てしてし
「あのね、行ってきますとアルバートが抱きしめてくれたでしょう?だから、帰ってきたら私が抱きしめてあげようと思ってたの。でも、なんだか、私が子供みたいにアルバートに抱きついてるみたいだなぁと思ったから、ごめんなさい」
と、素直に全部白状すると、アルバートがふっと息を吐きだした。
「子供みたいに……僕に抱きしめられればいいんですよ……」
小さな声で何かをつぶやいているけれど聞き取れなかった。
「来客があったようですが」
アルバートが何事も無かったようにニコリと笑ったから、跪かせてしまったことを何とも思ってないようでホッとする。
「来客?……客っていうか、あれは、客扱いもしたくないわね」
ルイードの顔を思い出して顔をしかめる。
「え?それはどういう……リーリア様にそんな顔をさせるなんて」
「親戚筋の人間で、結婚しろと言いに来たのよ。何度もうるさいんだから」
アルバートがふっと笑う。
「心配せずとも近く問題は解決すると……僕が貴方と……一緒に……」
家族になるのよ!
アルバートも今の言葉は、養子になることを前向きに考えているということなのね!
「……僕が、あなたに子供を……あ、いえ、あーっと……それはその、それが目的ということではなくて」
ん?アルバートが私に子供を?
私の子供になるって言いたかったのかな?
っていうか、やったわ!
やっぱり抱きしめて正解ね!
朝の失態をこれできっと取り戻せたわね!前進よ、前進!
「ああ、ごめんなさい。いつまでも引き留めてしまっては、疲れも取れないわね。部屋に戻ってゆっくりして頂戴。そうだ、おやつを運ばせるわ。何がいいかしら?いつも私は書類仕事の合間には頭が疲れているから甘いものを食べるのだけれど……」
アルバートがニコリとほほ笑む。
「ありがとうございます。リーリア様が僕のために考えて用意してくださったものであればなんだって嬉しいです」
ううう、うちの子嬉しいことを言う。
けれど、なんでもいい……っていわれても、こ、ま、る。
ちょっと少な目です。切れ目が……ここがよかったので。
そろそろアルバート視点を入れようと思って。
(´◉◞౪◟◉)




