夕食の後には
アルバートは驚いた顔を一瞬見せたけれど、すぐにトロンとした目つきをして、口を開け身を乗り出した。
無作法だと思われなくて良かった。
っていうか、どんだけ人参好きなんだろう。週に1度じゃかわいそうかなぁ……。もう少し出してもらう?
でも、人参……。
アルバートが待ちきれなかったのか、私がフォークを持つてをそっと手に包み込み、そのまま自分の口元にフォークを誘導した。
「おいしい」
とろけるような顔を見せるアルバート。
何、うちの子かわいい!キュンキュンする、この気持ちは、母性ね!
美味しい物を食べてこんなにうれしそうな顔をするなんて。
決めたわ!
「セバス、夕飯には毎日……いえ、2日に1度……い、いえ、あー、そう、3、3日に一度人参を……」
四日に一度にすればよかったかな?
と言うと、セバスがにこりと笑って「かしこまりました」と返事をした。
あああああ、やっちまった。でも、私も人の親になるのです。好き嫌いに負けてはいられません。
「アルバートさまにご満足いただけるように、たっぷり用意するよう料理人に伝えましょう」
うぐっ。たくさんの人参……
「リーリア様にはいつもの量でとも忘れずにお伝えいたします」
……セ、セバス……もしかして、私で遊んでない?気のせいよね?セバスは有能だもの。
夕食は、うん。問題なく取れたわよね。
……まぁ、なんか、きがつけば、3日に1度人参生活になってしまったけれど……。料理人には、できるだけ人参っぽくない人参料理を頑張ってもらいたい。人参のケーキだとか、人参の形がないシチューだとか。
あら?それだと、アルバートが悲しむかしら?
「ふ、ふふ」
私ったら。
思わずアルバートが悲しむか喜ぶかを考えるなんて。初日にして、かなり親っぽいんじゃない?
おっと、ダメダメ。セバスにことを性急にすすめてはダメだと言われたばかりだわ。ゆっくり親子になって行けばいいんだ。そうだよね。うん。
と、親子って、でも、夕飯の後は何をするの?
……私、お父様と夕飯の後はどう過ごしていたかしら?
あ、違うな。私は父親じゃなくて母親になるんだもの。母親との過ごし方……。
知らないのよねぇ。だって、お母様は顔を覚えていないくらい小さいころに亡くなっているから。
でも、だ、い、じょ、う、ぶ。
「ハンナァーーーーッ!」
そう、私には強い味方。ハンナママ先輩が付いている!
「お嬢様、どうなさいました?」
「あのね、あ、まずはお礼を言うわ。肉が好きだろうと教えてくれてありがとう、ハンナ。なんかね、肉を見ただけで、こう、ずいぶん興奮した様子で、肉、肉と、口に出しかけていたわ」
思い出して、思わず楽しくなって笑みが漏れる。
いつもありがとうございまぁぁぁす。
えーっと。
また、ハンナに聞きに行くなり。
あ、アルファポリス様でも公開しております。
なるべく、同じ速度で公開するようにしております。
えーっと、こちらとの差分としては「あとがき」が違います。
アルファポリス様はあとがき欄がないので、本文下に
========で区切って入れております。
こちらと同じようなことを言っていることもありますが、全然違うことを書いていることもあります。
でもって、こちらではあとがきを控えた方がよさそうな感じなので(感想をいただいたので)……アルファポリス様で書きたいことは書くようにしていきたいと思います。
と、言うわけで、今後ともよろしくお願いします。
本文にはほぼ差分はなのと、更新速度もせいぜいこうして書き足してる時間に差があるくらいです。
……えーっと、リンクいります?
あ、そういえば、ランキングタグとかつけとけばいいんだっけ?あー、リンク載せといてくれとかご意見あればなんか考えます




