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異世界で女の子に転生した彼の適性はお昼寝士 新しい人生こそはお気楽に生きていくことにするよ  作者: たまぞう


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2人の成果

「なあ、嬢ちゃん」

「いいじゃない。フレッチャちゃんもハッピー、ベイルさんもハッピーで」

「──エルフの誰に聞いても作ったやつなんか居ねえんだが」

「“秘伝”だからじゃない? 教えられないのよ、きっと。だから私も勝手には教えられないわ」

「それだと俺は本国にどう報告したらいいんだ」

「エルフに気に入られるように頑張れとでも伝えたら?」


 フレッチャの練習場に様子を見に来たベイルは魔弓を修得して喜び練習に精を出す彼女を見てアイシャに問いかけたところだ。


「アイシャ! ベイルさんも! 見て欲しいんだ私のギルドカードを! そして讃えて欲しい、私はやったのだと」

「なんだと? と、とりあえず見せろ」


 フレッチャ

 力  B

 体力 C

 器用 B

 俊敏 C

 知力 C

 精神 C


 適性 弓術士    魔弓術士

 職業 弓術士見習い 魔弓術士

 技能 弓術初級   魔弓術

    弓術中級


「そんなっ、なんて事だ」

「わあ、フレッチャちゃん超強い!」

「そこじゃねえ、なんだ魔弓術士ってのは」

「自分の成長を感じてギルドカードを見たらそうなっていたんです。どうですか?私、やりましたよね?」

「すごいよ! やっぱりフレッチャちゃんは私の──」


 言い淀んだアイシャとフレッチャが手を繋ぎ仲良くぴょんぴょん跳ねているがモヒカンにはそんな事はどうでもいい。


「魔、ま、マ、MA」

「ママ? ベイルさんてママ呼びなんだね。意外だなあ」

「嬢ちゃん、俺は母親のことをそんな風には呼ばねえ、おふくろって呼んでいる……じゃない。魔弓術士というのは未だ聞いたことがねえ。さっきの弓矢の威力は確かにエルフのそれだとは思っていたが」

「でも上級職? ってのもあるんだからそんなもんじゃないの」


 適性とともに暫定的に認定されるのは下級職で最も適性に近いものである。それらの技能を上級まで解放したのちに新たな上級職のスキルツリーを選択できるようになる。


 ベイルが驚くのはフレッチャの弓術士はまだ中級でしかないために変更出来るとしても同等の下級職だけだ。そして魔弓術士などベイルの記憶には下級職にも上級職にも聞いた事はない。


「いいや、条件を満たしていないフレッチャは上級職にはなれない。そして、たしかに上級職には余り知られていないものも多数あるが、下級職については出尽くしている。なんせ聖堂で最初に告げられるものだからな。中級までの技能しか習得していない弓術士のフレッチャが変われるのは横並びの下級職か、もしくは──」


 フレッチャはその弓を手に目を閉じて先ほどまで放っていた弓矢の感覚を思い出す。


「魔族の、職業……ですか」

「フレッチャちゃん、人間やめたの?」




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