そのころのアルバート君 6
人間関係の構築も何とかしておけるといいなぁ。
いきなり公爵家の養子になれば、落ちぶれ子爵家の4男との扱いに戸惑う輩も出て来るだろう。
どういう経緯で養子として選ばれたのか不思議に思う人間もいるかもしれないが……。
もともと公爵家の血が流れているからということを強調した方がいいかもしれない。
……ん?さっき、セバスは僕に面影がと言っていなかったか?
「セバスさん、先代の公爵様のことを教えていただいてもよろしいですか?」
一番いいのは、先代公爵様の面影、誰が見ても面影がとなれば……。
隠し子なんじゃと誤解されて、そういう経緯かと。愛する奥様を裏切った適な不名誉が先代公爵様にちょっぴり降りかかるけれど。
って、セバスの話によれば、奥様はリーリア様が幼いころに亡くなっているのか。じゃ、裏切りではないな。
世間的には奥様を思って再婚しなかったけれど、男であるから、まぁそう言うこともあるかで済むレベルか。
生まれた子をうちの子爵家に託したとか勝手に妄想してもらう。なくなる時に遺言でも残したんじゃないかと勝手に想像する輩は想像して話を膨らませる。
そうして、大事なのはここだ。
想像した話なのにさも事実のように噂を広めるのが貴族は大好き。
取りあえず、他にもいろいろな人から話を聞くとして。好んでいた服装、オーデコロン、口癖……考え事をしている時の仕草など、分かりやすい情報をゲット。
「なぜ、そのようなことをお聞きになるのですか?」
ギクッ。
「その、養子になった暁には、お義祖父様に当たる方になるわけですよね。周りの方がご存知なのに、義理とはいえ孫である僕が何も知らないのでは、いろいろと……」
「さようでございますか。確かにそうですね。流石はアルバート様です。先の先を見越して準備に余念がないとは。養子として社交の場に顔を出した時のことをすでに考えはじめていらっしゃるのですね。そうだ……」
ふと、何かを思いついたようにセバスが顔を上げる。
「旦那様がご使用になっていたものをいくつか運ばせましょう。ああ、大丈夫です。女性でも使える物や形見として残したい物はすでにリーリア様の手に渡っております。あとは処分して頂戴と言われた品ですから。見知らぬ人に使われるよりも、アルバート様に使われた方がお嬢様も喜ぶでしょう」
服や小物などサイズが問題なさそうな物が次々と運ばれクローゼットに収められていく。
……これを、処分か。うちとは大違いだなぁ。
次回、そのころのアルバート君、気絶から復活パート最終回!
長かったわ。たかが、目を覚ましただけのシーンになぜこんなに……。
アルバート君の心の声が多すぎるのですよ。ちょくちょく熟女を思い出してえへえへするんだもん……。
まぁ、18歳だしねぇ…そんなもん?
ではでは、いつもご覧いただきありがとうございます。
めっちゃおかしなヒーローですが、今後ともよろしく




