そのころのアルバート君5
女公爵としてリーリアマイ天使に、領地を治めてもらいつつ、僕が後を継がなくてもいい方法。
「セバスさん、僕が望めば、リーリア様のお子様に跡目を譲ることも可能ですか?」
セバスが不思議そうな顔をした。
「いえ、お嬢様は結婚は考えてはいらっしゃいませんので……ですから、アルバート様を養子にと」
「ですが、まだリーリア様はお若い。僕の母は、34歳の時に僕を産みました。今後どうなるかはわからないではありませんか?」
「はぁ、まぁ、そうですが。せっかく、次期公爵の座が約束されているのに、アルバート様はそれでよろしいので?」
あはは。言いも何も。
むしろ、望むところで、というか切望!
「ご存知の通り、僕は学生の身で、親衛隊養成学校へ通う間はどちらにしても領主としての勉強はなかなか難しいと思います。その間、2年の間に、状況に変化があれば……それが一番良いのではないかと。後々の禍根を残すこともないでしょうし」
ふと、セバスが嬉しそうな表情を見せた。
「分かりました。お嬢様には、養子を迎えたからと言って、結婚してお世継ぎを設けることも考えてもよいのではと、機会を見てお話いたしましょう。アルバート様、ご配慮いただきありがとうございます。やはり、私が見込んだだけのことはあります」
はい?
えっと、買いかぶりですよ。
「一目、アルバート様の姿を見たときから……ご主人様の面影が……」
え?ご主人様の面影?
リーリア様と僕は確かに髪色は似ているけれど……。いや、お嬢様と呼んでいたからリーリア様のことではないか。
悪いけれど、見込み違い。
配慮したわけじゃない。
確保した2年の間に、リーリア様には結婚して世継ぎを設けてもらう。
……もちろん、僕とね!
僕とね!
これなら、女領主としてリーリア様が領地を守ることで、どこの馬の骨ともわからない僕が素人知識丸出しで領地を治めるよりもロマルク領は安定するだろうし、僕は次期公爵にならなくていいし、リーリア様は結婚して実子に後を継がせることができるし、いいことばかりじゃないか?
最高にいいことと言えば……。
僕が、僕の年上天使と結婚できるってことだ!理想の塊。女神。ああ、マイスィート熟女。
何としても、何としても言いくるめて結婚までもっていく!
領地や領民思いならば、僕が領主になるよりもよい手段があるとかなんとか考えさせるのも手だ。
セバスや他の周りの人はどう考えているのだろう。リーリア様を結婚させたいと思っているのなら味方につける。
うんうん。
あ、僕じゃなくて別の人と結婚させようとするのだけは避けないと。僕がいかにリーリア様にとって必要な人間か示さないといけない。
よし。勉強をもっと頑張ろう。そうだ、隠れて領主の勉強もしておこう。もし、リーリア様が困ったことがあったときにちょっとしたアドバイスができたら、周りの人間もリーリア様との結婚をすすめてくれるかもしれない。
もちろん親衛隊養成学校はそれほど甘いものではないと知っているけれど、大丈夫。僕は昔から、熟女のためならなんだってできる男さ!睡眠を削って勉学に励もう。
すまん、まだ終わらぬ
っていうか、アルバート君、その情熱は別の物にむけられないものかね?www




