第88話 えっへん(アーネスト視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(アーネスト視点)
「よく来なすった! 殿下方よ!!」
儂が久しく会いたいと陛下に願い、ば……殿下の御子息方に研究室に来ていただいたが。
期待に満ち溢れた良い目をしておられる。やはり、儂が錬金術を伝授するとなれば期待するのも無理はない。儂は天才じゃからな!! ……チャロナ様にははるか劣るが。
「アーネストの爺様!!」
「私たちに何をお教えくださるのだ!?」
双子じゃが、誠に父のシュライゼン様と似て好奇心旺盛じゃな。
それだけ、儂からの伝授が喜んでおるのじゃろう。たしかにこのお二方は料理が全く出来ん。下手すると暗黒物質を作りだしてしまうほどにな。
「落ち着きなされ。本日は我が魔導具の仕上げの手伝いを願いたいのじゃよ」
「「魔導具!!」」
「まだまだ試作段階じゃがな? チャロナ様のロティが変身出来る魔導具の一つを製作中なのじゃ!」
「あ、爺様」
「うん?」
儂が偉大な発表をしたところで、何故かマリーナ殿下が挙手されたのだ。
「叔母上だけでなく、その娘のリーシャも異能を得たのですぞ」
「なに!?」
儂が研究に没頭していた間に、あの方の娘御までもが異能を!? 何故知らせてくださらないのですか、チャロナ様!! 重大事項ですぞ!?
「そうだね。リーシャの契約精霊のミアが色々変身出来てた」
「パンも実に美味だったんだぞ」
「うんうん!」
「……なんと」
殿下方はわざとではないにしろ、陛下にシュライゼン殿下!? 何故その事実を儂にお教えなさらないのだ!? 研究内容も大幅に変更せねばならないのに!!
「……爺様。一緒に行きますか?」
「僕らもリーシャに会いたいから!」
「是非ご一緒させてください!!」
チャロナ様にリーシャ様。
この爺、少しばかり師としてお説教させていただきますぞ!! 試作品の魔導具は亜空間収納に当然入れたとも!!
次回は火曜日〜




