だろ勇者たちのほうが。

 断った影響か周りがうるさいし早く動きたい。


「そうか残念だ。また、次の機会に声をかけるよ。その時はよろしくね。それじゃ!」


 ナナミ フウカを連れて去っていった。


「今のが、勇者タケル イシダ様と第二夫人の風魔士のナナミ カザマ様か。

 まさかこんなところでお会いできるとは。」


 と呟いた門番A。というか、第二夫人かよ!予想通り、仲間=ハーレムじゃあねえか!

 男仲間とかサブ枠にしかいないだろこれ。


「チッ!キャスト様の前で変なこと言いやがって!(怒)」(小声)


 なんだろう聞いてはいけない声がダークエルフさんから聞こえた。


「お待たせして申し訳ありません。では、皇国へ入りましょう。さぁ、馬車へとご乗車ください。」


「わかった。行こうか。」


 さっきの騒ぎを他所に進むことに、というか切り返しの早さよ。


「いってらっしゃいませ!」


 と門番Aの敬礼だ。ふむ、苦しゅうないわ。


 広くまた闇も深く、また光を照らす灯りもある皇国内部へと足を踏み入れた少年たち御一行であった。

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[気になる点] 主人公はコントロールできてはいないが常に気を纏っているみたいだけど、馬車に乗ってケツが痛いという事は纏っているけど重い空気の様な感じって事?防御力は無い状態なんだよね? あと、最後の「…
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