夜
そう、まるでお父様といるかのような……って、ちがーう!
私が親。アルバートが子供。お父様みたいって思ったら、私が子供じゃないの、違う、そうじゃない。そうじゃないけど、うん。やっぱりあれよ。
家族といる空気感みたいなのがね、アルバートとなら作り出せそうと……。
ルイードがいた時とは全然違うもの。いろいろと。
そう、メアリーや他の侍女たちも。こう、リラックスできていると言うか……。
自然な感じなの。まだ、2日目のアルバートに対して。本当に自然に接している。
ルイードなんて何度も何度も押しかけてくるけれど、いまだにメアリーをはじめみんなにはひどく緊張感があって、落ち着かないのよね。まぁ、仕方がないといえば仕方がないんだけれど。王弟殿下だから。失礼があってはいけないわけだし。
それにしてもねぇ……。
夜になるとアルバートに話をして聞かせる。
いつの間にか眠ってしまうことが1週間ほど続き、そのたびにいつも自分の部屋に寝かされている。
……どう考えても、アルバートが寝てしまった私を運んでくれているに違いない。
実に、実に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。朝は起きるといつも自己嫌悪だ……。
「ハンナー!ねぇ、ハンナ!子供と一緒のベットで寝るのっておかしなことかしら?」
ハンナが首をかしげる。
「んー、そうですわねぇ。私自身は母とは大人になっても時々一緒に寝ていましたね。息子たちは……そうですねぇ、思春期になるとどうしても母親と一緒にというのは嫌がるんじゃないかとは思うのですが……」
そうか。
思春期は、アルバートは過ぎてるわよね。
もしかして、私をベットに運ぶのは、一緒に寝るのが嫌だからなのね……。
これは、さらに申し訳ない。
そうだ、アルバートの部屋でなく、私の部屋で話をするようにすれば、私が寝てしまった後、アルバートは私を運ぶ必要がなくて、自分の部屋に戻るだけだから楽になるのでは?
って、まって、私、先に寝ちゃうこと前提の考えしていることがおかしいのよね?
でも、つい、アルバートと一緒にいると、こう、気持ちが緩くなって、安心してふわりと眠気が……。
ん?
眠気が襲って来たときに、じゃあ今日はここまでって言って戻ればいいのよね?
……でも、つい、まだアルバートと一緒にいたくなってしまって……。
うーん、やっぱり、私の部屋で話をするようにしたらいいのかしら?
それとも、眠ったらセバスにでも連絡して運んでもらうようにする?……いや、セバスもメアリーも、そこそこいい年なんだし。夜遅くまで仕事をさせるわけにはいかないわ。
うーん。
これはやっぱり、私の部屋で話をすることにして、眠気が襲ってきたら今日はここまでという努力をして、それからえーっと。
少し間が空いてしまいました。
ごきげんよう。ご覧いただきありがとうございます!
予定を変更して、急転直下ラストスパートかけます。
予定だと、リーリア様のアルバートの実家の領地改革が間に入る予定でした。
貧乏な理由(悪いやつらに食い物にされてた、それを見破り解決する)をなくして子爵家を助け、
ルイードの邪魔からの苦境(ルイードの親衛隊見習いとしてアルバートを抜擢して振り回す、海外視察に行って事件に巻き込まれ生死不明)を乗り越え、
二人はハッピーエンド……
この予定でしたが、いろんな事情により。とりあえず二人がさっさとくっついて終わり方向に舵を切ります。というわけで、えーっと、もうしばらくお付き合いください。よろしくー(*'ω'*)




