第42話 蓮キュン
七海「夢咲たちと……罰ゲームしてて、負けました……」
御影「?」
七海「あの、今日は一日、蓮くんのこと、『蓮キュン』って呼ばなければなりません」
夢咲「七海、いま『蓮くん』って言った。反則ー」
七海「今のは説明だから、しょうがないでしょ!」
美月「もう、ダメだからね。説明、終わったし」
七海「ねえ。今日、保育園のお迎えのあと、いつもと違うスーパーに行きたいんだけど、いい?」
夢咲「おい、『ねえ』ってなんだよ? 七海。蓮に話しかけるときは、必ず、蓮の名前を言うのもルールだぞ?」
七海「許して……恥ずかしくて、死にそう……」
美月「蓮も、我慢してね。ルールは、ルールだから」
御影「わかりたくないけど、わかった……」
美月「蓮、いま、くだらないって思ったでしょ?」
御影「ハッ、なぜそれが?」
美月「私も、七海ほど早くないけど、論文検索できる。これ、論文があるのよ」
夢咲「七海から、あんたらが喧嘩した話、聞いた。それで思いついた罰ゲームだし」
美月「論文によると……日常的な、『悪ふざけ』が、喧嘩したとき、関係を修復する土台になる(※1)らしい」
夢咲「あんたらさ、普段、『悪ふざけ』とかしないタイプじゃん。だから、わざわざ罰ゲーム、やらせてんのよ。感謝しいや?」
御影「わかった。真面目にやってみる」
七海「ちゃんとやる」
美月「きみたち、そういうとこだぞ? 『悪ふざけ』を、真面目にやってどうするのよ」
急に、夢咲が、クラス中に聞かせるための声量で、大袈裟に話し始めた。
夢咲「みんなー、ちゅーもーく」
夢咲「みんな、想像してごらん」(遠い目)
夢咲「激しく罵り合う蓮と七海。七海が、泣き始めた。でも、七海が泣いているのに、蓮は慰めもせず、そっぽを向いた」
夢咲「伝説の美男・美女カップルも、いよいよ終わりか? 終わりなのかぁー?」
手招きで、コールを要求する夢咲。それに応えるクラスメートたち。
クラスメート「終わりなのかぁー?」
夢咲「そのときである。七海が、涙を拭って、口を開いた。『ごめんなさい、蓮キュン』」
第42話まで、お読みいただきました。本当に、ありがとうございます。嬉しいです。
少しでも、読めるところがあったなら、是非とも☆評価をお願いしたいです。執筆の励みになると同時に、明日もまた頑張っていこうという気持ちになります。
さて。
悪ふざけには、仲直りの土台としての、大きな意味があります。意外と、こうした知識を得る機会、ないと思います。こういう、とても大事なこと、学校で教えてもらいたかったです。
引き続き、よろしくお願い致します。
参考文献;
1. Driver, J. L., & Gottman, J. M. (2004). Daily marital interactions and positive affect during marital conflict among newlywed couples. Family Process, 43(3), 301–314.




