表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結婚はあきらめ養子を迎えたら、「お義母様大好き」と溺愛されています  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/75

子供部屋

 そうよ!思いだしたわ!領地のことよ。あの頃は、確か北端にある国境沿いの街の話をしていたような気がするわ。

 隣国との関係も問題ないから、道をつなげて貿易をするかどうか。隣国から商人を受け入れるべきかとか、そんな相談をしていた気がする。

 で、結局、商人を入れる、隣国の人間を行き来させることでスパイや、下手をすると暗殺者などよからぬ者も呼び込む危険があるということで、許可制にして、許可した商人のみ商品のやり取りを国境の館で行うことにしたのよね。

 巨大なマーケット用の建物を設置。出入りの際には身分を確認。

 でもって、もちろん荷物も改めるし、何日も商談にかかる人用に、近隣に宿泊施設を建てたのよね。

 そうしたら、今度は、宿泊している商人たち相手に食事やらなんやら商売をしようとする商人が来るようになり。さらには隣国へ物を売りこみたい商人が許可のある商人に商談を持ちかけるようにもなり。

 なんだか、気が付けば人が集まり、商人の街として北一番の街が出来上がっていた……。

 単に商人を行き来させていたら、ただの通過点だったはずの街が、商人を行き来させなかったことで発展するとか、世の中は面白いわよね。

 と、この話をすれば、アルバートも楽しんでくれるかしら?

 そうしましょう。

 寝る準備がすっかり整う。

 寝間着に、ガウンを羽織り、アルバートの部屋をノックする。

 ああ部屋は、父が使ってた部屋はそのままにしてある。父が使ってた部屋は当主の部屋でもあるんだけれど、夫婦の部屋でもあるから、独身の私が使うにはちょっとサイズ感が合わない……というのは言い訳で。

 あの部屋には父の想い出が多く過ぎて……まだ父が生きているような気持ちにもなるし、逆に父が息を引き取ったときのことを思い出したり……もう、なんていうか……っと、しんみりしちゃった。

 私はずっと使っている自分の部屋。アルバートの部屋はその隣。私が使っている部屋もそうだけれど、先祖代々当主の部屋の隣に子供部屋が並ぶ配置になっているからね。私が使っている子供部屋(もう大人だけれど、当主である父の子供ということで)の隣が、子供になる予定のアルバートの部屋で、なんら不思議はない。まだ正式に養子になると決まったわけではないとはいえ、客間に半年間というのも変でしょ?

「アルバート、もう寝たかしら?」

 もしかしたら、移動や緊張で疲れてすでに寝てしまっているかもと、ドアの外から声をかける。

 実際私も、昨日からちょっと興奮気味で、昨日の夜はあまりよく眠れなかったし、今日もすごく緊張していたし。だって、ハンナがそばにいないんだもの。そりゃ、それだけで緊張も増えるよ。子供なんてはじめて持つんだしっ。

 まぁ、いろいろハンナのアドバイスのおかげで、今のところとってもうまくやれていると思うわ。ふふふ。

 私、親になる才能があるのかも!なんちゃってね。


……うまくやれてる……の?ハンナ先生……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 思いが噛み合って無いのがなかなかですよね!(笑)
[良い点] 面白いです(´▽`*) [気になる点] 続きです(´▽`*) [一言] リーリアさんの貞操とアル君の理性がピンチのような気がするのは私だけだろうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ