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第48話 ありがとう、さよなら

七海「これから、きっと、みんなとだけ過ごせる時間が減ると思う。それは、きっといいこと。だから、いま、このメンバーだけで、パジャマパーティをしておきたいの」


 医学研究会の部室で、たまたま2年生、5人だけの時間があった。そのチャンスを逃すことなく、七海(ななみ)が、この5人での、お泊まり会を提案した。


 御影(みかげ)夢咲(ゆめか)美月(みつき)、カイオの4人は、七海が「なんらかの提案をする機会」を(うかが)っていることは、感じ取っていた。その提案とは、お泊り会、パジャマパーティだった。


七海「なんで、お泊まりが必要か。論文によれば、まず、夜は『正直な自分語り』がしやすい(※1)。夜を共にすると、『孤独感』が減る(※2)。夜は、『悩み、夢、恋愛』について話しやすくなる(※3)から」


 七海は、孤独を感じている。みんなに、このタイミングで、悩み、夢、恋愛について、正直な自分語りをしておきたい。さもないと、後悔する。そう、七海は、みんなに伝えている。


七海「だから、いま、みんなと夜を共にする必要があるの」


 少しの沈黙。


夢咲「もう、高校生活も半分過ぎるんだもんな」


カイオ「高校卒業したら、みんな、バラバラだろうしね」


御影「受験勉強の本格化を考えると、実質的に、高校生活は、もう半分も残ってない」


美月「寂しいな。うん。だから、今のうちに、思い出、作っておきたいよね」


七海「みんな、私のわがままに付き合ってくれて、ありがとう。日程調整、しよ」



 ある土曜日の夜。


 七海たちの家に、5人がそろう。家には、美香も七海母もいる。しかし、美香と七海母は、今日が「5人にとって、とても重要な日」であると感じ取っている。遠慮して、5人の輪には、あまり入ってこない。


——やるからには、必死であれ


 夕食を終え、みんなで銭湯に行き、存分に笑い、そしてパジャマに着替えた。


 普段は、七海と御影は、自室のベッドで寝ている。しかし今回は、机が移動されたリビングに、5つの布団が準備されている。


七海「写真部の人に、ドローン、借りてきた。みんな、一旦、布団に横になって」


 七海は、慣れない手つきで、室内でドローンを飛ばす。


 ドローンは、上から、布団に横たわるパジャマ姿の5人を撮影した。きっと、この人生で、もう二度と撮影することのない写真になる。七海(ななみ)の思いが、みんなに伝わる。


 七海が、本題に入る。


七海「私は、みんなに感謝してるの。みんなに出会えて、よかった。みんながいてくれて、よかった」


夢咲「うん」


 夢咲(ゆめか)だけが、ギリギリ、発声できた。夢咲以外のみんなは、声が出せない。七海がこれから伝えようとすることは、きっと、それぞれの人生にとって、とても重要なことになる。それが、わかったから。


七海「だから……私は、みんなへの依存を、突破しないといけない」


七海「私は、みんなも、お互いへの依存を突破するべきだと思う」


七海「私たちは、近い将来、バラバラに、別々の道を歩むことになる。『運命』によって引き裂かれる前に、『自分たちの意思』で、バラバラになるべきだと思ってるの」


——やるからには、必死であれ


七海「それは、別れるとか、もう付き合わないとか、友だちをやめるとか、そういうことじゃないよ。むしろ、これまで以上に、みんなと仲良くしたい」


七海「でもね。みんなと仲良くすることが目的じゃない。みんなが、それぞれに幸せになることが目的。その目的のためなら、仲良くいることは、場合によっては犠牲にされるべきだって思う」


七海「仲良くいるために、美月(みつき)(れん)くんとの対話を避けてた。それで美月は、数学の才能を封印してた。夢咲(ゆめか)は、今も本当の魅力を隠してる。本当は、ものすごく可愛い夢咲。カイオくんは、いつも無理してる。カイオくんは、自分で自分がみえなくなってる。そして蓮くんは、私のために、人生の全てを捧げようとしてくれてる」


七海「みんなが、みんなに与えられてる才能を最大限に発揮して、自由に羽ばたく。その先では、私自身も含めて、みんなには、私たち5人とは別の、『新しい仲間』もできる。その時、私たちは、私たちの知らない誰かが、みんなにとって大切であることに嫉妬しちゃいけないんだと思う」


七海「お互いが、お互いのブレーキになってるの。それ、みんな、わかるよね」


——やるからには、必死であれ


七海「ここまでは、かっこいい、べき論ね。いわゆる空中戦」


七海「ここからは、地上戦。私たちは、お互いへの嫉妬とか不安とか、どうしようもなく人間的な感情に、もっと配慮する必要があると思う。嫉妬すべきじゃないっていうのが、そもそも無理」


七海「だって、嫉妬するもん。不安になるんだもん」


七海「お互いの幸せを、自分の幸せにする。みんなとは、自他の境界線を超えたい。そのために、お互いにお互いの嫉妬と不安に配慮して、それを最小化する」


七海「お互いに、お互いを嫉妬させないように、不安にさせないようにする」


七海「たとえば。蓮くんと美月のふたりだけで、数理研究をするのをやめてほしい。誰か、数学のできる他の人も入れて、3人以上で、研究をしてほしい。じゃないと、私、嫉妬で気が狂っちゃうよ」


夢咲「もう、狂っとるがな。あんたは」


美月「自分が正常だと思ってるの?」


 みんな笑う。


七海「蓮くんは、カッコつけるのをやめてほしい。テレるのは、もっとダメ。ハグとか、手を握るとか、テレずに、蓮くんからもきて欲しい。ちゃんと、私を求めてほしい。そういう行為が、嫉妬と不安を減らすって論文(※4)もあるんだよ?」


七海「蓮くんは、お母さんたちともちゃんと話して、毎日、私と同じベッドで寝られるよう、強く要求してほしい。冷静で誠実なのも、むしろ、私には苦痛になってる。手を出さないのは、誠実さとは違う。避妊すれば、いいよね? 私たち、夫婦なんだよ?」


七海「夢咲は、特に、蓮くんとカイオくんには、魅力を隠してる。でも夢咲には、ほんとうの自分を解放しても友だちのままでいられる男性が必要だと思う。だから、蓮くん、カイオくん、耐えて欲しい。魅力を感じちゃうのは、本能だろうし、仕方ない。許す。でも、それに耐える約束をして欲しい」


七海「伝わるかな? 私たちは、いずれ、バラバラになる。そうなっても大丈夫なように、ちゃんと考えて、準備しておきたいの」


七海「なぜなら、私にとって、みんなが本当に大切だから。みんなのこと、私自身だって、感じるから……違うな。みんなのこと、私自身だって、感じたいから。それに、協力してほしい」


七海「そうしてもらえないと、私、孤独で死んじゃう」



——やるからには、必死であれ


夢咲「じゃあ、私から言わせてもらう」


七海「こういうの、いつも、夢咲からだね」


 みんな、笑う。


七海「夢咲の、すごいところ。みんな、知ってるよ」


夢咲「ありがと」


七海「そう思うでしょ? 蓮キュン?」


 みんな、笑う。しばし、沈黙。


夢咲「私は、本当は、性的な意味で、七海のことが好き。バイト先の社員さんが好きっていうの、あれ、ウソなの」


夢咲「世間的には、バイセクシャルって言うんだと思う」


夢咲「いや、だからって、蓮と七海の関係を壊したいとは思ってない。理解されないかもだけど、恋愛を成就させて、結婚したいっていう願望が、私にはないんだ」


夢咲「でもね。どういうわけか、私と付き合いたいっていう人が、まあまあ、いる。本当に、みんなには言えてないけど、男女限らず、まあまあ告白される」


夢咲「わかる? 勝手に私のこと、好きになって。みんなが告白してくる。告白するって、勇気がいる、大変なことだってわかる。だから、個別にちゃんと対応したい。でも、それだけで、気力も残らない」


 沈黙。


夢咲「あ、私の口調。しゃべりかたなんだけどさ。これ、無理してるわけじゃないよ。元気モード、乙女モードは、ほんとは、演技してるわけじゃない。辛くない。元気モードも、乙女モードも、どちらも、ほんとの私なんだ」


 沈黙。


夢咲「多重人格じゃない。こういうの『分人(ぶんじん)』っていうんだ。ほんとうは全然、おかしなことじゃない。平野啓一郎の小説、『空白を満たしなさい』を、みんなには、読んでほしい」


カイオ「あれ? 夢咲さん、読書しないって言ってなかった?」


夢咲「モードによる。ウソついてたわけじゃない」


七海「絶対、読む」


夢咲「うん」


 沈黙。


夢咲「本当に好きなのは、七海。これが、叶わない恋。でも、不幸じゃない。そういうの、わかってくれる人がいてほしいとも思わない。私は、七海のこと、好き」


夢咲「これで、七海が、私のこと避けたりしないって、知ってる。でも、こわかった」


夢咲「これ、告白でしょ? 告白しちゃったら、これまでの関係が壊れるって思うよね? 七海が、そういう人じゃないって知ってる。でも、本能がやばい、やめとけっていってた」


夢咲「だけど、みんながバラバラになる前に、ちゃんと言っておきたい。私も、みんなが幸せになることを、真剣に願いたい。みんなの幸せと、私の幸せを同じくらい大切にしたい」


夢咲「サッカー部の長谷川くんと、付き合うことになるかもしれない。長谷川くんじゃなくても、いつか、七海ではない、他の誰かと付き合うことになる」


夢咲「そういう私のこと、不幸だって思ってほしくない。私なりに、自分の幸せを考えてる。その選択がいかなるものだったとしても、みんなには、ずっと、友だちでいてほしい」


夢咲「理解してもらえなくていい。ただ、ずっと友だちでいてほしい」


 夢咲に抱きつく七海と美月。


夢咲「七海。あんた、私があんたのこと、性的な意味で好きだって、知ってたでしょ? きっと、同類だしね」


七海「うん。知ってた気がする。ずっと、嬉しかった。でも、私は、ずっと蓮くんだけのものだよ」


夢咲「わーってるって。あんたは、私の、妄想の中だけの彼女。それ『で』いいんじゃないよ? それ『が』いいんだ」



——やるからには、必死であれ


カイオ「しゃべるね。ごめんね、みんな眠いよね、もう」


カイオ「ええと。七海さんが指摘した通り、僕は、そもそも自分がない。身長195cm、外人顔で友だちがたくさんいる、人気者。でも、本当はそうじゃない。どこに行ってもよそ者。何をやっても外人」


カイオ「そういうのが長くなると、他人に期待しなくなる。もちろん、自分にも期待しない。バスケだって、身長が高いからやってるだけ。自発的なものじゃない」


カイオ「お菓子作り、パテシエだって、自分でもどこまで本気なのか、わからない。ただ、医学部とか、数理研究とか、看護師とか、医療機器の開発とか。将来の目標を持って、頑張ってるみんなを見てて、『なにか、決めなくちゃ』って焦ってた」


 沈黙。


カイオ「でも、さっきの七海と夢咲の話を聞いて、それでいいんだって思えた。自分が、どういう人間なのか、理解しなくてもいいのかなって。別に、外人でもいいよね。みんなが友だちでいてくれたら、別に人間じゃなくたっていい」


美月「人間では、いて欲しいです」


 みんな、笑う。


七海「はじめて、呼び捨てにしてくれた」


夢咲「なんか、ムズムズすんな」


 みんな、笑う。


カイオ「で、なんだっけ? 地上戦?」


カイオ「みんなといると、辛くなる。自分のペースが、壊れるんだ。みんながすごいから、焦る。特に、蓮。おまえは、カッコ良すぎる。おまえに、美月を奪われるって、いつも心配してる」


美月「やだ、呼び捨てられたの、はじめて。嬉しいよ、カイオ」


カイオ「ごめん、なんか勢いで」


美月「これからも、呼び捨てで、よろしく。あと、蓮は、私の好みじゃないから、安心して」


カイオ「うん」


御影「なんか、傷ついた。流れ(だま)、やめて」


 みんな、笑う。


カイオ「だから……」


カイオ「だから、俺がみんなの会話に参加しなかったり、たまに居なくなったり、みんなと距離を置いたりするの、許してほしい。気にしないでほしいんだ」


カイオ「それは、みんなと友だちをやめたいってことじゃない。そうじゃなくて、みんなのことが(まぶ)しすぎるから、ちょっと『目をそらしたい』みたいなこと」


カイオ「『俺らしくありたい』っていうと、カッコ良すぎる。そうじゃなくて、弱くて臆病で、傷つきやすい俺のこと、見捨てないでほしい」


カイオ「みんなの後ろ、必死でついていこうとする俺のこと、馬鹿にしないで欲しい」


美月「ずっと好きだよ、カイオ。ずっと好き。信じてもらえないかもしれないから、何度でも伝えさせて。カイオ、好きだよ」


カイオ「そういうとこ。みんな、カッコいいな。俺も、そうなりたいな」


 溢れてくる涙を止めようとするカイオ。止まらない。美月が、カイオを抱きしめる。



 カイオを抱きしめながら。


——やるからには、必死であれ


美月「私の番」


美月「なんていうか、私は、別になんにもカミングアウトすることがない感じ?」


美月「伝わるかな? 私は、これから大学に行って、カイオと結婚して、子ども作って、たまにみんなと会ってお茶して、年老いて、死んでく」


美月「妥協(だきょう)とかじゃなくて」


美月「私は、『こうあるべき』みたいなのが、きっと嫌い。なんか嫌」


美月「これからも、色々なことが、起こる。でも、そうして起こったことを、あんまり、良いとか悪いとか、評価しないのかな? 起こったことに、対応するみたいな? それが辛いとか、思わない」


美月「辛いことがないんじゃなくて、なんていうかな。『自分の人生を設計したい』って気持ちがないんだと思う。『自分の人生の観客でいたい』のかな。悪い言葉でいうと、『受け身』でいたい」


美月「医療機器の設計がしたいっていうのもさ。そういう気持ちになった自分のことを、『へー、そうなるんだ』って感じる。自分で決めたっていうよりも、なんか、勝手にそうなった」


美月「だからわかる。カイオのこと、私は、本当に好き。みんなのことが、好き。私は観客だからさ、それがよくわかる」


美月「自分で自分をコントロールしてないから、自分の気持ちに嘘をつくことがない。っていうか、できない」


美月「あ、そういう意味では、こわいこともある」


美月「自分が、みんなのこと、嫌いになったら、どうしようって思う」


美月「それだけは、『受け身』でいたくないな。そこだけは、自分の意思でコントロールしたい。無理をしたい。だって、みんなみたいな人と出会うこと、もうないと思うから」


美月「私は、これからも、みんなのこと、『ずっと好き』でいます。そのための努力なら、したいです。でも、それ以外のことは、わからない感じ。観客を続けるんだと思う」


美月「私からは、以上です!」



——やるからには、必死であれ


御影「おい、カイオ。泣いてないで、ちゃんと俺の話も聞いてよ?」


 みんな、笑う。カイオも、泣きながら笑う。


御影「なんか、圧倒された」


御影「みんなの話、聞かせてもらって、嬉しい。で、圧倒された」


御影「最後に話をするのが俺になったのは、ただ、圧倒されてたから。なんていうか、俺は、みんなみたいに、すごい人間じゃないって。なにか、語るべきことのある人間じゃないって感じた」


御影「だから、こうして自分の番がまわってきて、正直、ちょっと辛い」


 みんな、笑う。


御影「なんていうのかな。楽器の演奏会でさ、みんな上手いの。そうして散々、すごい演奏を聞かされてから、『では、次は、御影 蓮(みかげ れん)さんの発表です。どうぞ』みたいな感じ」


御影「辛いんだけど。でもそれで、生きてるって、実感した。生物って、やっぱり、すごい」


 沈黙。


御影「俺は、たぶん、女好きなんだと思う。普通の男子」


御影「チヤホヤされて、本当は、嬉しい。可愛い女子がいたら、目で追うこともある。夢咲と美月のことも、可愛いって思うことがある」


七海「蓮キュン、そんな……ひどい……なんて、ウソ。蓮くんが、そうなの、知ってるよ。嫌だけど。生物って、そういうものなんでしょ?」


御影「うん」


 沈黙。


御影「美月とは、逆なのかな……」


御影「俺は、自分の人生の観客ではいられない。観客でいたら、自分も含めて、みんなのことを傷つける。そんなの、許せない」


御影「電話で、美月に怒られたことがあったよね。ほら、俺が、七海に襲われたとき」


 みんな、笑う。「あったあった!」


御影「『どうしたいか』っていう欲求に従うんじゃなくて、『どうするか』っていう覚悟。決めの問題。あのとき、美月は、俺にそう教えてくれた」


御影「俺は、七海のこと、絶対に裏切らない」


御影「七海のこと、ずっと好きでいられるように。もっともっと好きになるように、自分をコントロールしていく。好きな気持ちを、『運命』任せにはしない。好きな気持ちを、意識して『育て』ていく」


 沈黙。


御影「5歳のとき。七海に『結婚して欲しい』ってプロポーズしたあのとき。あのとき、俺は、結婚の意味をちゃんと理解してたと思う」


御影「5歳なりの幼い理解じゃない。ちゃんと覚悟を持って、プロポーズしたんだ」


御影「俺にとってこれは、決めの問題なんだ。だから、七海はもちろん、みんなと友だちでいることも、これからバラバラになっていくことも、仕方ないとかじゃない。選んで、そうする」


御影「バラバラになりたいわけじゃない。そんな欲求はない。でも、みんなが幸せであるために、バラバラになることを選ぶ。そう、決める」


御影「いつかみんなに子どもができたら。生物だからさ、気持ちはきっと、子どもに奪われる。俺はバカだから、みんなの子どもにも、嫉妬するんだと思う」


御影「だから、みんなには子どもを作らないで欲しいってことにはならない。もちろん、みんなが自分の子どもを作るか作らないかは、俺がどうこうできる話じゃない」


御影「ただ、俺たちはこれから、バラバラになってく。そのバラバラの原因となる誰かに、それがたとえみんなの子どもであっても、俺は、ずっと嫉妬するんだ」


御影「自分の子どもにさえ、俺はきっと、『七海とふたりきりの時間を奪うな!』って、嫉妬する」


御影「だから、七海。しばらくは、ふたりの時間を大切にしたい。しっかり、避妊させてもらう」


 いまさら、真っ赤になる七海。冷やかす夢咲と美月。


七海「ばか……」


 みんな、笑う。


——やるからには、必死であれ


御影「こうして、俺たち5人の気持ちが『接近』するのは、今日、この瞬間が、ピーク」


御影「きっと、ピークなんだ」


 御影の頬に、一筋の涙。そして長い、沈黙。


御影「みんな、ありがとう。そして、さよなら」


御影「この離別の苦しみを、一緒に、突破しよう」

第4章の最後、第48話までお読みいただけたこと、本当に嬉しいです。ありがとうございます。


少しでも、読めるところがあったなら、是非とも☆評価をお願いしたいです。執筆の励みになると同時に、明日もまた頑張っていこうという気持ちになります。


さて。


七海の熱を受け、かなり気合を入れて執筆したエピソードです。運命ではなく、自分の意思で未来を選択する迫力を描きたいと願いました。筆力がおよんでいないのですが……


引き続き、よろしくお願い致します。


参考文献;

1. Collins, N. L., & Miller, L. C. (1994). Self-disclosure and liking: A meta-analytic review. Psychological Bulletin, 116(3), 457–475.

2. McMillan, D. W., & Chavis, D. M. (1986). Sense of community: A definition and theory. Journal of Community Psychology, 14(1), 6–23.

3. Laurenceau, J. P., Barrett, L. F., & Pietromonaco, P. R. (1998). Intimacy as an interpersonal process: The importance of self-disclosure, partner disclosure, and perceived partner responsiveness in interpersonal exchanges. Journal of Personality and Social Psychology, 74(5), 1238–1251.

4. Kim, K. J., Feeney, B. C., & Jakubiak, B. K. (2017). Touch reduces romantic jealousy in the anxiously attached. Journal of Social and Personal Relationships, 35(7), 1019–1041.

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この回、素晴らしいです。 人間の美しさ、欲してもなかなか手に入りそうもない気高さが表現されてる気がしました。 まさに、ピークですね…いゃあすごい話を書くなぁ… ありがとうございます!
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