スカイツリーを攻略した凄腕霊能者チームでも番組が全面協力する霊能者チームと勝負したら流石に勝てない説 2
続いて第2種目。おにごっこ。もちろんこれもただのおにごっこではありません。場所は都内のデパートを貸し切り。1~5Fまでを自由に移動できます。この中でサングラスにスーツを着込んだハンターと呼ばれる人から逃げつつ、ゴールへ行くという内容です。
ルール説明。日曜日チームと凄腕チームはこのデパート内にある鍵と呼ばれるアイテムを入手。それを3つ手に入れるとゴールが出現。鍵を手に入れたチームはゴールの場所がスマホに指示される。先にチームの誰かがゴールへたどり着いたら終了となります。当然ゴールへ行くためには手に入れた鍵が必要ですので、両チーム必ず探す必要はあります。
ハンターに触れられたらその時点でゲームオーバー。全員捕まった時点で終了となります。ハンターは一定時間で増殖、もしくはどちらかのチームが鍵を手に入れたらハンターは増殖予定だ。
『ええ。当然これも日曜日チームが勝てるように仕組んでいます。まずハンターですが、特殊な細工をハンターのサングラスにしており、何故か日曜日チームだけ見えません。つまりハンターは全員凄腕チームだけを狙います』
ケンジがそういうとスタジオが爆笑した。テーブルに伏せながら松田が叫ぶ。
『お前、これは流石に無理やろ!』
『しかもこれだけではありません。何故か日曜日チームは鍵の在処を知っています。流石にここまですれば勝てるでしょう』
『ほんま最低やな』
そう濱崎は嬉しそうに笑いながら突っ込んだ。説得力がない。
『ではVTRの続きを見ていきましょう』
デパートの売り場に集まった両チームがどこかで見たことあるようなバンドを腕に巻き、肘、膝などのサポーターも装備している。そしてその中でアナウンサーが声をあげた。
「では、第2種目のおにごっこを開始します」
そのままルール説明を続けるアナウンサー。当然番組側の仕込みは話さず、一見普通のゲームの説明をしているように見える。
「つまり霊能力で早く鍵を見つければいいと?」
「その通りです。事前に説明させて頂いておりますが、霊能力を使って相手チームやハンターへ攻撃的な妨害はNGです」
凄腕チームの芹沼が手をあげる。
「鍵ってどんな見た目なわけ」
「はい。このようにわかりやすい形状で隠されています。数は全部で30個以上あり、このうち3つを手に入れてください」
そういうと鍵の写真を張っているパネルを見せた。赤いカードキーになっており、それを3つスマホにかざせばいいという事だった。
「こんな小さい物すぐ見つかりますかね」
「そこは皆さんの霊能力でお願いします」
そう答えるアナウンサーにスタジオの松田が突っ込む。
『説明が雑やなぁ』
『これで通じるので大丈夫です』
凄腕チームは4Fに、日曜日チームは2Fに配置された。そして――当然だが、鍵は全部2Fにある。
そう表示されたテロップに濱崎は吠えた。
『ええぞ! これで負けたらシャレにならんからな』
そしてそれぞれに渡されたスマホから開始の合図があり、この完全にやっているおにごっこが始まった。
だがここで凄腕チームの鮫田が驚愕の発言をする。
「全員2階に行くぞ。ぜってぇそこにしか鍵はない」
ばれていた。
『はははは! そりゃそうや』
『いやいやすぐ気づきすぎでしょ、不正してるんとちゃいます?』
『だからお前がいうな!』
そこでハンターが放出された。当然4Fだけだ。数は5人。全員が一斉に走り出し、凄腕チームの方へ走り出す。
「やっぱりこっちにきやがったな。うお、壁をつくれ、幸太郎、蟲を複数出して2階へ行き、鍵を探せ。勇実さんは蟲についていって鍵の回収を」
鮫田の指示で全員が動きだす。凄腕チームの芹沼が手を広げると、何故かハンターたちが一斉に見えない壁にぶつかったように止まった。
「あんまり維持できないわよ」
「構わん。時間稼ぎだ。鍵はあっちの2人に任せよう。俺たちは囮だ」
カメラは切り替わり、2Fへ。日曜日チームは全員一斉にバラバラになって鍵を探し始めている。大まかな場所は知らされているため、開始10分程度で既に鍵を入手していた。そして鍵を1つ手に入れた事によってハンターは10人増殖。
凄腕チームが少しずつ2Fへ移動しているため、3F、2Fにハンターが放たれた。いけ好かない男、勇実がまるで飛び降りるような勢いで2Fへ到着した時、既に日曜日チームは鍵を3つ入手。ハンターはさらに20人増殖。そしてもっとも危険な男でもある勇実を抑えるために追加のハンターはすべて2Fへ。
『こりゃもう無理やろ!』
『ようやく1勝できそうですね』
エスカレーターから2Fへ到着した勇実の前にハンターが20人。さらに3Fから追いかけてきたハンターも加わり、総勢30名が勇実を囲んでいる。
だが勇実の視線はハンターに向いていない。少し上の方を見ている。勇実の視線を辿るとそこには何かいる。小さな蟲のようなものが2Fの各地で飛んでいた。
「んじゃいきますか」
まるで散歩に行くような口調で勇実が走りだす。そしてすぐ目の前に迫っていたハンターが手を伸ばした。30人のハンターに囲まれ、一網打尽だ。さらば勇実。そのテロップが画面に表示された瞬間、勇実が飛んだ。
『はあ!?』
『ちょいちょいちょい! 忍者やん!』
助走もない跳躍でハンターを飛び越え、走り出す。その先はあの蟲が飛んでいた所だ。まるで倍速をかけた映像のような速度で走り出す勇実の手には赤いカードキーが握られている。また勇実の驚異的な身体能力のためか、番組の右下に編集、加工等は一切しておりませんと書かれていた。
次々とカードキーを入手し遂に勇実も3枚のカードキーが手に入った。当然ハンターはさらに増え30人が追加されている。総勢65名だ。
ようやく手に入れたカードキーを勇実がスマホにかざすとそこに表示されたゴール。そこは――5Fのフロアであった。
『遠ッ!? もうハンターだらけやし、通れる場所ないやろ!? どうやって上にいくんや』
『ほんま酷いな。絶対怒られるやろ』
また既に鍵を手に入れた日曜日チームはハンターたちにスルーされながら、ゴールを目指して移動中だ。ちなみに日曜日チームのゴールは1Fである。既にエスカレーターで移動し、全員が1Fへたどり着いた。
無人の1Fフロア。その中に大きく赤いゲートが設置されている。日曜日チームは流石に余裕過ぎるためか、歩きながらゴールへ向かっていた。少し苦笑いをしながらもうゴールまであと50mとなった時――。
スマホからブザーが鳴る。
勝者、凄腕チームと。
そのあり得ない事にスタジオも、日曜日チームも驚愕していた。
『はぁ!? うそやん。あの状態からどうやっても無理やろ!』
『いや、どういう事?』
『おい、はよV見せろ』
『っていうかもう日曜日チームは映すな!』
時間は5分前に戻る。とテロップが流れる。
エスカレーターから鮫田と芹沼が下りてきた。その後ろからハンターたちが迫ってきている。そんな中、鮫田が叫んだ。
「勇実さん! うおの壁がある。あの時みたいに行けるか?」
その声を聞いた勇実は笑みを浮かべ手をあげた。
そして勇実がその場で垂直に跳躍する。すると勇実は空中で着地した。これは芹沼の能力である霊力を固める力だと推察される。それを利用して勇実は――跳んだ。
空中を駆けるように飛び、雪崩のようにいるハンターたちの上を行き、エスカレーターの上を同じように跳躍していく。まるでピンボールのように飛んでいく勇実の足元に一瞬見える足場から芹沼が2Fから5Fまでのエスカレーターの各フロアに足場を作り、勇実はそれを三角飛びのように跳躍して僅か1分で5Fへ到着。そのまま滑るようにゲートへ鍵を挿入しゴールとなった。
「い、勇実さん! 今の動きは一体……?」
司会をしているアナウンサーがゴールにいる勇実に近づきマイクを向けた。そして勇実は笑って答える。
「……これが霊能力です」
この超絶アクロバットな動きに流石のスタジオも言葉をなくした。数十秒その驚愕な映像を見て、松田がかろうじてこぼした一言にスタジオは動き出した。
『こいつサスケに出た方がええんとちゃう?』
『いやいやいや。そういう次元じゃないでしょ。え? 映画? これCGじゃないんすか?』
『え、霊能者ってみんなこんななの?』
『それなら日曜日チームも同じことできますって』
『ていうか、あいつら走ってれば勝てたんとちゃうんか!』
『それより最後、ハンドパワーみたいな言い方して腹立つな』
勇実。彼はただ者ではない。番組は彼を次の種目で落とし穴に落とし、泥だらけにすることはできるのだろうか。
ネタ回は次回で終わりです。
思ったより長くて申し訳ありません。




