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気ままに気のままに〜無力な俺を苦労が襲ってくる〜  作者: ennger
第14章 レギオン

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第206話 会議はスムーズにはいかない

 アリシア


「ヴェルディ。部屋の警備は?」


「ご主人様の周辺にはホムラ様率いる忍び隊、目が覚めたゴウキ様が正面、窓側に我らメイド隊が護衛としております。」


「足りないな。

 私の部隊からも・・・動かし過ぎは主様が気になされる。」


「そう仰ると思い、既にアルツメイン、ワイト、ヘルゼンを向かわせております。」


 ヴェルディは既に手を回していた。


「ほう。セレストより使えるな。

 名をしっかり覚えておこう。」


「ありがとうございます。

 そして、会議の出席者ですが。

 アリシア様の他ミレルミア様、ロキリア様、クロエ様、アルマ様、ウェイン様が向かわれます。」


「多い気もするが、向こうもそれなりのメンバーで威嚇してくるだろう。

 用意周到なのはいい事だ。

 こちらも警戒を最大限に引き上げさせろ。

 そして、失礼のないようにな。」


「かしこまりました。

 ここでゴミ・・・・お客様がお待ちです。」


 ヴェルディが一瞬だけ本性が出かけた。


「変わらん。ゴミだ。

 なら、片付けるまでよ・・・と言いたいが。

 表面は大事だな。」


 アリシアは扉を開いた。


 自身の仲間が座って待機している。

 長い長方形のテーブルに、それぞれのギルドが向かい合うように座っている。


「遅い。

 お前が《《今は》》サブマスターだ。」


 ミレルミアは含みのある言い方で、認めない宣言をした。


「すまない。役立たずよりはマシだが。」


「身内で争うほど余裕なんだ?」


 そんなプチ喧嘩に水を差してきたのは『ブリゲイド』のメンバーである。


「なぁーに言ってんだよ。

 こういうのは見てるからおもろいんだろ?」


 金髪の髪型ツンツン少女が口を開いた。

 そして、緑髪ロングヘアーの女性が。


「おやおや、いけませんね。

 下手に口を開くとは。

 我らのマスターがお怒りになりますよ。」


「「!!」」


 そのマスターの名を聞いた2人は口を紡いだ。

 緑髪の女は立ち上がり、頭を下げた。


「申し訳ありません。うちの者が大変ご無礼を。」


「気にしてない。こちらの不手際だ。」


 ウェインがアリシアたちの代わりに対処する。


「ウェインの言う通りだよ。

 しっかりしてよ。《《サブマスター》》さん。」


 ロキリアもまた認めていなかった。


「(コイツら後で殺す。)

 ええ。今回は会合でしたね。」


 アリシアは何とか自分押し殺した。


 今回、キャストの代行でもあり、下手な真似はできない。


「じゃ、じゃあ、俺・・・んん。

 私がこの王国の冒険者組合のギルドマスターをしている。

 グラム・イスギルだ。

 といっても、ここにいる連中は把握はしているだろうが。改めてだ。」


 グラムが会議を取り仕切る。


「では、今回の議題をよろしくしたい。」


 中央にいるグラムの両隣には他組合の裁定者がいた。

 そして、何かの書状を取り出した。


「この度、『ブリゲイド』側の主張、ダンジョンの偵察任務中に『ファミリア』からの襲撃に訴えの申し出がある。」


「賠償は勿論だが、ギルドとしても正式に謝罪が欲しいと進言されている。」


「だが、この話はあくまでも『ブリゲイド』側の主張であって。

『ファミリア』の主張がない。

 一方的に決めつけるのは早計だと判断した。」


 グラムはこのまま勝手に決められそうな所、何とかして話し合いに持ち込んでくれた。


「(グラムは努力したようだな。最低限の役割は果たせたか。

 しかし、顔色が優れない。

 どうやら、この2人の裁定者は買収されていると見た。)」


 アリシアは自身の観察から結論付けた。


「このグラムが言うように、お互いの意見が出揃わないのは不自然だ。

 そのため、今回はこのような形で話の場を設けた。

 異論はないかな?」


「ええ。問題ありません。」


 代表してアリシアが述べる。


「こちらも問題ありません。」


『ブリゲイド』側のギルドマスターもそう答えた。

 アリシアはそんな相手のマスターを観察した。


 彼女は水色のミディアムヘアーに前髪辺りに、安物の白色のヘアピンが付けられている。

 瞳は綺麗だが、闇が深い。

 スタイルは良く、キャスト好みの胸元である。

 服装は軽装備で、所々綺麗な肌が露出している。

 耳もピアスがある。星の形をしている。

 そして、目を惹きつけるのが胸元の白色のブローチである。


「何か気になる事でも?」


「いえ。」


 アリシアは色んな意味でも危険信号を感じ取った。

 しかし、底知れぬ戦闘力も同時に感じ取れた。


「では、話し合いを。」


「はい。まず、事の発端についてですが。」


 クロエがまとめて説明した。


「ですが、そちらが襲ったのでは?」


「私たちの所はそれで逃げられるでしょうが、お館様へ矛を向けたのは確かです。」


「今、全員療養させている。

 この場には居ないのはご容赦願いたい。」


 ミレルミアが追撃の一手を言い放った。


 すると、『ブリゲイド』側のギルドマスターが。


「そうですか。それは残念。

 ですが、こちらはしっかりと証言者を連れて参っております。」


 そこにはエラルドと戦った男がいた。

 薬により、一時的に弱体化している。

 しかし、クロエが見た時より、怪我の具合が酷かった。


「いつそんなに怪我を負われたので?」


 クロエはつい疑問を投げかけた。


「おや?そっちが負わせたの間違いだろ?」


 最初の方に突っかかってきた、ピンク色のツインテール女性が更に畳み掛けてきた。


「何故、そう」


「だ、か、ら、お前たちが襲ってきた。

 そんで、こっちに被害者がいる?いいか?

 証拠はそっちに無い。」


「いやいや、あっちはボロボロになった男共が居んだろ?」


 今度は金髪のツンツンヘアー女も共に責め立てる。


「抜け抜けと。小賢しいのぉ。

 主らは妾たちに何を要求したい?」


「星!話が早過ぎるぞ!」


「黒龍よ。そうこう言ってもキリがないぞ。

 時間が経てば経つほど、苦しくなるぞ。」


 アルマは2人の裁定者をチラ見しながら答えた。

 クロエもそれには気付いていた。


 しかし、やり方が気に食わなかっただけであった。


「アルマの言う通りだ。

 旦那様を襲った事は許しはせん。

 だが、タダで喧嘩を吹っかけてきた訳ではあるまい?」


 ミレルミアが今度は仕掛けた。


「旦那様・・・・それはそちらのギルドマスターで良いかな?」


「そうに決まっている。」


『ブリゲイド』のギルドマスターから殺気が飛ばされる。


 『ブリゲイド』の仲間はその姿に怯えている。

 『ファミリア』側は警戒はするが、涼しそうな顔付きである。


「ほう。主様とは、どんな関係がある?」


「お前に言うつもりはない。」


「そうか。なら、答えは簡単だな。

 欲しければ、レギオンでケリをつければいい。」


 アリシアが逆提案をした。


「アリシア!」


 クロエのそんな言葉を無視した。


「どのような過去が有ったのか、そんなのはどうでもいい。

 こっちはお前たちのやり方に腹を立てている。

 いちいち小細工などせずとも、私たちへ喧嘩を売ってくればいいものを。」


「そうか。なら、単刀直入に言わせてもらう。

 あなた方のギルドマスターを私に寄越せ。

 それを以て許しとしよう。」


「抜かせ。殺す。」


「おいおい!!待て待て待て待て!」


 グラムが2人を止める。

 他のメンバーも殺気がダダ漏れである。


「バカバカ!今は裁定中だぞ!

 お互い損しかなくなるぞ!」


「その通りですね。」


 今まで静かだった『ブリゲイド』側の緑髪ロングヘアー女性が口を開く。


「マスター。ここは有利に進めておきたい。

 であるなら、余計な争いは無益かと。」


 緑髪のロングヘアーはエルフの女性である。

 エルフだが、胸は大きい。


「テュナがそう言うなら間違いありませんね。

 すみません。

 つい、カッとなってしまいました。」


「いいのよ。貴女の悲願だものね。」


 テュナというエルフは優しい目でギルドマスターを諭している。


「アリシアも落ち着け。」


 クロエも珍しくアリシアを抑えている。

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