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第99話 母と神の再会

お待たせ致しましたー

 どうしようと思っていると、食堂の方から『あら?』って声が聞こえてきたの。



「……どちら様かしら?」



 お母様だったわ! ロティが前に居てディオスを抱っこしながらカウンター前にいらしたんだけど……ちょっと変な尋ね方だったの。



「お母様! シア様よ?」



 あたしが生まれる前にお会いしてたんじゃなかったのかしら? だからあたしが言葉を続けようとしたら、シア様が頭をぽんぽんとなでてくださった。



「姿が違うからよ。この姿では、初めましてね? チャロナ」


「シア? え、もしかして……ディーシアちゃん?」


「そうよ。十年ぶりね」


「ふふ。大きくなって」


「お互い色々変わったもの」



 そう言えば、前は姿が違うっておっしゃっていたわ。じゃあ、今のこの綺麗な女の人じゃなかったの? もっと子どもの姿だったのかしら?? 神様だから出来ることなのね!!



「シア様!! 前はお姿は違ったのですか!?」


「ええ、そうよ? あなたより少し大きいくらいだったけど」


「神様だから、姿を変えるのは自在だものね?」


「神だもの」


「すごーい!」


『でふー』


『みゅ』




 けど、お母様が来てくださったのなら……シア様のお好きなパンが作れるかもしれないわ!



「お母様、教えてほしいことがあるの!」


「え?」


「シア様が、おもち入りのあんぱんが食べたいっておっしゃったの!」


「……シアちゃん、食べたの??」


「うふふ。ちょっと伝手を得てね? 美味しかったわー」



 おもち入りのパン……美味しいんだ?


 おもちは、ぜんざいとかおぞーにとかで食べたことはあるけど……パンに入れると美味しいの? 固くならないの??



「そうね。リーシャとミアの異能(ギフト)じゃ、まだ技能(スキル)の中には『餅つき機』はラインナップされていないわ。それに、パンに入れるおもちは普通のじゃないし」


「あらそうなの?」


「米粉だけじゃない、穀物の粉を混ぜ合わせた……求肥(ぎゅうひ)って言うものを入れるの」


「「ぎゅーひ??」」



 おもちなのにおもちじゃないかしら?


 シア様と一緒に言うと、お母様はにっこり笑ってからシェトラスに材料を集めるように頼んだの。


 今から作れるのかしら?


 あたしにも出来るのか聞いてみると、『もちろん』と言ってくださったの!


 おもちのパン、初挑戦よ!!

次回は日曜日〜

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