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気ままに気のままに〜無力な俺を苦労が襲ってくる〜  作者: ennger
第3章 ギルド(会社)を作る苦労人
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第41話 法国・龍国の勇者が接触

「!!何のことでしょうか?

 仮に間者だったとして、あなた方のスキルや魔力感知レベルに引っかかるような真似をしますか?」


「勘違いだったみたいね。

 そうしといて上げる。別に問い詰めたりするつもりないから。褐色イケメンくん。」


 何を企んでいる。と思ったシェリオだ。


「君たちの主人にお忍びで合わせてもらえれば、君の他にいる密偵たちも黙っておいて上げる。」


「お手上げですか。

 ですが、おいそれと合わせる訳にはいかない。

 例え、私が死のうとも。他の者が死のうともだ。」


 マイは少し驚いていた。


「日本には見ない忠誠心ね。そう。

 じゃあ誰なら取り次いでくれる?言い方を変えれば、あなた方のギルドの誰かしら?」


 既に情報は入手済みか。一体何の能力だ。


「いいでしょう。マスターに合わせましょう。直ぐにとは行かないことはご了承下さい。」


「了解♪あ、それと、妹も同席するからね。

 その方が追ってや盗み聞き警戒にもなるからね。」


「そういうことですか。では、その力を信じるとしましょうか。」


 シェリオは気づいた。

 既に魔法結界が張られていた事を。



 その後


「シェリオよ。出過ぎた真似では?」


「ブラスですか。そう言われても仕方ありません。ただ、危害を加えようとする他の勇者とは違うようだ。

 しかし、何かあれば私を罰してくれ。」


 アインが後ろから。


「え!?け、けど。そんなこと。」


「そうならないように、私たちは努力せねばな。」


「ええ。取り急ぎ、主人様に連絡を入るぞ。」



 キャストは


「タイル修繕は前世の知識〜♪」


 1階の受付周りの壁のタイル張りをしていた。

 周りでも、リタを中心に色々と手伝いながら修繕が行われていた。


 この後は門前の修理だ。

 下の石や土間造りはお手の物よ。


「久々だなこの感じ。

 セメントも土魔法で補ってくれるから大分楽だよね。

 塗る技術と張る技量があればそれで十分だからね。」


 鼻歌をしながら作業していると、とあるお客様が来訪してきた。


「たのもーう!私は!龍国の勇者の者だ!

 ここのギルドマスターはいないか!?」


 あまりのバカでかい声に一同が耳を塞いだ。


 門から家まで距離あったよな。

 どんだけ響かせるんだよ!近所迷惑だわ!


「チッ!猿め!主様。私が向かいましょう。」


「待て。貴様1人では不安だ。

 はぁ〜。しょうがない。私もついて行くとしよう。」


 シアとミアが珍しく2人でお出迎えをしていた。

 なんか、こうも珍しいことがある事自体、何か不吉な予感が。


「む。今の声は。」


「どうしたのよ。センキちゃん。」


「ナタリア。いや、何でもない。

 聞いたことのある声だった。」


 なんだ心当たりか?

 そういうのって、会ってから記憶が思い出されるとか厄介な話だろ。

 不吉だ。もう既に嫌な予感がする。至福のタイル張りが一瞬で終わってしまった。


「旦那様。お連れ致しました。

 どうやら、本物の龍国の勇者と魔道士でした。」


「何かあれば承知しないぞ。覚悟しておけ。」


「へぇ〜。粋がいいねぇアンタ。」


「うっほ。すごい女性率。みんなかわいい。」


 シアと気が合いそうな気性の荒い勇者様ですね。

 って女かよ!しかもガテン系の褐色肌かい!ヤンキーかよ!


 後ろのアンハッピーセットな男はいかにもハーレム好きの陰キャだわ。

 おいテメェ。ウチの女に手を出すなよ。


「あ、あの。ダークエルフ氏。

 お付き合いされてる方とかいますか?」


 なぜ地雷を踏みたがる。


「当たり前だ。ギルドマスターである、キャスト様こそ。私の旦那様だ。

 義父様の許可もいただいたぞ。」


「何を寝ぼけている。貴様。

 ベッドの上で数時間で倒れた奴が嫁気取りか。ならば、私になるのも時間の問題か。」


 そういう恥ずかしい話を何でするのかな。

 あら、女勇者様はウブなのね。

 顔が真っ赤よ。


「お、お前。見た目若いのにそんなに凄いのか?」


「何を聞いてるんですか?

 聞かないでしょ普通。」


「うっ。す、すまん。」


「んん!すまないな。勇者よ。

 見ての通り、このような有様でな。よければ応接室にご案内しよう。どうぞこちらへ。」


 流石は久々のフォロルドさんだ。頼りになります。


「クラウディア。若のお着替えを手伝いなさい。」


「承知した。」


 え?なんか怖い。エインじゃダメか?


「お、親父。俺はまだ死にたくないんだ。」


「何でや!それで死ぬの?そんなんで死ぬの?」


 仕方なく、ディアと共にお着替えをすることに。

 着替えの途中途中で興奮して、鼻血を垂れ流しているので、余計、着替えに時間がかかったのは言うまでもない。


「さてと。向かいますか。応接室に。」


「かしこまりました。」


 なんかディアは鼻にティッシュみたいな紙ペーパーを詰めてるからダサい。


「じゃあ失礼っ・・・!ナニコレ?」


 部屋を開けると暴れた後の散らかりようと、エラルドとロキに抑えつけられるセンキがいた。

 勇者はミアとシアが抑えている。

 魔道士は無視で。

 屁っ放り腰で倒れてるだけ。


「申し訳ない。若よ。

 ことの経緯を説明しよう。」



 向かう数分前のできごとだ。


「こちらが応接室だ。

 後から内のメンバーも入ってくるがご了承していただこう。」


「構わないよ。アンタもいいだろう。」


「う、うん。(何で仕切ってんだよ。)」


「(この先面倒になりそうだ。)」


 応接室に入り、ソファに座らせ、その向かい側にエラルドが座った。

 両者を挟むように間には、一席豪華な椅子が置いてあるが、それはキャストの席だ。

 本人は処刑台と言っている。


「あ、あの。エルフの方も来ますか?」


「?ええ。来ますが。ああなるほど。

 忠告ですが、気をつけてくださいね。」


 アホくさっ。と思ったマナミだった。


 その時、マナミは鋭い殺気をキャッチし、前に拳で殴りかかった。

 鬼女と拳をぶつけていた。


「おいおい。いきなりとは。

 でも好きだぜ。そういうの。」


「お前。思いだした。里を滅ぼした奴。」


「なっ何で!お前角を失い、廃棄奴隷になったんじゃ!」


「ハッ。思い出したぜ。楽しかった奴だな。

 また会うとはな。地獄から戻ってきたか。」


 そこからは乱戦だった。

 途中で『ファミリア』陣営が集まり、何人か係で止めた。

 というのが、ことの経緯だ。


 ほらな言ったろ。

 こういうことになるって。フッ。

 早くもお腹が痛くなりそうだ。


「まぁ、とりあえず座って話しませんか。」


「それだな。2人とも座れせてくれ。」


 ミアとシアが2人係で座らせた。腰が抜けた男も座った。


「まずはそうだな。すまないな。と言っておく。」


「チッ!邪魔す・・んな。子供・・なのか?」


 おいおい今まで俺は何だったんだよ!

 見えてなかったですってか!

 そりゃエラルドの方がギルドマスターっぽいですよ!


 ま、まぁ、まだ服装が作業服だったから、分かりづらかったかな?

 そうだな。よしそうしよう。


「んん!そうです。このような弱輩者で申し訳ありません。

 それに、このような目に遭わせてしまい度々申し訳ありません。

 謝罪と共に後程、幾らか武器か金貨をお送りしましょう。」


「お、おうよ。き、気にすんな。私もカッとなってたし。それに過去やってきたことが原因だからな。水に流せってのは無理な話だ。

 だから、気にしないでくれ・・ださい。」


「そう言っていただけるとは助かります。

 です・・」


「いや!貰うぞ!こっちは被害者なんだ。縮こまってどうする。

 そこの鬼が凶暴で暴れ回ったせいでエライ目にあった。

 ここの女性たちも危ない目に遭ってないか心配で気が気ではない。」


 急に饒舌だな。

 さては、私舐められてますね。

 社会出たことのないガキが。舐めるなよ。大人(見た目は子供)の力をよ。

 残念ながら、工◯新一のような好青年ではありませんがね。


「そうですね。そちらに関しましてはそうさせていただきますが、あまり刺激しないでやって下さい。

 これから、円滑にお話を進めたいので。

 ただ、こちらも非があるとはいえど、原因はそちらにありますので。

 結果には原因は付き物です。その辺の落とし前などのお話も進めさせていただきます。」


「な、子供のくせに何を言って・・!」


 マナミが魔道士の男の前の机に足を振り下ろし穴を開けていた。


「うるせーぞ。調子に乗るな。しばくぞテメェ。」


「あ、はひぃ。す、すいません。」


 大人しく席に座った。何この人。超ヤンキーやん。怖すぎだろ。


「そ、その内の同僚がすまな、すみません・・でした。」


「ええ。大丈夫ですよ。ただ、話し方は普通にしていただいて構いませんよ。」


 なぜかな、急に緊張しだした。

 さっきまでのオラオラは何処へ?


「お、おうよ。あんがとな。それと、落とし前に関しては分かった。


 それでだ、要件だがここのギルドに依頼したいことがあってな。

 龍国の近くには、龍脈から連なるダンジョンが不特定多数存在するらしいんだ。

 その調査と原因解明をしてほしい。

 メンバーは全員では無いってことは分かってる。戻ってきたらでいいんだ。」


「なるほどね。幾つか疑問があるが、なぜ我々なんだ?

 他にも王国で有数のギルドや龍国は冒険者はいないが、それなりの精鋭だが。」 


 エラルドの疑問はその通りだ。

 確かにウチにはバリューネームが続々集まっているが、新生ギルドだ。

 ほんでもって、俺がFランクなんだよ。


「それはだな。はっきり言うと、どうも龍国自体が怪しいからだ。

 ダンジョンの調査依頼も国の奴らがなんか余計なことをしてるのではと思ってる。


 実際問題、冒険者がいないのと有名ギルドを呼ぼうにも龍国なんぞ行きたくないって連中が多いのが現実だ。


 龍だからな。向こうの奴らに勇者とかで崇められるが、普通の人間だと行きたがらないのが普通だ。

 見下されるのが前提だからな。」


 それで無能の俺に白羽の矢が刺さったと。

 なるほど〜。っておいこの野郎。

 誰が見下され慣れてるだ!

 もつ1つ、落とし前追加だな。


「確かにな。あの国は獣人国とは違う考えでの強さを中心とした国だ。面倒事すらも力業だからな。

 センキの故郷もそうして焼き払われたのだろうな。」


「少しわかった。だが、許される事では無いな。センキ自身の怒りはもっともだからな。

 いきなり乱闘は驚いたが、そこはしっかりと話はすべきだな。」


 念のために釘を刺しておいた。


「ああ。分かった。

 強さに関してもギルドマスターさんのところには英雄級やら、魔王級がいるとか。

 だから、強さは新生ながらも群を抜いているって聞いた。」


 誰に聞いたのか。グラムだな。あいつ。

 平等謳う割には、結構不利な案件がきたぞ。


「国を頼れないのは、もし国の連中全員が怪しければ私たちの身も危ないから。

 でも、王国なら匿ってくれるし、強さも王国はそれなりにあるからな。」


「了解した。依頼だけど、遠征組が帰ってきたら受けるよ。俺もランク上げたいし。」


「本当か!ありがとう。」


 手を握ってきた。両手で両手を握られてる。

 悪くない。後ろからの殺気が凄いが。


「あ、す、すまん。勢いでつい。」


「いえ。大丈夫でしよ。」


 うん?動揺してた?

 相手がウブだったからか。久々に見た。

 これだよ!女性のあるべき姿は!


「キャスト様。お話のところ失礼致します。

 会ってほしい方がいらっしゃいます。」


「シェリオか。誰よ。」


「はい。法国の勇者と御一行です。」


 ナンデ、ヤクサイハフリソソグノカ。


「失礼します。お初にお目にかかります。

 ギルドマスターさん。

 私はマイ キリシマと言います。以後お見知り置きを。」


「私はメイ キリシマ。よろしく。」


 なんですかね。

 アンタらは俺に死ねって言いたいのか。

次話から新章入ります!

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