そのころのアルバート君4
天使は、能力まで女神級!
っていうか、やっぱり小さいころから叩き込まれないと無理じゃないかな?そう思わない?ねぇ、セバスさん……。
なんで、僕のような年齢の子を養子にしようと思ったの?
「女公爵として、リーリア様はしばらく領地運営を継続いたしますので、その間にリーリア様の手ほどきを受け」
天使からの手ほどき……。
なんと、甘美な言葉。
学校のダンスの授業を思い出す。中等部のころ……ふっくらと柔らかい手をした36歳(未亡人)から直接受けたダンスのレッスン……。
高等部は騎士科に進んだため、教師陣がほとんど男だった時には絶望した。僕の心のオアシス!年上女性はいずこ!と、つい、保健室に大した怪我でもないのに足が向いた。
僕を責めないでくれ。
可愛い女の子を見ると鼻の下をのばす男どもとしょせんは同じ生き物なんだよ。好みの女性を見て鼻の下をのばすくらい許してほしい。
「アルバート様は優秀な方だと聞いています。それに、領主に一番大切な資質を持っております」
「領主に必要な資質?」
そんなものあったかな?
熟女好きくらいしか僕には特徴がない平凡な男だよ?
セバスがニコリと笑った。
「家族や領民のために、自分を犠牲にしてもかまわないと言う、その心です」
ドォォーーーン。
なんだって?家族のため、領民のために、自分を犠牲に?まるっきり記憶にない。
……?
……??
くわっ!あれか!
行き遅れのちょっと問題のあるお金持ち女性から縁談があったら、僕は領民のために喜んで結婚しますみたいな……。
本当は、年上の女性だから喜んで結婚しようとしたんだけれど、そんなの言えるわけもなかったから言い訳してたそれが、まさかの!評価ポイントに!
領民の幸せのことを考えたことなんて……正直……兄が3人もいるから、何があろうと跡を継ぐなんてないだろうしと、むしろ、下手に僕が口出ししてもめても嫌だと、何も考えてこなかったのに……。
そんな僕が、数年勉強しただけでロマルク公爵家を継ぐなんて……。
このまま、リーリア様が領地を治めて行けばいいんじゃないかな?
いや、跡継ぎが欲しかったから僕を養子にしようとしたんだっけ?
じゃぁ、養子になったらあとを継ぐこと決定……的な話も両親は知ってるんだよね。僕が両親を説得して今ココに来てしまっているのに、まさか、今更、ロマルク公爵家なんて継げないから帰ってきたよ。出戻り愚息をどうぞまたよろしくなんて……言えようか(反語)。
というか、支援を受けたものは返さないといけなくなるってことか!無理じゃないのか?
ってことは、腹をくくって、僕はロマルク公爵家に骨をうずめるしか……。
……あ、すごぉくいいこと考えちゃったぞ。
ご覧いただきありがとうございます。
アルバート君のいいこと……(´・ω・`)?
そうだ、もしかして、他の小説と比べてと思っている方がいるかもしれませんので。
文字数、1話分少ないでしょう?
パソコンから閲覧すると本当に少ないんですよね。でもこれをスマホで見ると、これくらいがちょうどいいかな?っていう感じを基準にして更新しております。
(実際携帯小説として有名なサイトでは、自動改行設定が1000文字になっておりますので)
ですが、週1更新3000文字が、週3更新1000文字×3回で3000文字とか、更新頻度と1話のボリュームと、って考えればそれほど少なくもないと思っています。(あ、毎日3000文字更新とかいうバケモノ作家さんと同列には考えないでね、私は凡人なんで)




