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Become Monster Online~ゲームで強くなるために異世界で進化素材を集めることにした~  作者: 亜掛千夜
第一章

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第十四話 毒の洞窟

 一度三町に戻り準備を整えてから、さっそくブラットはパンダこと『ランラン』と一時的にパーティを組み、件の洞窟に向かい出した。



「ねぇ、ブラット。あんた有名人なの?」

「なんだよ、藪から棒に」

「だってさぁ」



 そう言ってランランが振り返ると、ブラット目当てに集まったギャラリーが遠目にワラワラと群がっているのが見えた。



「ゆうて私だって錬金術を齧ったことのあるプレイヤーなら大体知ってる~くらいの知名度はあるつもりだけど、さすがにあんな大昔の動物園のパンダみたいになったことは一度だってないよ」

「パンダに言われると違和感はんぱないな」

「そりゃどーも。んで、実際はどーなのさ?」

「モドキさん、とかで検索してみればすぐに出てくると思うぞ」

「もどきさん? ん~……」



 ランランはBMO内のシステムツールを起動して、ログインしたまま外部ネットに繋ぐ。そしてそこでようやくブラットが何故こうも注目されているのかに行きついた。



「へぇ~、そういうことかぁ。んじゃあ、スッキリしたところで、とりあえずあのギャラリーをくとしましょうかね」

「予想以上にタンパクな反応だな。もっと何かリアクションがあるのかと思ってた」

「だって私、他人のプレイになんて興味ないし。私は私のゲームがしたくてプレイしてるわけだし~」

「なるほど。でもそっちの方が俺もやりやすいや」



 ネットのニュースにまでなったところで、興味のない人だっている。

 誰もが誰も自分に関心を持っているなんて自意識過剰すぎたとブラットが反省していると、ランランがおもむろに薬瓶とジュース瓶の二つを渡してきた。



「これ飲んだら、私たちが会った場所まで全力ダッシュね~。透明薬の効果は短いから」

「透明薬!? そんなのあったのか」

「とあるモンスター用の毒を作ろうと色々試してたら、偶然できちゃったんだよね~」

「偶然でも凄すぎる……。これは大々的に発表とかは……?」

「してないよ。これがあるって知ってるのは、私とそれなりにやり取りがあるごく一部のプレイヤーだけ。

 でも別にこれは隠してるわけじゃないし、知られても別にって感じだから気軽に使っちゃってよ。

 ぶっちゃけ見た目がほんの少しの間だけ透明になるってだけだから、モンスターもプレイヤーも見破れる手段なんて沢山あるしね。

 それともう一本のジュースは、エナドリね。走ってスタミナ切れたらあれだし念のため渡しとく。

 必要なら飲んじゃって、いらないならポケットにいれてもいいよ」



 そう言いながらランランは自分用の透明薬と、スタミナを一時的に増幅するエナジードリンクを手に持った。



「それじゃあ、れっつごー」

「ちょっ──」



 そして勝手に合図を出すとエナドリを一気に飲み干し、透明薬を飲んで姿を消す。慌ててブラットも二本飲み干し、待ち合わせ場所へと駆けていった。



「見つかる前にちゃっちゃと行くよ。私の後についてきて」

「分かった」



 透明薬は本当に数分もせずに切れてしまったが、全力で走ったのでギャラリーは撒けていた。

 だが大して距離を稼げているわけでもないので、さくさく先へと進んでいく。すると微妙に森の景色がズレたように感じた。

 それと同時に少し離れた場所に、先ほどまでなかったはずの洞窟の入り口が視界に入る。



「よし、入った。もうゆっくりでも大丈夫だよ」

「フィールドが変わった? 特定の条件を満たすことで入れるってのは、こういうことか」

「そうそう。その条件は私がくろ~~~して満たしたから大丈夫。

 さて、それじゃあミーティングといこうか」

「よし来た。オレは何をすればいい?」

「ここはね、とにかくモンスターがたくさん出てくるんだ。

 私の薬品にも限りがあるし、戦闘職は一切持ってない私のステータスは戦いにおいてはあまりにも無力だった。

 だから私は後ろで回復と補助に徹するから、死なない程度に前衛で暴れてちょうだいな」



 勝利条件はランランが洞窟の最奥に辿り着いて、目的のものを手にすること。

 それまでブラットは盾となって守ればいいという単純明快な作戦だった。



「私が行った所までだと、アイスリザードが一番脅威だったから気を付けてね。全攻撃に凍傷ダメ持ちだから。

 あとはポイズンフロッグが強毒液吐いてくるから要注意。OK?」

「OK。トカゲとカエルには気を付ける」



 よくよく考えれば、はじめてのパーティプレイ。それも完全に諦めていた未だ前人未踏の地の探索。

 ブラットは隠し切れない高揚感のままに洞窟へと足を踏み入れた。


 少し冷たくザラザラした岩肌の感覚が、ブラットの足の肉球に伝わってくる。入り口付近はまだ明るいが、奥の方は明かり無しでは探索は難しいほどに暗い。

 そこでランランが用意していた試験管の中身を、自身とブラットに振り掛けた。すると双方の半径五メートルほどの範囲で、眩しくない程度にキラキラとした光の粒子が飛び散った。

 動画では見たことがあったが自分で使うのは、はじめてだとブラットは光の粒子に視線が奪われる。



「光鱗液を使ったのは、はじめて?」

「ああ。名前は知ってたけど使ったのは、はじめてだ」

「そうなんだぁ~。おっと、さっそく光に釣られたスライムとゴブのお出ましだよ~。サポートはいるかな?」

「あのくらいなら──いらない!」



 水系魔法を使ってくるブルースライムに、ノーマルなゴブリンが徒党を組んでやってくるのが視界に入る。

 スライムは後ろからウォーターボールを放ち、ゴブリンは手に持ったちゃちな棍棒を手に特攻をかましてきた。

 ウォーターボールは弾速が遅いので慌てず避けて、ゴブリンは手を振り上げている間に蹴り殺す。これだけであっという間にスライムだけになる。

 そしてスライムは移動速度も遅く前衛を失った今、もはやまと同然。踏み潰すように蹴散らして、一戦目は危なげなく完勝した。



「お疲れー。でも次きたよ~」

「ほんとに数が多いんだな」

「それに奥に行くほどモンスターも強くなってくから、ペース配分はしといてね。ってことでサポートは?」

「まだいらない」

「ここで薬品節約できるのはありがたいね。前は、それでやられちゃったから。んじゃあ、がんばれー」



 やってくるのは、ここにくるまでに戦っていたモンスターよりも格下ばかり。数は多いが今のブラットの敵ではない。

 一対多の戦いの練習だとばかりに、できるだけ攻撃を受けないように立ちまわりながら進んでいく。

 そうしていくとミニチュアセンティピードという名前を持ちながら三〇センチほどもあるムカデや、ポイズンバットなど微毒持ちの雑魚モンスターが混じりはじめ、さらに進めばその強さも毒性も増していく。



「なんかここ、毒持ちが多くないかっ!?」

「だって〝私〟みたいなのの専用フィールドだし。そりゃ、毒持ちが多くなるよ。

 毒持ちは大抵大なり小なり耐性をもってるから、毒主体の戦闘じゃ苦戦するだろうしね」



 おそらく毒を扱える錬金術師にとってなにかしら重要なイベント地点なのだとしたら、確かに簡単にクリアできるようではゲームとして面白くない。

 そういうことかと納得しながら、ブラットはレッサーポイズンスネークの噛みつき動作に合わせたカウンター蹴りを頭部側面に叩き込み、目に見える範囲でのモンスターを一掃し終えた。



「というかさぁ、あれだけの数に突っ込んでいって、全部プレイヤースキルだけで躱すとか、ブラットの中身って現役の忍者か何かなの?」

「いや、忍者て。これくらいモドキから一次進化ができたやつなら、誰でもできると思うぞ」

「ってことは、誰でもできないやつってことね。

 けどせっかく、いつ毒になってもいいように解毒剤持って待機してたのに、やりがいないったら」

「いうてまだ奥がありそうだし、できるだけ消耗品は温存しておいた方がいいだろ」

「まぁねぇ」



 などとそんな会話ができるくらいには余裕をもって進んでいると、やがて広く開けた場所に行きついた。



「おっ、セーフティエリアだ。少し休んでいけそうだな」



 二人は地べたに少し離れて向かい合うように座り、空腹値を癒すべく軽食を食べながら一息ついた。



「前はここまですら来られなかったんだけど、今回はずいぶんとあっさりこられたもんだ。助かるよ、ブラット」

「なぁに、優秀な錬金術師の協力がこれから得られるようになると思えば安いもんさ」

「あんまりあれしろこれしろって言ってこない限りは、ほどほどに力を貸してあげるよ。

 でもさ、ここまでの戦い方を見る限り、君は毒とか搦め手を使って戦うようなタイプじゃないと思うんだけど。

 そりゃ私も別に毒以外の薬品だって作れるけどさ、これだけ熱心にやってくれるってことは、やっぱり私の毒が目当てなんだよね?」

「ああ、毒耐性すら貫通する強力な毒が欲しい」

「理由は聞いたらダメな感じ?」

「別にいいよ。言ったところでどうなるわけでもないしね。実は──」



 ブラットはランランにモドキの進化条件について話して聞かせた。

 もちろん異世界なんて話は本人もまだ信じきれていないので、別サーバーに用意されたBMOとは法則の違うゲーム世界での進化素材集めとして。



「うへぇ……、そこで一回死んだらもう二度とそこに行けず、進化も永久にできなくなるとか鬼畜すぎぃ」

「だろ。だからこそオレはそっちでは毒だろうが搦め手だろうが、確実に生き残った上で勝つ手段を取ろうって思ったんだ」

「確かにね。毒状態にかけられれば戦闘時間も短縮されるし、行動が鈍るやつだってけっこういる。

 ワンデスゲームオーバーなワールドに挑むなら、そのくらい用意しておいて当然ってくらいか」

「そっちのワールド──零世界の現地人NPCに交渉して支援してもらうこともできるらしいけど、どこまで役に立ってくれるかも不明だしな」

「けどまぁ、どんな毒がより効果的になるかはモンスターそれぞれ違ってくるからね。

 どんなモンスターと戦うのか事前に教えてもらう必要はあるから、そこだけは覚えておいて」



 同じ毒でもスライムによりよく効く毒、ゴブリンによりよく効く毒。さらにスライムの中でも、ウォータースライムとファイヤースライムでも、ランランクラスにもなれば毒の配合割合によって効果量も大幅に変わってくる。

 なので毒を依頼するにしても、最低限どの種類に分類されるモンスターなのかは事前に知っておいたほうが、より効果の高い毒を提供することができるのだ。



「もしかして全モンスターごと、それぞれに適した毒があるのか? このゲームには」

「そうだよ~。私のBMOでの目標は、最終的にそれぞれに最適化された毒を作る。もしくはそれすら超越した、どんなモンスターにも最適化された至高の毒を作る──ことだからね。

 新しい素材が入ったらそれを使って、どのモンスターに使うのが一番効果的なのか頭を悩ませるのがたまらなく面白いんだよ」



 一ミリグラム配合が違うだけで、まったく違う効果量の毒ができたりするので、その配合率を毎日飽きもせずにランランは考えるのが好きだという。

 その話を聞いて余計に、ブラットは自分は絶対に生産職には向いていないなと改めて実感した。


 自分で持ってきた携帯食料を食べて空腹値も全快にしたところで、攻略を再開しはじめる。

 セーフティエリアを抜けてからは、またモンスターの強さが高くなってきた。

 敵の数や手数も増えてきたことにより、次第にブラットも被ダメが抑えられなくなって自己回復能力と拮抗。やがてはそれさえ上回るダメージを負うようになり、その時点でランランの後方支援を受け入れた。


 だがそれだけの敵たちに揉まれることで、種族レベルとスキルにこそ変動はないものの、モドキのデメリットを受けない職業レベルとスキルの方はグングンと成長を見せていた。


 職業:下級合成獣

 【自己再生2】【肉質操作1→2】【捕食回復1→2】 

 【部位伸縮1】【種族増強1】【しっぺ返し】

 【自傷攻撃】【コンボ1】【闘争本能1】


 職業:見習い→下級魔刃師

 【魔刃1→2】【曲刃】【波刃】

 【扇刃】【のこぎり刃】【輪刃】


 さすがに見習い職は必要経験値も少ないので、すぐにマックスになり魔刃も上の職へとRPを『-3』消費して移行した。



「いったん下がって!」

「あと三体だけオレがやるっ」



 魔刃2になったことで刀身が伸びた魔法の【曲刃】を、前方から接近中の岩蜥蜴ロックリザードと呼ばれる、物理に硬く魔法に弱い大型トカゲの首に引っ掛け、そのままバックステップで大ダメージを与える。

 左側面からくる洞窟飛蝗ケーブグラスホッパーと呼ばれる30センチのバッタの体当たりをひらりと躱し、【しっぺ返し】が乗ったカウンター蹴りをお見舞い。

 躱した先で待ち構えていたかのようにいたインプと呼ばれる小型悪魔のフォークで貫かれてしまったが、それに耐えて顔面に右ストレートと左の手刀で地面に叩き落としてから、ランランの指示通り走って後ろに下がる。


 何かの液体がばらまかれたような地面に触らないように飛び越え、ランランの横に並び立つ。



「そーれ!」



 ブラットが下がったのを確認すると同時に、彼女はただの水の入った容器をその液体にぶちまけた。

 するとジジジッ──と焦げ臭い香りとともに小さな音がブラットの耳に届いたかと思えば、追ってきたモンスターたちがその液体を気にせず無遠慮に音を立てて踏みつけた──瞬間、一瞬で液体がグツグツと真っ赤に染まり勢いよく火柱が上がる。

 火の柱……というより、もはや火の壁に飲み込まれたモンスターたちは一斉に燃え上がり、後ろに下がろうにも後続のモンスターが邪魔で下がれず、それどころかドミノのようになだれ込んでさらに被害は広がっていく。



「燃えろ燃えろ~♪」

「えげつない薬品だなぁ……」

「こんなのゲームじゃないと洞窟では使えないけどね~」



 水をかけた後、一定の衝撃が加わると火柱が上がる薬品『フレイムピラー』。作成難易度は高く量産しづらいものの、その元となる素材は威力の割にはお手頃なものでできることで知られる。


 数秒燃え盛った後に薬品の効果が消え、火柱が収まると生き残ったモンスターたちが再び動き出す。

 しかし生き残りも大なり小なりダメージを負い、場合によっては〝火傷〟の状態異常にかかってもいたので、苦労なくブラットが暴れて倒し尽くした。



「あとどれくらい続くんだろう。けっこう進んできたと思うんだけど」

「私の所持品も地味に消耗してきたから、そろそろ終わってほしーんだけどねぇ──と、またセーフティエリアだね」

「また? 二回目だぞ? ……まだ先は長いってことか?」

「もしくはこの先、ボス戦だったり──なんてこともあるかもね」

「なるほど……最奥に構えるボスを倒して報酬ゲットは、いかにもだしな。ここで入念に準備していこう」

「はいよ~」



 このような場所でのセーフティエリアは、入り口と出口の中間あたりに一つだけ用意されている場合がほとんどだ。

 けれどそれ以外にボス戦や重要イベントが後に控えていたりすると、その手前にいかにも『ここで準備してください』と言わんばかりに用意されていることもある。



「じゃあ念を入れてこれ食べてよ。バフ付きの料理だよ」

「いいのか?」

「ここまで来たらきっちりとクリアしておきたいし、投資みたいなもんだよ」



 渡されたのは大きなピザ。こんがり焼けたベーコンにトロトロのチーズが厚く乗った熱々の。

 暴れまわったせいで空腹値がかなり減っていたブラットは、その匂いに抗えず受け取った。



「それに私はこう見えても稼いでるからねぇ。これくらい大した痛手じゃありゃしませんことよ」

「それはそれは剛毅なこって──て、おいしっ!? 考えてみればBMOでまともな食事とったのはじめてかも」

「…………あのさ、嫌だったら答えなくてもいいんだけど~、君、中身女の子?」

「──ゴフッ!? ゴホッ──ゴホッ な、なんで!?」



 突然核心をつかれて驚き、バーチャルなのにむせるという器用な真似をするブラット。



「いや、今の反応やしぐさ、まるっきり女の子だったし。

 そもそも、ふとした仕草が男っぽくなかったんだよね。だからそうなのかなぁ~って思ってたの」

「……そんなに分かりやすかった?」

「あ~……ごめん。そういうの隠したい子だったのね。

 このゲーム性別が違うなんて珍しくないから、気軽に聞いちゃったよ。

 私だって男でやろうかなって最初迷ったし」

「その結果がパンダ?」

「そ、かわいいっしょ? んで、分かりやすかったってのは、どうだろね。

 よく見てる人なら、ん?って思うところはあっただろうけど、それは私が職業柄いろんな人を見てるからってだけかもしんないし」

「職業柄?」

「そ、私の職業は警察官~」

「うそ!?」

「うそ~」

「うそかいっ」

「ほんとかも?」

「どっちなのさ……」

「こんなところで言うわけないでしょ。私はパンダの錬金術師。ここではそれが全てなんだから。

 そして、あなたは男の子のブラットくん。もうこれ以上は、このことには触れないから安心して」

「ん……、ありがとう。まぁ別に性別隠してる理由は大したことないから、ばれたならばれたでいいんだけどね。

 どっちみち今はボッチプレイだし」

「そうなんだ。とはいえ隠したいなら、もう少し動きを気にしたほうが良いかもね~。

 昔のゲームと違って、こっちじゃ素の動きがそのまま反映されちゃうんだから」

「ああ、これからその辺も気にしてみることにするよ」



 別にここでその〝大したことない〟理由について語ってもいいくらいだったのだが、それ以上ランランから聞かれることはなかったのでブラットは大人しくピザを全て平らげる。

 空腹値はもちろんのこと、自分の状態を確認してみれば【満腹維持】【AT(攻撃力)上昇】【MAT(魔法攻撃力)上昇】が、次の戦闘行動を起こしてから数分間だけ適応されると記載されていた。


 【満腹維持】は効果発動時に空腹値がマックスの状態であれば、しばらく満腹状態を維持し続けるというもの。

 満腹状態であれば少しだけスタミナ消費が減るので、前衛で暴れるブラットにとっては満腹維持もなかなかにありがたいバフだ。


 ここまでの戦利品を入れたカバンの整理をしながら、手持ちスロットにランランから貰った性能のいい回復ポーションを数種セット。

 その他もろもろ準備をぱっぱと済ませると、先を目指して二人は立ち上がるのであった。

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