第51話 いよいよ旅立つ 選抜メンバー
王城で報酬のやり取りをした後、特に横槍はなく、無事に出れた。
『良かったですね。何もなくて。』
その言い方だと、何か常に起きてないとおかしいみたいだな。
『事実そうではありませんか。』
ホーム到着
俺は護衛のサクヤだけを連れて部屋に戻った。
残りのメンバーは名残惜しそうにしていた。
ここにいれば会うから何も気にせんでも。
『彼ら彼女らにとっては、それが名誉ある任務ですからね。』
なんかもう考えるのをやめます。
「キャスト様。この後のご予定は如何されますか?」
「うーん。あ、そう言えば。
そろそろ、選抜メンバーが決まるな。
今回は新人は行けないが。仕方ないか。」
「悔しいお話ですが、その通りです。
連携や練度とと言った能力が不足しておりますがゆえに。
個々の戦闘力は高くとも、1人では無謀な場面も多いですからね。」
伊達に戦場を渡り歩いてる訳ではないな。
判断や考察が早い。
結論がしっかりと理解できる奴は優秀だな。
「ふむ。サクヤだからか。」
「?どうされましたか?」
「何でもないよ。とりあえず、エラルドとシェリオの所へ行こうか。」
「かしこまりました。」
2階にある、執務室にお邪魔した。
「おっす。」
「これはこれは。キャスト様。よくお越しになられました。
今、お茶をご用意致します。」
「丁度良いところに来たな。
選抜メンバーのことだろ?」
流石はエラルドさんや。
分かってらっしゃる。
「メンバーは若を中心にヘルガー、アリシア、ロキリア、ブラス、ミレルミア、ハイネとなる。それとプラスで法国の勇者たちだな。
クラウディア、ナタリア、シェリオ、アイン、エイン、センキ、グラディエと私は居残りだ。」
「うーん。シェリオ、エラルド、ナタリア、センキは言わなくてもわかるぞ。
後はアインとエインもか。
ディアとグラディエはそうか。戦闘訓練か。
あいつらほど適任はいないか。」
「ええ。ですが、キャスト様の護衛レベルは高い者で組ませていただきました。
なんやかんや、うるさいかもしれませんが、このメンバーの連携力は馬鹿にできません。」
それな。
この狂信者たちは思想や考え方は全く違うのに、戦いのことになると、お互いの連携が取れるという謎仕様だ。
「まぁ、それなら大丈夫か。」
「大丈夫じゃない。」
「!いつの間に・・。」
おいおい。
古龍の知覚を掻い潜るレベルの隠蔽魔法かよ。暗殺されるな俺。
「あなたはルシファルでしたね。
何用ですか?」
「ほう。下等種族の割には肝が据わってるな。
僕とキャストを離すのは感心しないな。」
「だが、それ・・」
「連携なら取れるよ。その面子ならね。
僕はかなり強いのは自覚してる。
けどね。それは相手の強さを理解するからこその自負なんだよ。
キャストとならもっと連携が取れるよ。」
すいません。連携に関して、心当たりがないのですが。
『マスターはさりげない怠慢主義なので。』
なんで俺だけヤンキー方式なの?
最近のヤンキーは仲間と連んで暴れ回る連携型ヤンキーが主流だぞ!
『ならそれ以外ですね。』
「聖剣の割にはよく喋るね。」
「『!!』」
気付いてんのかよ。いつからだ。
「安心して。君に危害は一切加えないよ。
僕の大事な人だからね。」
あ、胸が疼く。
これが恋なのか。
『それよりもです。
魔力パスが繋がらないと聞こえないはずです。ハイネ様なら少なからず影響はあるかもですが。』
「なぜか。
それは僕がキャストと血の盟約で繋がっているからだよ。正確には中身とだけどね。」
おい!また知らない事実が出てきたぞ!
『血の盟約ですか。それは非常に恐ろしいですね。特に《《中身》》ですか。』
「?何を話している?」
あ、そうか。
エラルドやシェリオはわからないのか。これじゃあ、俺がイタイ奴だ。
『・・・。』
「流石に黙るか。」
「まぁ、この子もキャストを認めているからね。何かしない以上は何もしないからさ。
それよりも、選抜メンバー入りしても良いよね?」
無言の威圧かよ。本物の強者だ。
エラルドやシェリオが押されている。
俺ですら押されるわ。
まだまだ修行が足りないな。精神と◯の部屋に篭るか。
『そんなのはありませんよ。あったら全員最強です。』
知ってる。言ってみただけやし。
「フフ。かわいいね。僕のキャスト。」
お人形さんかな。リカちゃん人形っぽい俺?
え?シルバニアファミリーだって?
種族違くないかそれ。
「くっ。私も強くならねばない。
以前の全盛期を取り戻しておくか。」
「奇遇ですね。
私も強くなることを再度、誓い直しましたよ。」
流石はメンズだな。火がついたのか。
俺ならふにゃふにゃになるな。
『それ燃え尽きてるだけです。』
「気にしないでいいよ。僕が一生守るからさ。」
「う、うん。ありがとう。」
動揺するわ。
そりゃあね。綺麗な顔立ちに僕っ子だからね。イケメン美女みたいな感じだからさ。
これまた迫力が違うのよ。
「さぁ、一緒にお昼寝でもしよう。
それともクエストにでも行く?」
「俺のツボを抑えてるのね。
じゃあ寝ますか。」
「良いよ。行こう。」
手を握られ、そのまま執務室を出ることに。
綺麗な手だし、美しい褐色肌だ。
そそりますね。
『変態。』
二文字完結はかなり心にくるからね。
「キャスト様。お待ちしておりました。
おや、これは。ルシファル様ですね。」
「なんだ。巫女か。
アマテラスの遣いがなぜここに?」
「これは私が選んだことです。」
そしてお互いの間に沈黙が続く。
「いいだろう。邪魔はするなよ。
そんなことしたら、適当な場所に送りつけるからな。」
そのまま寝室にて、マジで一緒に寝た。
イヤらしくないよ。お昼から暴れません。
素直に眠かった。
キャスト睡眠中
「本当にかわいいな。
前世でもかわいかったかな。
面白い性格だし、人間の中でも知ってはいけない事を知ってるだけあって、理解力は秀でていたね。
どちらの君も大好きだよ。」
ほっぺにキスをした。
近くから殺気を感じたため、起こさないようにベッドから出た。
「物騒だね。寝てるのに。」
「お前は要らないからな。」
確か、アリシアだったか?
人の身でありながらも能力面が異常に高いやつか。
「へぇ。で、殺し合うの?」
「そこまで、空気が読めない奴ではない。
ただ、お前は何を知っている?」
お互いが睨み合いをしていた。
「あなたが知らなくていいことかな。」
「やはり隠し事か。私を信頼していない?
違うな。お前が一方的にだな。
そこまで盲信的ではない。
考えれば分かることだ。出会った経緯とキャスト様の経緯からな。」
「無駄に頭がいいんだね。」
「お褒めに預かり光栄だな。元天使よ。」
「分かった。僕は君が大嫌いだ。」
「私も大嫌いです。」
「アリシア神兵長。ここでは危険かと。
キャスト様がお休みです。」
少しずつ殺気が緩んだ。
「その通りだな。
私以外は邪魔だと感じてしまう感情が抑えられないな。勿論、愛ゆえにな。」
「ふーん。愛してるんだ。」
「当たり前だ。
私は自身をも既に捧げている。」
「!!」
初めて堕天使が驚いた。
「ふーん。やっぱ殺す。
ただの肉塊野郎ではないようだね。
またボロボロにして、いろんな奴とやらせてあげる。」
「ほう。私もお前を殺すことにしたよ。
私を馬鹿にするのは構わないが、主様にとって、お前は非常に危険だと判断した。」
「あのーだから、寝てるんですけど。」
「「・・・・。」」
そこに新たな人物がやってきた。
「ミレルミア様からお呼びがかかって・・。
お邪魔でしたか?」
セレストが呼びに来てくれたようだが、この状況から何かを察したようだ。
「いや、大丈夫だ。分かった。すぐ向かう。」
「そうね。僕も向かうから問題ない。」
「では、サクヤ引き続き護衛をよろしく頼みますよ。片時も目を離してはいけません。
いいですか?」
「かしこまりました。神兵長。」
3人は部屋を後にした。
「ふーー。
ここで喧嘩は不味いでしょうに。
折角のかわいい寝顔が勿体無いですからね。」
サクヤはニマニマしながら見つめていた。
そして、ふと目が覚めた。
?あれ?ルシファルがいない?
『おはようございます。
どうやら、作戦会議のためいなくなりましたよ。』
なにそれ。作戦会議は俺不要なの。
『マスターは怠慢主義ですからね。』
寂しさ感じますね。つらたんです。
「ごめんよ。サクヤ。
ぐっすり寝てしまっていたよ。」
「いえ。ご褒美でしたので大丈夫です。」
???なんの話だ。
『聞かない方がいいと思いますよ。』
何かされたの!?俺何かに晒されたの!?
怖っ!
「それと、明日のお昼にはここを出て龍国に向かいます。
準備や法国の勇者様の出迎えなどありますが、問題なく時間通りに出立できます。」
「そうか。ありがとう。」
いよいよ、明日から俺の初めての遠征だ。
みんなから学ばなければ。旅知識は途轍もない量だからな。
平和な世界から来た身だし、やはり抵抗感が拭えないのはあるが、今回はどちらかというと、ワクワク感が上回っている。
「本当に楽しみだな。」
そして、夜が明け、昼前だ。いよいよ出立直前だ。
世界会議と勇者会議は無事終わっており、それぞれの国が既に王国を出ている。
「龍国の勇者がどこまでメッセージを残せるかだな。」
「エラルドの疑問は最もですが。
私はキャスト様が心配で気が気ではないぞ。」
シェリオさん。
そこまで心配してくれて。嬉しいよ。
『単に置物的な問題かと。』
そういうこと言わないの。
人がしみじみしてたんだから。
「安心しろ。我々がついている。」
胸を張って言う。ミアさんだ。
もう一度言う。胸を張って言う。
え?もういっ
『もう黙れよ。』
「そうだな。不服だが、この面子の厚さならまず危険に晒されることはないぞ。
このヘルガーが片時もお側を離れないからな。」
またフラグが建築された。
フラグ一級建築士か何かか?本当に。
「貴様がお側にいたら可哀想だ。
私の方がより安心だな。」
ロキが胸を張って言う。もう一度言う。
『いえ結構です。』
「わ、私もいますぅ!」
「お前たちが入れば、主人殿も安心して枕を高くして寝れますな。」
ブラスも建築士の持ち主だった。
皆んなで俺を苦労道へ追い込んでいる。
「どうどう言うのは構わないが、そろそろ出るぞ。」
シアの一言で皆の顔が切り替わった。
お、なんかカッコいい。
「さてさて。どうなることやら。」
本日使うのは、かなり前にご紹介した魔道具『フライングボード』さんだ。
どうやら魔改造をリタ、ドゴンド、ガリウスのドワーフチームと魔法研究チームによって成されていた。
「わぁお。これ目立たない?」
そこにはキャンピングカーみたいな形をしている。しかし、タイヤは無い。
色は目立ないようにグレー色で染め上げられている。
「はい。ここに隠蔽や探知阻害魔法など盛り込んでいますよ。」
「そうか。後はハイネとロキ次第か。
って心配してもか。俺魔力無いし。」
「僕もついてるから大丈夫だよ。
それに魔力より、君は魅力がとても詰まってるから、気にしないでよ。」
なんかラッパーみたいなことを言ってる。
「その通りです。主様はそれで良いのです。
私たちがおりますので、どうぞ中で快適な旅路を。」
それだと、俺の想像している旅とは違う気がする。
まぁ、何んにせよ。行きますか。
『フライングボード』に旅のメンバーが乗り。
前方に置いてある魔力玉にハイネが手をかざすと動きだした。
さぁ、出発や!
『フライングボード』で門から旅立った。
ここまで、読んでいただいた方、ありがとうございます。
龍国編は長いかもです。どうかお付き合いいただければ幸いです。




