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ガールズラブ?です。
「まあ、そういうわけだ。マリカが危なくないように言ってるんだからね。それはわかってくれ」
「マリカは小さいし可愛いし美味しそうで可愛いから変質者に目をつけられて攫われてしまう。だから、少し不便だろうが、安全を考えて欲しい」
「……うん、わかった。さっきのでいいよ」
殴り合ったら気が済んだのか、二人揃って諭されてしまった。我侭だという自覚もあったので、頷く。私の願いをかなえようとしてくれてるのは確かなわけだし。
その日の夜は珍しくクイさんと一緒に寝ることになった。いつのまにか、さっきのケンカが添い寝をかけた勝負になっていたらしい。
抱きついて、収まりのいい場所を探る。ほんとになんていうか逞しいなあ……女の人なのに。胸板ってヤツですなあ、女の人なのに。
「赤ん坊みたいだね、マリカって」
笑いながら、私の胸を掴む。何故? さりげなく指を掴んで退けようとするけど、お構いなしでぶにぶにもんでいる。なにやら危険を感じる。
「ほんとに、柔らかくて……うまそう」
「お、おおお、怒られちゃうからかじるの駄目だよ!」
跡がついたらヘルさんにまたえらい目に合わされる。
「……あたしはさ、マリカの相手を出来るのはヘルベルクランくらいだろうと思ってたんだ。でも今はエルテもいるし……それに、あたしがやったっていいわけだよね」
「相手? ってなにを?」
「あたしとあいつと、どっちがいいか。マリカが決めてくれよ」
「どっちって……選べないよ。どうしてそんな話になるの?」
二人とも大事だ。なんだか真面目な話のようだが、体中をなでなでぶにぶにされていては気が散って真剣になれない。
「だからさ、これから試すんだよ。どっちがいいか」
「試す?」
にっこり笑顔でクイさんはあらぬところをさわっ
「な、なななな、なにしてっ、クイさん女の人でしょ!?」
「そうだよ。そんなに男に見えるのかい?」
「い、いや、女の人にしか見えないけど、なんでそんなこと」
「だから、試してみるんだって」
「いや、あの、あの、わ、わたし、結婚してるし! 不倫は駄目だよ!」
「あたしは気にしないよ」
私が気になるんです。
「じゃあマリカがあたしの嫁になればいいじゃないか」
「女の人はお嫁さんになれな……じゃなくて、なれるけど、お嫁さんはもらえないよ! それに結婚は一人としかできないんだよ!」
「ふーん。マリカの所ではそうなんだね。大丈夫、ここでは妻も夫もたくさんいても問題ないんだよ」
なんですとー!
結論です。お嫁さんができました。浮気? 重婚? いいえ旦那様とお嫁さんがいるだけです!




