そのころのアルバート君 2
そうか、お試し期間か。その間に、その幼女に嫌われる。
相手は公爵家だ。公爵令嬢が嫌といえば、あっさり話は無かったことになるだろう。
「正式にお嬢様の養子になった後、徐々に慣れて、言っていただければ……」
セバスの言葉に、首をかしげる。
「お嬢様の、養子?」
話が見えない。どういうことだ?
「ああ、失礼いたしました。女公爵となられたリーリア様ですが、独身で子供もいないため、私にとってはまだ、お嬢様なのです」
え?あの、話が、本当に、見えない。
独身?子供もいない、誰の話だ?
「半年後、アルバート様が養子として正式にリーリア様のお子様になる頃には、私どもも、リーリア様をお嬢様とお呼びしないようにとは思っているのですが……」
まさか。
「お義母さんと呼んでというのは……」
「リーリアお嬢様も、養子を迎えるにあたってどうしていいのか戸惑っていらっしゃいます。強制しようという意図はありませんので、思いつめずにいただけると」
とりあえず、意識を失うという失態は、無理強いをされることを恐れてということだと思われている?
……なんか、心が弱い軟弱な男だと思われてしまったのでは……。
いや、あの場合は意識を失っても仕方がないと思うんだ。
蕁麻疹が出るどころですめばいいけれど、幼女が妻になった上に理想の女性がいつも近くにいるなんて、地獄じゃないか。心臓がぎゅっと縮上がって死ぬかもしれない、それくらいのことだよ?
まぁ、そんな事情言えるわけもなく、気絶したのを別の理由だと思ってもらえるのは悪いことではないんだけど。
「何かあれば、私にご相談ください。リーリア様には私からそれとなく話しておきますので。大丈夫でございます。話の分からない方ではりません。世間では30歳近くになってまで独身だったというだけで色々と噂されているようですが、父親思いの優しい方です。わがまま放題で好き勝手に振る舞い思い通りにならないことには癇癪を起し逆らう者には容赦しないというようなことは決してありません」
優しい方。
そうか、僕の天使は、優しい女性なのか。ああ、理想の塊は、心まで理想的だと言う話なのか?
って、それより、30歳まで独身。これ、大事な情報。旦那はいないってことだ。
じゃなくて、確認しておかなければ。
「リーリア様には、お子さんは……」
まだぬか喜びはできない。結婚していなくたって子供がいる貴族など死ぬほどいる。隠し子というやつだ。つまり、それなりの仲の相手がいることになる。
まぁ女性の場合は隠しようもないのでそれほど多くはないわけだが。
むしろ、あんなに素敵なのに30歳まで独り身だったというのは、特殊な事情があってのこと……。隠し子がいたという可能性がないわけではない。
誤解が解けました。
解けたんだけど、
けど……続く。
感想ありがとうございます。一日家にこもっていたので、何度も何度もチェックして感想ついてないかなー、わー、感想だ!というのを繰り返しました。
(=゜ω゜)ノありがとうございます。
評価★も嬉しいです。
一応言っておくと、
感想→なろうの感想のこと。ブログ等個人サイトで感想を書かれても探せません。唯一探せるのは、タイトル入れたうえで、ツイッターで書いていただくと時々見つけます。
評価→広告のさらに下に☆を1つから5つで評価するやつ。Amazo〇とか色々なサイトでありますが、なろうの場合は★1で評価したとしても、後から★3とか変更可能ですので、とりあえず1、とか期待値で4とか完結後にアンハッピーエンドになったから★1に落とすとかなんでもありです。
レビュー→これもなろうでのレビュー……めったにもらえないので、もらったら飛び上がって喜んでとりあえずツイッターで「レビュー貰いました!」はたぶんなろう作家の定番……
ブクマ→なろうにログインしている状態で、小説の「ブックマークに追加」でのブックマーク。ブラウザ機能のものとは別のやつのことです。目次でブクマ追加するのと途中の話数で追加するのとじゃ、しおりが挟まれるかどうかの差があるよ。




