表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/75

領主の仕事の一つ

 と、感動していたところ、料理長が1ッ歩前に歩み出た。

「リーリア様、アルバート様もおっしゃる通り、パンとお菓子の中間の位置になるこれらの品は画期的でしょう。他にもフルーツケーキのようにドライフルーツをラム酒をたっぷりしみ込ませたものをパンに練りこんで焼いてみたらどうかとか料理人たちも色々とアイデアがあるようです」

 ちらりと料理長が壁際に並んで緊張している料理人に目を向けて私の方を向いた。

「どうか、お菓子っぽいパンということで、菓子パン……特許の出願をお願いできませんでしょうか?」

 特許……か。

 アルバートが目を丸くした。

「レシピに特許を?それじゃぁ、真似して作れないんですか?」

「んー、まぁ、そうねぇ、普通はそうですが、うちは誰もがすぐに真似できるようなレシピの特許料を取って儲けようとは思ってないんですが……。逆にそう思う者たちもいるということは分かりますわよね?」

 アルバートが頷く。

「はい、むしろ、多くの者は特許を出すイコール特許料で儲けようということだと思います」

「そこが問題で……。特許料を払ってまで同じものを作りたいと思わないものだと、作らなくなるでしょう?例えば、この菓子パンたち。いいなぁと思っても特許料がかかるなら作らなくてもいいやと思うと、食の発展が遅れてしまいますわ。だから、公爵家では他の者に特許を取らせないために、特許を取るということなの」

 うまく説明できたかしら?

 俺が先に考えたんだ、真似するなみたいな問題だとか。

 特許を出さずに世に広めて、誰かが勝手に特許をとっちゃって、これからは特許料を払えみたいな問題とか。

 なんかいろいろごちゃごちゃめんどくさいことが世の中にはあるのよね……。

 というわけで、まぁ、ロマルク公爵家が特許を持っているということで、他の者が特許をとれないように押さえて、そのうえで自由に使ってねと。

「……知らないことばかりで……お金のためではなく、守るためにあえて特許を……」

 アルバートがちょっと顔を曇らせる。

「そうね、特許申請しておきましょうか。これらが外部に漏れてから、先にどこかで特許申請されちゃうと、これを苦労して作り出した貴方たちでさえ自由に作れなくなってしまいますものね」

 私の言葉に、料理長は頭を下げた。後ろの料理人も慌てて頭を下げる。

「ありがとうございます!」

「では資料をまとめて置いてもらえる?セバスに詳しいことは聞いて頂戴」

 料理長とセバスが顔を見合わせ小さく頷き合った。


いつもご覧いただきありがとうございます。

甘い雰囲気にならないので、もうっ。

でもさ、どう考えても使用人がバンバンいる中で動けなくない?

このあたり、みんなどう解決してるの?

ねぇ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] マリー・アントワネットさんは、国民(庶民)に「オーストリアではこのお菓子はパン扱いなのよ」と税率が低いパンとして扱うことを提唱したり、国民に沿った人だったそうですね。 入浴という概念をフラン…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ