第91話 合う組み合わせ
お待たせ致しましたー
出来上がったら、皆一斉に食べ出したんだけど。
「……お師匠さん? お茶入ります?」
「……お願いしますですじゃ」
アーネスト様の選んだ組み合わせじゃ、やっぱり合わないから口押さえちゃった。おえっはしなかったけど……残ったのは代わりにロティが食べてくれた。ロティは好き嫌いないのよね?
「おいひー!」
「ツナマヨとアボカド最高!!」
「クリームチーズとツナマヨも絶品なんだぞ!!」
あたしたちは『てきせつ』なディップを選んだから、美味しく食べている。お母様はあんこと生クリームだけど……美味しいのかなあ?
「お母様ー」
「なあに?」
「お母様の選んだの、美味しいの?」
「美味しいわよ。ひと口食べる?」
「うん!」
カプってかめば、カリカリのパンにあんこと生クリームの甘さにふわふわしたのがすっごく合うの!! 美味しいの!!
「子どもたちには、だいたいの組み合わせを書き出すから……お師匠さんのようにはならないと思うわ」
「爺はダメダメなんだぞ」
「だよな!」
「ぐぬぬぬぬ……」
アーネスト様は、まだダメージから戻ってこれないので……お母様といっしょにエディトたちからもうちょっと感想をもらうことにしたの。
「甘いのよりもしょっぱいのがいいかしら?」
「叔母上は甘いのがいいんですか?」
「そうね? 豆を粉にしてまぶす方法もあるけど、汚れやすいから今回はやめておくの。そうすると、あなたたちが選んだようなのが好きかもしれないわね」
「ツナマヨは偉大なのだ!」
「マリーナ、ツナマヨ大好きだもんね?」
「うむ!」
アボカドは収納魔法が無いと腐っちゃうらしいから……あたしはまだ使えないんだよね。
けど、お母様はそろそろレベルアップで付与されるんじゃないかなって言ってくださったの。お母様の異能にも似たような収納魔法があるから。
「じゃあ、甘いのを少し意見も聞きたいし。このクリームの組み合わせをひと口食べてもらえる?」
そう言ってお母様が用意してくださったのは、チョコとカスタードのクリームだったわ。挟んでから切って、ひと口ずつあたしたちが食べてみたら……。
「「「美味しい!!」」」
こってりなのに、甘くて幸せな気持ちになれたの!!
あんこもいいけど……こう言う甘さはいつものクリームパンみたいだわ!!
「うん。やっぱりこの辺りの組み合わせは大丈夫ね? 今のクリームをそれぞれ生クリームに合わせるのもおすすめよ」
「「叔母上食べたいです!!」」
「はいはい」
「むむむ。冒険よりも定番ですか……」
「お師匠さんは冒険し過ぎです」
楽しい時間。
孤児院に行っても、こんな楽しい時間をあの子たちにすごしてほしいなあ。
次回は木曜日〜




