表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/200

第97話 来訪(ディーシア視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(ディーシア視点)








 本当の意味で【枯渇の悪食】の厄災が消滅した虹の世界。


 なんて……なんて美しいの!


 全てが色鮮やかで、緑も空の青も輝いているように見える!!


 半分霊体化させながら飛翔して、チャロナたちの屋敷に向かっているんだけど……どこもかしこも綺麗ね!! 手入れが行き届いている素晴らしい菜園や庭園だわ!!



「む?」



 菜園の上を飛んでいると、誰かが私に気づいた。小さな子どもだけど……少し神の力を感じる。気配を探ると、この屋敷に滞在している農耕と豊穣の女神の存在を思い出した。その息子かしら? たしか、人間と交わりを成した女神がいた気がするのだけれど。



『あら、小さな子。私はシアと言うの』


「……お初にお目にかかります。ウルクルの子、アウルと申します」


『やはり、あの女神の。……父親を手伝って?』


「はい。僕の仕事でもあるので」


『えらいわね』



 神の子でも、ヒトと同じように仕事をすることはえらいことだ。私は普段、眠りを介して世界の循環を整えているくらいだから。今も本体は同じままだけれど。



「いえ! そんな……シア様はどうしてこちらへ?」


『ふふ。あなたが生まれる前は、一度か二度……チャロナに会ったことがあるの』



 ヒトの時間だとひと昔という年月。


 だけど……ここは昔よりもっともっと素晴らしい場所へと移り変わっている。


 チャロナに会っても、あれからさらに変わった私を見てどう思うかしら? チャロナ自身も子どもの母親になったことで変わったけれど。



「……僕がご案内しましょうか?」


『いいわ。あなたはあなたの仕事をなさい? それに、チャロナをびっくりさせてあげたいの』



 アウルにそう告げて、私はまた飛翔していく。菜園から庭園まで一直線に抜けていき、霊体を強めれば……神の加護が薄い子には私の姿が見えない。


 だから、そろそろと屋敷に忍び込み、廊下を歩いていると……小さな影が見えたわ。水鏡で見たリーシャとミア。


 ミアには私が見えるから……飛んできて、ぺこりとお辞儀してきたわ。



『でしゅ、神ちゃま』


『うふふ。こんにちは』



 仕方がないわね、と思っているとリーシャがこっちに来て目をキョロキョロとさせていた。この子には見えないものね?



「え? え? 神さま??」


『みゅ。ここにいらっしゃるんでしゅ』


「えぇえ??」



 ここで応じてもいいけど……そうすると、リーシャにパンをねだっちゃいそうだけど……いいよね? 祖父様?

次回は月曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ