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新人・周防未来
「すおうみらいと申します。よろしくお願いします」
彼女はそう言って頭を下げた。何だよ、研修評価はイマイチだったけれど、ハキハキとした女子じゃん。俺は素直にそう思った。
キリリとした意志の強そうな顔つき。痩せすぎず太りすぎずの体型。なんとなく、やってくれそうな雰囲気を醸し出していた。何より彼女の出身大学がすごい。なんと、東大卒だ。
わが社はいわゆる二流どころの企業ではあるけれど、意外と高学歴が多い。東大、京大、一橋大卒、という超有名大学卒が数名いる他、地方の国立大学の出身というものも多い。そんな中で、俺はというと、関西の私立大学の卒業だ。入社して最初に配属された部署の課長が九州大学を卒業していて、その課長に、
「キミ、私立大なんだ。親不孝者だね」
と言われたのを思い出した。今、それを言えば、完璧にコンプラ違反だよね。
話を元に戻す。
早速俺は、係長である尾関に、社内のオリエンテーションを任せた。彼は、待ってましたとばかりに元気よく返事をした。お前さん、手ぇ出すんじゃないよと、俺は心の中でツッコミを入れたが、それはすぐに杞憂に終わった……。




