習慣
朝起きたら僕は吸血鬼になっていた。
僕だけじゃない、世界中で次々と人が吸血鬼になっている。
コロナの時と同じく、あの西の大国が吸血鬼病の菌を流出させたのが原因。
救いは、日本を含む幾つかの国々でワクチンの製造に成功しているって事。
ワクチンを摂取する前に感染してしまった人には効果が無く、発病しちゃうんだけどね。
僕もその1人。
一昨日自衛隊の医官と役場の人が家に来て、僕を含む家族全員にワクチンを接種して行ったのに吸血鬼になっちゃったんだから。
吸血鬼になると病気や毒の耐性か得られ、人間だった時より老化のスピードが遅くなって数百年生き続ける事ができる利点があるらしいんだけど、その代わり化け物になってしまう。
吸血鬼になって10日ほどはドラキュラ伯爵のように見た目は人間、だけど人間のような見た目のうちに人間や動物の血を必要量摂取しないと、化け物になる。
その後も見た目が人間のままていたければ、血を摂取し続けなければならない。
化け物になると血を求めて人間や動物を襲うだけでなく、共食いを始めるんだ。
それで利点もあるんだけど欠点もある。
太陽光って言うか紫外線に当たると灰になるって奴ね。
吸血鬼病で吸血鬼になった人は紫外線過敏症になっちゃうんだ、だから太陽光だけで無くスマホのブルーライトを浴びても灰になる。
まぁ灰になっても意識はあって、人や動物の生き血を浴びると復活できるんだけど。
チリリン! チリリン! チリリン!
『あ、電話だ』
僕は何時ものようにスマホを手に取り電話に出ようとして、燃え上がり灰になった。
ベッドの上で灰になった僕は床に落ちたスマホの画面を見る。
ママからの電話だった。
吸血鬼になった人は紫外線過敏症でブルーライトを浴びても灰になる。
だから皆んな朝起きて最初にするのは、家族や友人知人に電話を掛ける事。
何時もの習慣でスマホに着信があると吸血鬼になっていても出ちゃうから。
発病してなければ電話に出て、吸血鬼になってたらブルーライトを浴びて灰になるんだ、僕のようにね。




