表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

610/742

クリスの変身

 転移石でルシル迷宮への移動はできないが、ルシル迷宮から繋がっている遺跡の奥に転移することはできた。


「ここがその遺跡か。本当に迷宮そっくりだな。でも――」


 魔物の気配が全くない。いや、魔物だけではない。生きている者の気配がない。

 それもまたそっくりだ。

 俺たちの迷宮も、最初はそんな感じだったんだよな。

 だだっ広い迷宮の中、たったふたりと二匹で頑張ってきたっけな。


 それから、ゴブリンとミノタウロスを召喚して、そして次に仲間になったのが、マユだった。


「マユのことはたまに忘れることはあっても、いなくなっていいだなんて思ったことは一度もない」

「いいことを言いたいということはわかりますけど、忘れないであげてくださいね」

「いいんだよ。マユは忘れられてようやくキャラ立ちができるんだから」


 俺は笑いながら通路を歩いて行き――思わず穴に落ちそうになった。

 穴の底は針山地獄だった。


「なんじゃこりゃ!」

「あ、忘れてました。そこ、穴があるので危ないですよ」

「見ればわかる。どうするんだよ、これ。クリスの多段ジャンプで登っていくのは――あぁ、そうだ」


 俺は万能粘土をアイテムバッグから取り出し、それを壁に貼り付ける。


「こんなこともあろうかと、大量に作っておいてよかったぜ」


 そうして、階段を作っていった。


「コーマさん、ここに階段を作るのはいいですけど、そんなことをしたら迷宮に侵入者を招くことになるのでは?」

「大丈夫だろ。ほら、下を見てみろよ。針はあっても遺体はないだろ? 誰もここに気付いていない証拠だよ。まぁ、今後はこの遺跡にもセンサーを設置して、侵入者がいたら知らせが入るようにしておくからよ」

「……そうですね」


 こうして、俺は階段を作りながら登っていく。

 万能粘土は、本当に俺の想像した通りの姿へと変わってくれる。


 そして、階段を上がる間も、俺は索敵スキルをビンビンに働かせる。

 戦闘準備が整っていない状態で、あいつと戦うことはできない。


 力の妙薬を飲んだうえでの竜化第二段階。

 武器は――属性武器である草薙の剣も捨てがたいが、やっぱり一番手に馴染んでいるエクスカリバーか。そして、戦いに応じてエントキラーに持ち変える。

 魔法や杖による攻撃は、牽制程度にしかならないだろう。

 使えるとしたら、エレキボムか。でも、あれは使いすぎてもう1個しか残っていない。

 あの電気鯰の髭が生えるまでもう少し時間がかかるそうだからな。


 階段を登りきると、部屋に出た。


「コーマさん、それでこの先なんですが――扉が閉まっていて開かないんですよ。いくら叩いても壊せないんですよ」

「クリスが叩いても壊せないのなら、ただの扉じゃないな」


 鑑定しても結果はでない。

 となれば、素材が特殊なのではないだろうか。


「迷宮と同じ感じか――それに――」


 と、俺はその気配を感じ取る。

 この扉の奥に奴がいる。

 俺はアイテムバッグから、力の妙薬を飲む。相変わらず不味いが、ルシル料理に比べたら五つ星をあげてもいいくらいだ。


「クリス。お前は帰っていろ。ベリアルの影との戦いとなると、お前を守っている余裕はない」

「確かに、今の私では彼と戦えませんね」


 クリスは大人しく引き下がる。かと思ったが、


「コーマさん、ちょっと失礼しますね」


 そう言うと、俺のアイテムバッグを漁り、それを取り出した。


「……炎の宝玉?」


 俺がそう思うや否や、炎の宝玉から、サランが飛び出て来た。


『ふぅ、やっと出られた。カガミったら、クリスがいなければ全く僕を出してくれないんだから』

「待て、クリス。お前、もしかして炎の宝玉を勝手に持ち出してるのか?」

「はい。コーマさんが寝ている間に、ルシルちゃんに頼んで――」


 ルシルもグルだったのか。

 きっと、お菓子にでも釣られたのだろう。


『ちなみに、カガミ。一応、アイテムバッグの中にいても僕の意識はあるんだし、声も聞こえてくるんだよ。カガミが魔王だってことも魔王軍のことも、現状も全部把握してるから、竜化だっけ? 気にせずにやっていいよ』

「え? アイテムバッグの中って時間が止まってるんじゃないのか?」

『それを言ったら宝玉の中でも時間は止まっているけどね。詳しいことは僕にもわからないよ』


 そういうと、サランはゆっくりと動いていき、クリスの胸の中に吸い込まれていく。

 と同時に、クリスの力が大きく増した。

 髪が炎のように赤く染まる。


「では、コーマさん、いきましょうか。ちなみに、この状態を保つのは一時間が限度ですが、自分の身は自分で守れます」

「そうか――じゃあ行くぞ」


 俺は通信イヤリングを使い、ルシルに合図を送った。

 すると、俺の中の破壊衝動が膨れ上がり、竜化が始まる。

 鱗が生え、翼が生え、そして力が体の底から湧き上がる。


「じゃあ、行くぞ、クリス」

「はい、コーマさん」


 そして、俺は拳を握りしめ、力の限り突きつけた。

 すると、扉に罅が入り、そして粉々に砕け散る。


 その扉の先に見たのは――


「よぉ、コーマ。面白い成長をしてるじゃないか」

「ベリアルの影――いや、最強の魔王ベリアル。八カ月ぶりの再戦といこうじゃないか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ