チーズ料理を食べながらの雑談会議
~前回のあらすじ~
スーとシーのマッサージは気持ちよかった。
途中で簡易キャンプを張って野宿をした。
俺は二人の飲み物に無味無臭の睡眠薬を仕込み、一晩中見張り役をしていた。
ルシルの料理を上手にするために徹夜した時も飲んだが、今日も睡眠代替薬のお世話になった。
そして、翌朝。
「本当に何も仕込んでいなかったのか?」
「ああ、二人とも昨日は戦闘尽くしだったから疲れてたんだろ。ぐっすりだったから、起こすのが忍びなくて。可愛い寝顔だけ見させてもらったけど、それくらいの役得はいいだろ?」
「……それ以上でもよかったよ?」
シーさん、さらっととんでもないことを言わないでください。
朝食を済ませた。地竜も草ばかり食べていたが、俺の作った魔物餌を与えたところ大喜びで食べてくれた。
本当はコメットちゃんとタラがコボルトの時に作ったものだったんだけど、二人が人化してしまったため余ってしまった。
ちなみに、朝食は「ごはん」「焼き鮭」「味噌汁」と定番の日本の朝食だった。
二人は怪訝そうな眼で「これ、泥水?」みたいな目で味噌汁を見ていたが、飲んだらそれほど悪いものではない、という感じだった。
絶賛というわけではないのが少し残念だが、二人が箸を普通に使えたのは驚いた。
「どこで使い方を覚えたんだ?」と聞いたら、「コーマの使い方を見て覚えたんだよ」「……面白い食器ですね」と事もなげに答えた。
流石は暗器使い、道具の扱いはお手の物らしい。
ルシルやクリスだったらこうはいかないだろう。
そんなことも道中あり、目的の町に着いた。
三人で旅を始めて、4日目の昼だった。
一週間限定の三人旅も、残り半分といったところか。
「で、賞金首を探すそうなんだが、この町にいるのか?」
「ああ、確かな情報だから間違いないよ。問題は、どこにいるか、なんだけど……」
「……神出鬼没だからね。期限は今日を含めて三日……ううん、もう二日を切ってる」
まぁ、6日目の夕方にこの町を出ないと、7日目……俺の従者契約の一週間には間に合わないが、それが理由、というわけじゃないよな。
じゃあ、なんで三日しか期限がないんだ?
「明後日のお昼にこの町の中で引き渡すことになってるのさ。とはいえ、探索開始は明日から。今日は休憩ね」
「おいおい、そんな悠長なこと言っていていいのか? この町にいるのなら今すぐ探したほうが」
「契約違反なんだよ、それは。私達が探すのは明日と明後日の午前中だけ」
「……普通の賞金首じゃないから」
……普通の賞金首じゃない?
「相手は、ここからさらに南、エルフの森の向こう側、ジンバーラ国の元国王ゴルゴ・アー・ジンバーラ。依頼主は現国王にして元国王の一人息子のゴルゴ・ナー・ジンバーラ」
「なんでまた元・国王が賞金首なんだよ。御家騒動か?」
「いや、元国王は王子だったころから放浪するのが好きでね、国王になってからは善政を敷いていたんだけど、ある日、息子に王位を譲ると一気にその放浪癖を解放してね」
「……今は、大事な式典まで飛ばす始末。とりあえず、今日までは内密に国の兵が町の中を捜査してるけど、明日から限定公開捜査に切り替わるの」
限定公開捜査……まぁ、冒険者ギルドのお尋ね者一覧に国王の似顔絵を乗せるわけにはいかないからな。
「それで、明日からなのか。でも、準備くらいしていいんじゃないか?」
「準備? 聞き込みも許されない状況よ」
「俺がゴーリキを探したときにギルドに提案した方法さ」
俺はアイテムバッグから、二種類のアイテムを取り出す。
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映像送信器【魔道具】 レア:★★★★
その空間を魔力波に変換、映像受信器へと送る。
拡大すれば、地を這う蟻の触角まで見ることができる。
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まずは、映像送信器20個。
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映像受信器【魔道具】 レア:★★★★
映像送信器から送られた魔力波を映像に変換して映し出す。
ダイヤルを回すことで受信する映像送信器を切り替える。
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そして、映像受信器だ。
相変わらずのブラウン管仕様。
これらはゴーリキを探すとき、ギルドに貸し出して利用させてもらった。
その後は回収され、こうして手元に戻っていた。
俺がこれらのアイテムについて説明すると、
「へぇ、あの時ゴーリキの居場所がすぐにわかったのはこれのおかげか」
「……納得しました」
そうか、これらについてはギルドは説明していなかったのか。
別に口止めしていなかったので、あの時通信イヤリングを配給されていたスーは知っているものだとばかり思っていた。
「じゃ、昼飯を食べてから、これらを配置しようか」
「だね。これならあの放浪国王の裏をかけるだろうよ」
俺達はとりあえず近くの宿屋兼食堂に向かった。
先に二部屋押さえ、料理を注文。
この地方はなんとチーズ料理があるという。
とはいえ、とても高価なものらしいが。
遊牧民がたまに町に売りに来るのを買うそうだが、なんでも、チーズを作るときに子山羊を一頭潰す必要があるとか。
アイテムクリエイトを使えば、「牛乳」や「山羊乳」があればそれだけで作ることができるが、実際に作ろうとしたら大変だよな。
発酵食品は。
宿屋の一階の食堂で、とりあえず「チーズ料理」を適当に頼むよ、と注文する。
宿屋の女将さんは何かを説明しようとしたが、スーが笑顔で勇気のブローチを見せると、おばちゃんははっとなり、「少々お待ちください」と厨房へと向かった。
流石は勇者様だな。
最初に出されたのはチーズサラダだった。
固形チーズとグリーンレタスのサラダ。
ドレッシングはかかっていないが、チーズの塩味と合って美味しい。
そして、この店の名物という料理が出てきた。
「ピザじゃないか。うまそうだな」
海の家で食べてから一月も経っていないので少し残念だが、釜で焼いたばかりらしい。
トマトソースも見事に作られているようだ。
タバスコは出てきていない。
「コーマは知ってるのかい?」
「ああ、うまそうだな。あ、そうだ、タバスコ使うか? これ入れたら辛味が増してうまいぞ」
俺はアイテムバッグからタバスコを出して、スーに渡した。
「お、悪いね」
「……お姉ちゃん、次は私ね」
「掛け過ぎるなよ」
そんなことを話しながら、ピザ会は進んだ。
そして、ピザ会も終わりかけたころ。
「そういえば、なんでスー達は元国王を追ってるんだ? 前から追ってた、みたいなこと言ってたけど」
「あぁ、それは元国王が私達の父さんだからだよ」
「へぇ……」
「って、お前等、王女様なのか!?」
「元、だよ。私は32番目、シーは36番目の女児だから王女といっても下から数えたほうが早いけどね。言っただろ、王子のころから放浪癖があったって」
「あっちこちで女作って子供つくってたってわけか」
「合計101人で、未だに記録は更新中だと思うよ。72歳になって退位してもあっちは現役らしいからね」
それ、かなりの問題じゃないのか?
ちなみに、二人のフルネームは、カナミナ・スー・ジンバーラとカナミナ・シー・ジンバーラらしい。
「そういうわけで、例え娘でも繋がりは薄いんだよ。だから、会おうと思えば、逃げ出した時くらいしか会えない」
「……ちょっと用事があるから。賞金稼ぎになったのもこんなことがあった時のためだし」
二人は笑顔でそう言った。
なんともまぁ、大変な父子関係だな。
コーマは裏でこんなスライムを作っていました。
虎の牙×スライムの核
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虎イム 【魔法生物】レア:★★★★
虎型スライム。黄色と黒の縞模様。
デカスライムとの勝負はいつも盛り上がる。
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コーマ「ここまで行くと、本当にギャグスライムしかいないな」
ルシル「異世界でアイテムコレクターは2019年ラグビーワールドカップを応援しています」
コーマ「急にどうした、ルシル!」
ルシル「あれ? ラグビーの町のマスコットキャラじゃないの?」
コーマ「あれはト○イくんだ!」
~説明不足だったので追記~
トラ○くんとは、
ラグビーの町東大阪の公式マスコットキャラクターです。
花園ラグビー場は、野球でいうところの甲子園のような聖地として有名です。
……でも、東大阪に行ったときは、カレーパンが食べたいな。
「なんでやねん?カレーパンのまち東大阪」
として、巷でひそかなブームになってる予感。




