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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode Final 蒐集の末

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世界から集まるハート

 西大陸でも大勢の人間がコーマの声を聞いていた。

 例えば、光の国アークラーンでは、光の神子シルフィアが、国民に対して訴えかけた。

「皆さんは知っていると思います。声が聞こえている人もいるかもしれません。コーマ様は、この大陸の長い間の戦争を終わらせた平和の功労者です。昨今続く地震を止めるためにどうか協力をお願いします!」

 その後ろでは、ザック将軍が陣を描いた旗を掲げていた。

 それを聞いた国民たちはシルフィアの言葉を聞き、兵たちに配られたチョークを使い、壁にその陣を描き出す。


   ※※※


 スウィートポテト学園では、生徒たちが無料で配られているノートに陣を描き続けていた。

「同胞を日本に還したと思ったら、今度は一体何をやっているというのだ。そんなことをしている暇があるのなら少しは学校に顔を出せ」

 とぶつぶつ文句を言いながら、シグレと一緒に黒板に陣を描き、生徒たちに同じ物を描くように言って回っている。

「でも、元校長先生、どうやってこの言葉を届けてるんだと思う? いいんちょ」

「もしも本当に世界中に声が届いているとしたら、その速度は音速を大きく上回るから、魔道具によるものだと思うけど」

「声を遠くに届ける魔道具といえば、通信イヤリングだけど、受信側に道具を用意しなくてもいいものってあるのかな」

 とマルジュとカリエルナは陣を描きながらコーマの声を届ける伝達技術について深く語っていた。


   ※※※


 火の神子レイシア、風の神子ウィンディア、土の神子アルジェラ、水の神子アクアマリン、そして闇の神子のラミーが声を聞き、西大陸の多くでその陣は描かれた。養豚王と呼ばれた将軍、クリスの母親、ドワーフたちを含め、西大陸にはコーマが頼む陣が数百、数千と描かれていく。

 そして、規模こそ小さいが、極東大陸でも陣は描かれていた。


   ※※※


「みんな、お願いします! 僕の主人であるお兄さんは、僕たちの同胞の無念を晴らしてくれました」

 鬼族の娘、フーカはそう言って、コーマの言う陣を皆に描くように頼んだ。

「任せろ、フーカ!」

「あぁ、フーカのいい人の頼みだもんな」

「フーカのために頑張って描こうっ!」

 鬼族の皆はフーカを茶化しながらも、その陣を描きはじめた。


   ※※※


 ラクラッド族の村では、パーティが起きていた。

「コーマ、カク」

「コーマ、カク」

「カク、コーマ」

「カク、コーマ、カシ、モツ」

 その陣を描いたらコーマがお菓子を持って来てくれると何故か勘違いしているラクラッド族は小さな体でその陣を描き続けた。


  ※※※


 そして、極寒の大地。数少ない人の住む村の宿で、マユはその陣を描いていた。

「コーマ様、私の事を忘れてなんていませんよね」

 ウォータースライムを頭に被ったマユはそう言いながら、陣を描く。

 サイモンとともに遺跡を脱出したマユは、そのまま一度西大陸に飛び、そこから船に乗って北大陸へと向かった。

「そのはずだ。連絡はしている――」

 サイモンは外から帰ってくると頷いて言った。

 マユが北大陸にいることはクリスに連絡をし、コーマに事情は伝わっているはず。伝わっているうえで忘れられているとしたらそれは別だ、とサイモンは口には出さなかったが、そう思った。

「それにしてもウォータースライムが凍った時のお前は見物だったぞ」

 サイモンはくくっ、と笑いながらアルコール度数の高い酒を飲んだ。

「あの時は本当に死ぬかと思いました。サイモンさん、あなたも手伝ってください。北大陸には私たちしかいないんですから」

「安心しろ。村中の人間に金をばらまいて、現在陣を描かせている。俺の分までな」

 サイモンはそう言って笑うと、もう一口酒を飲み、ペンを取り出した。


   ※※※


 凄い。西大陸から、極東大陸から、北大陸から声が届く。

 何十人、何百人、何千人の声が届く。大半の人は世界の滅亡なんて知らない、ただ地震を止めるだけだと思って描いている。

 それでも、俺の言葉を信じて、何の根拠も提示していない俺の言葉を信じてその陣を描き続けている。

「迷宮の中でもみんな同じ陣を描いている。まさか、マネットの友達の火竜まで同じ陣を描いてくれているとは思ってもいなかったが」

 蒼の迷宮の皆も陣を描いてくれている。

 俺も描いている。

 そして、俺はその陣を見て笑った。


 円の中にハートのマーク。なんとも描くのが恥ずかしいそのマーク。

 俺は念話イヤリングの通信を一度切り、ルシルに尋ねた。

「ルシル、どうだ? これで世界転移はできるか?」

 俺の問いに、ルシルは瞳を閉じ、静かに口を開いた。

「理論上は可能よ――ただ、あくまでも理論上。生命の書でもわからない未来、はじめての試み……うまくいく保障なんてどこにも――」

「はっ、上等だよ。先がわからないのなら、俺はいつまでも未来に期待を持てる! 俺とルシルのわからない未来を楽しみにできるっ!」

「そうね、確かにくよくよしても仕方ないわよね――いくわよ、コーマ」

「あぁ、やってくれ!」


 そしてルシルは――


コーマ「残り二話だな、ルシル。あとがき劇場は次回で終わりだけど、何かしておきたいことはあるか?」

ルシル「そうね、まだ作っていないのは――」

コーマ「料理以外でっ!」

ルシル「なんでよっ! ほら、私の料理もまだまだ将来のわからない未知のものなんだし、期待して待っても」

コーマ「お前の料理は未知は未知でもUMA的な何かなんだよっ!」

ルシル「何よ、もう。でも、まぁ、あとがき劇場でしておきたいことといったら、ゲストを呼んでないわね」

コーマ「ゲストって、クリスとかメイベルとかか?」

ルシル「ううん、ソ○ジロウとか」

コーマ「それはダメだろっ! 成長チートのあとがきでやったけど、WEB版だとさすがにマズイ!」

ルシル「じゃあ、彼を呼びましょ! 世界のスターミッ○ーを!」

コーマ「もっとダメだろ! 作品削除されるよ!」

ルシル「じゃあピ○チュウ」

コーマ「それも呼べるわけないが、仮に呼べたところで言葉が通じないよ!」

ルシル「もう、あれもダメ、これもダメ。いつから世界はこんなに厳しくなったのかしら」

コーマ「っていうか、本当に最後くらいまともにあとがきできないのか?」

ルシル「そうね。でも、このくらいのほうが」

コーマ「そうだな、このくらいのほうが」

コーマ&ルシル「俺たちらしい」「私たちらしい」


コーマ「って、声を揃えて最後っぽく言ったけど、あとがき劇場あと一回あるからな」

ルシル「では問題。最終回のゲストは誰でしょう?」

コーマ「誰もいねぇよっ!」

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