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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode Extra04 後日談

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閑話 コレクターの神~中編~

 俺のオリジナルゴム人形、モンスターゴム人形シリーズ第一弾の発売から一カ月が経過した。

 現在はゴム人形シリーズ第二弾を鋭意製作中。

 今はユニコーンを作っていた。

 このユニコーンは五百個に一個しかない激レアモンスターにする予定だ。だから細部にまでこだわる。

「このユニコーンの角を表現するのが――っと。ルシル、そういえば、ユニコーンってどこにいるか知ってるか?」

 クリスの実家でユニコーンの角を見たことはあるんだけど、実物を見たことはないんだよな。

 このゴム人形も、図書館で見た本の挿絵をモデルに作っている。

「コーマ、自分で世界を創ったのにわからないの?」

 ルシルが俺が作ったプリンを食べながら尋ねた。

「複製したのはお前だろ?」

「ユニコーンは乱獲されてその数を減らしているけど、まだいるわよ。綺麗な泉に生息していて、清い心を持った乙女の前にのみ現れるそうよ」

「へぇ、そうなのか。ということは、会いに行くならコメットちゃんを連れて行かないとな」

「コーマ、目の前に私がいるのにどうして私を除外するのかしら?」

「清い」

 と俺はその一言を言った。

「コーマ、私が天使だってこと忘れてない?」

「でも、お前堕天したんだろ? じゃあ全然清くないじゃん」

「確かに堕天したけど、体は清い乙女のままよっ!」

「……でも、その年で経験無しって少し恥ずかしいんじゃないか?」

「それは……そもそも天使って本来は性欲とかないのよね。ほら、知恵の実を食べる前のアダムとイヴのようなものよ」

「え? アダムとイヴって実在したのか?」

「ええ。私は直接は見ていないけどいたそうよ」

 まじかよ。

 じゃあ、ダーウィンの進化論、間違えてるじゃん。

 人類は猿から進化したんじゃなくて、アダムとイヴから生まれたんじゃん。

 いや、実はアダムとイヴが猿の突然変異という可能性は残っているか。


 俺が生命の神秘に考えていたところで、通信イヤリングが震えた。メイベルからの通信だ。

 彼女の方から連絡があるのは珍しいな。

「おぉ、メイベルか。どうした?」

「コーマ様、お久しぶりです。モンスターゴム人形のことについてお問い合わせが殺到していまして」

「おぉ、あれのことか。ちょうど第二弾を作っていて」

「いえ、第二弾ではなく、第一弾の再販売はなさるのですか?」

「再販売? いや、とりあえずお前の流通会社の倉庫に五十万個分用意して全部置いてきたから、そこからいくつでも――」

「全て売り切れました」

「……は?」

 五十万個。その量が僅か一カ月で売り切れた……だと?

 日本では、かつてラ〇ダースナックというコレクター必須のお菓子が一日で百万袋売り上げたという伝説を残している――が、それはマスコミの力と物流の力があってこそだ。この世界の売れ方としては異常と言える。

「……買っているのはどんな奴らだ?」

「コーマ様、本当にご存じないのですか?」

「知らない――最近、ずっと地下に籠って制作していたから」

「今やモンスターゴム人形は空前のブームとなっています。老若男女問わず、多くの方が虜になっています。特に珍しいドラゴンのゴム人形は一体銀貨十枚の値になるほど。未開封のモンスターゴム人形でしたら、ひと箱銅貨十枚の値段がついています」

 ……嘘だろ、プレミアム価格の出現、そして転売屋までいるのか。

「関連本も次々に販売され、偽物まで出回っています。もっともクオリティーは低いので偽物はすぐに見抜かれるそうですが。あと、それに伴いカラーインクや筆の売り上げが激増、そちらも生産が追い付いていないようです」

「……わ、わかった。とりあえず、急いで量産体制に取り掛かる!」

「コーマ様、いくつほど作れますか?」

「とりあえず百万個を一週間以内に」

「それでしたら、できあがった分から流通会社に届けていただけると幸いです」

「わかった!」


 そして、俺は金型を量産。

 スライム千匹を招集。一日一匹十個を目標に作っていった。


 そして、流通会社にゴム人形を届けたあと、俺はそのうちに千個をフリーマーケットに届けた。

「ありがとう、コーマ。これでうちもだいぶ助かるわ」

 店の倉庫でリーに商品の受け渡しを終わらせた。

「こっちでもそんなに売れてるのか?」

「うちは三日目で完売やったわ。ブームになったのはその後やけど」

「マジか……ってあれ?」

 リーは届けた商品を奥の部屋にしまいこんだ。

「倉庫にしまうのか?」

「もちろん。商品の入荷告知を今日行って、明日先着順で販売することになるよ。今、店頭に置いたら店がパニックになるからな。たぶん、告知と同時に並ぶ客が現れると思うけど」

「……そんなにブームなのか?」

「そうやな。マニアの間やと、保存用、着色用、交換用と集めているみたいやし。店によっては入荷したゴム人形を店に並べずに裏のマーケットにそのまま流すところもあるみたいやで。まぁ、メイベルの流通会社がそういう店をすぐに見つけて是正勧告は行っているみたいやけど。あ、それからメイベルから伝言。『コーマ様、絶対にゴム人形を作りすぎないでください』やって」


 作りすぎないで?

 なんでだ?

 コレクターがこれほど困っているのに、作りすぎたらいけないとは思えない。

 まさか、個数を制限して値段を吊り上げようとしているのか?

 いや、メイベルがそんなことをするわけないよな。


「なぁ、リー。このゴム人形の第二弾を作る予定があるんだが、いくつくらい売れると思う?」

「そうやな。今やったらあればある分だけ売れそうやけど……」

「だよな……やっぱり量産体制は必要か」

 俺はそう納得すると、メイベルの忠告を聞かずに動き出した。


 それから二十日後。

 いまだにモンスター人形ブームは続いているが、新たな問題が起きた。

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