表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/200

第92話 片想いについて(セシル視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(セシル視点)









 最近、ローザリオン公爵家に行けない。


 それについては理由がある。


 俺に課題というのが色々出来たからだ!!



「……こんなにも」



 アルフガーノ家の次期当主としての勉学等々。


 それらをこなすために、ここ最近になって父さんから英才教育だと押し付けられたんだ!! リーシャのとこに遊びに行けないじゃないかぁ!?



「……けど、やらないと」



 将来立派な伯爵にならないと、格上の公爵家ご令嬢であるリーシャを嫁入りさせることが出来ない。俺の求婚をあの子が受け入れてくれるかだけど。



(でも、全く脈無しじゃない)



 俺を追いかけてきてくれた……あの時の必死さ。


 小さい頃は、『セシにーに』って無条件に甘えてきてくれたリーシャを……この間だけど、好きだと自覚したんだ。


 可愛くて、元気いっぱいで……公爵家夫人の血筋が濃いのか料理がとても得意になったリーシャ。


 彼女が俺のところに来てくれるためには、まず俺自身を磨かなきゃいけない。


 父さんも、母さんを娶るために色々あったって聞いたから……俺自身も頑張らなくちゃ。


 たまには息抜きしたいと思うけど……父さん曰く、これ終わってからって念押されたからなあ。


 会いたいけど、しばらくリーシャのとこに遊びに行けないや。



「……セシル、にい、さん」



 課題が半分近くになったところで、聞き覚えのある男の子の声がした。振り向けば、小柄な銀髪の男の子が立っていた。ユーシェンシー伯の第一子で俺の幼馴染み。



「ミラクル?」



 それと俺にとっては、父さんと同じ門下生で弟弟子だ。



「えっと……お、お届け……ものです」



 相変わらず、おどおどした話し方だけど……わざわざ俺に用があったのか何かの包みを差し出してきた。



「……誰から?」


「……リーシャ」


「え」


「今日行ったら、くれた……です。ここに行くから……もらって来ました」


「……ありがと」



 挙動不審多いけど、魔法の才能もあるし頭いいからなあ。俺の片想いにも気づいているだろう。とりあえず受け取ると、ずっしりと重かった。



「……今度、孤児院に持っていく……パンの試作だって」


「大事にいただくよ」



 次のパン作りの時は……行けたらいいなあ。


 早く課題終わらせて、父さんを納得させなきゃ!


 ミラクルが帰ってから、ものすごい勢いで片付けた後に食べたパンは……甘いのとしょっぱいのの二種類あるだけでなく、食感も面白くて美味しかった。

次回は日曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ